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第1回 村中 浩 氏 スコッツ・モーター・グループ

シドニーは住みやすく、ストレスは感じません

 

これまで長期出張で英国や南アフリカに行ったことはありますが、長期滞在はシドニーが初めてです。住みやすいというのが第一印象ですね。オーストラリアは日本と同じ先進国ですし、何かが足りないとか、これが欲しいというのはあまりないので、言葉以外はほとんど日本と同じ生活が送れるというのが実感です。

オーストラリアには、大学に通っている息子を東京に残して、妻と二人でシドニーに赴任しました。日本国内でも単身での転勤生活はありましたが、やはり食事や洗濯には苦労します。特に週末に洗濯や家事を集中してすると、結局、1週間フル活動になってゆっくり休むことができないんです。今回は妻と一緒ですので、一番楽な赴任生活かもしれません。

私の場合は現地会社の買収が決まってから2週間で日本の家を引き払ってシドニーに赴任しましたので、一切の準備なしでした。こちらに来たのは10月で、そろそろ夏になる時期と聞いていたので、半袖の夏物しか持ってきていませんでした。荷物も船便ですから届くまで2カ月かかります。その間、トランクに入れた荷物以外は何もない状態です。ところが結構寒くて、慌てて服や必需品などを買いに走ることになって大変でした。

 

おもてなしの精神と笑顔で接しています

お客様に対しては「おもてなし」の精神で接しています。その基本は笑顔で、お客さまの前では笑顔で接客することを心掛けています。従業員にも笑顔で話しかけるようにしています。そして、常に安心と安全がお客さまに伝わるように接客するのが大事だと思います。例えばこちらの対応が悪くてお客様がお怒りになったときでも、オーストラリア式の交渉術に慣れる必要がありますが、最後には笑顔で接することで解決していきたいと思います。

言葉では苦労しますね。仕事では秘書兼通訳がついていますが、日常生活ではそれほど困ることはないです。ただ役所関係での手続きなどは一人では難しいですね。おそらく日本の駐在員の方皆さん、苦労されているのではないでしょうか。

それでも今回の日本のラグビーの活躍で、仕事でもお客様から声をかけられますし、日本はすごいなということから話しが始まって、仕事上でも話しが弾んでよかったです。言葉の違いを越えてコミュニケーションがとれました。

スコッツホンダのマネジメントスタッフと

 

そろそろ生活を楽しむことをしたいですね

 

赴任して1年ですが、まず会社を軌道に乗せるということで休みもとらずにやってきました。会社も落ち着いてきたので、これからは週に1、2回は休みをとって、シドニー周辺の観光地に行きたいですね。せっかくオーストラリアに滞在しているわけですし、それに妻の厳しい声もありますので。(笑)

先日、ランドウィックの競馬場に行ったのですが、日本の競馬場とは雰囲気がまったく違って、よかったです。まさに社交場ですね。やはりイギリス連邦の国なんですね。これから徐々にこちらならではのやりたいことなど出てくるかと思いますので、楽しんでいこうと思います。

いまチャッツウッドに住んでいるのですが、できれば海の見えるところに引っ越したくて、毎週末は物件を探しに歩いています。ハウスウォッチングが楽しいですね。また、2週間に1回は外食をしています。オーストラリアのさまざまなレストランを楽しもうと思っています。最近、スタッフに教えられたイタリアンレストランに行きましたが美味しかったですね。

シドニーはシーフードが自慢だと言いますが、私は生まれが北海道なので新鮮な魚介類をいただいて育ってきましたから、やっぱり美味しい魚の味は日本ですね。

オーストラリアはまだこれから事業を拡大していくところですので、最低でも4、5年はいたいと考えています。会社は本人の希望次第という方針ですし、オーストラリアは住みやすいところだと感じていますので、将来的に住む場所の選択肢のひとつではあります。それに二人とも雪の生活には苦労してきたので、今では雪のないシドニー生活で楽をしています。

 

物価の高さとオーストラリア人気質

一番感じるのは物価が高いということです。さまざまな統計ではシドニーは東京と比べて約1.2倍の物価高ということですが、実感としては2倍くらい違いますね。会社としても海外駐在制度を始めてまだ年数が短いので、現地の生活水準の把握が十分でないのが実情です。給与も1年後にようやくこちらの水準に合わせて見直されることになりました。

ただ、物価を除くと、オーストラリア人はフレンドリーですし、日本人に対しても優しい気持ちがあるのではないでしょうか。あまり嫌な思いをしたことはありません。こちらに来る前に人種差別的な考えの人もいると聞いていましたが、来てみて特にそう感じたことはないですね。本当に皆さん仲良くしてくれて、仕事をしていてもストレスを感じることはないですね。

駐在員の方には、生活するうえで特に困ることはないので、物価を気にされたほうが良いと思います。オーストラリア人は基本的にウェルカムの精神なので、こちら側が身構えたり肩肘張ったりしないで、オーストラリアの社会に飛び込んでいけばよいのではないでしょうか。

社員とのクリスマスパーティー    スコッツホンダのセールスチームと

 

最後に… ちょっと気になること

よくこちらで日本人と会ってお話しすると、「駐在ですか」と言われることがあります。どうも駐在員は数年で帰国する立場ですから、知り合いになったとしてもあっさりとした付き合いというイメージがあり、相手の方がそう感じて接しているのではないかと思うんです。こちらとしてはせっかく知り合ってこれから深くお付き合いしようと思っても、付き合いが浅くなるのではないかと感じてしまいます。相手の方がそう感じて構えて接してきていることが気になりますね。

日本に帰ることになったら…? そうですね、北海道の自然遺産で、まだ豊かな自然の残る知床に何日間か過ごしたいですね。鹿やヒグマが出てきますが、そんなところでゆっくりしたいですね。特に北海道は四季の変化が激しく豊かなので、よいですよ。

連載『オーストラリア駐在員物語』の過去記事一覧はこちら
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