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ドキュメンタリー映画「僕のうしろに道はできる」上映会が開催される

6月15日(日)@North Sydney Leagues Club

脳幹出血で突然倒れ、一生涯四肢に麻痺が残ってしまった元同僚とかっこちゃんこと、山元加津子さんの絆をとらえたドキュメンタリー映画「僕のうしろに道はできる~奇跡が奇跡でなくなる日に向かって~」が6月15日(土)、North Sydney Leagues Clubにて上映された。

この映画は、脳出血の中でも最も重症とされる脳幹出血によって、突然倒れてしまった“宮ぷー”こと宮田俊也さんと、宮田さんの元同僚で養護学校の教諭を経て作家としても活躍する山元加津子さんが二人三脚でリハビリに取り組み、常識では考えられないほどの回復を遂げた様子をとらえている。

宮田さんのような重度の症状の場合には体の麻痺だけでなく、意識も戻ることはない、というのが医学的な見解。しかし、これまで養護学校で長年教諭を勤めた山元さんには経験から、意識障害と言われるケースでも「体を起こす」「体のちょっとした反応から意思を読み取る」などの動作を加えることでコミュニケーションがとれるようになり、生きる喜びを取り戻すことができることを知っていた。

血の滲むような努力と日常のささいな幸せを積み重ね、現在では奇跡の回復とまで言われるほど回復した宮田さんと山元さんは今、同じような境遇に置かれている患者や家族のために希望を与え続けている。

また、上映後には、同映画を監督した岩崎靖子さんが挨拶した。続いて、山元さんによる講演会も行われた。山元さんは現在、植物状態と言われる人のリハビリ方法や意思伝達の方法などを伝える新たな取り組み「白雪姫プロジェクト」(http://shirayukihime-project.net/)を行なっている。講演の中で、「知っている人が、知らない人に伝えることが知っている人の義務」と意識障害を持つ人との積極的なコミュニケーションの大切さを述べた。続いて、錬堂塾を主宰する杉本錬堂さんが登壇し、独自のアプローチで健康な体を作る方法も紹介され、大盛況となった

挨拶する岩崎靖子監督。4年かけて撮影が行われた。 白雪姫プロジェクトの活動や映画について語る山元さん。
握力8の山元さんが力を使わずに体の大きな人を移動させるコツを披露。 顔から体のどこが悪いのか見極める方法を説明する杉本錬堂さん(写真中央)。
   
   

 

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