エンタメ/スポーツ

オープン・エア・シネマに行ってきました

 

オーストラリアの夏の風物詩、オープン・エア・シネマ。連日35度を越える夏日が続いていたシドニーですが、ちょうど友人がチケットをくれたので、蒸し暑さが引きはじめた夕方に出かけてきました。

 

ボタニック・ガーデンで開催中の「St. George Open Air Cinema」は、大手銀行のSt. Georgeがスポンサーだけに、無料の雑誌やリンツのチョコレートが配られたり、座席に名前入りのシートを貼って予約してしまえば上映まで自由に過ごせたりと、サービス満点。会場内には仮設のレストランやバーもオープンし、シドニーの高層ビル群に夕日が当たって輝きを増す中、お酒やフィッシュ・アンド・チップスをつまみながら、映画が始まるまでのひと時をのんびりと過ごすことができます。あまりに素敵な場所なので、ふたりきりだと誰も彼もがカップルのように見えました。

 

映画の鑑賞場所は、ミセス・マッコーリー・チェアと呼ばれる観光スポット。3階建てに相当するスクリーンがシドニー・ハーバー沿いに備えつけられていて、観客は海に向かって座ることになります。やがて往年の映画音楽メドレーが流れ出すと、すっかり暗くなった海から倒されていたスクリーンが立ち上がりはじめ、子どもたちの歓声があがりました。スクリーンのうしろで、オペラ・ハウスとハーバー・ブリッジがシドニーの夜景にぽっかりと浮かびあがる情景は、なんとも粋なもの。

 

 

この日の上映作品は『Telluride Mountainfilm Festival』。環境や文化、登山、政治や社会正義の問題をテーマにしたノンフィクションやドキュメンタリー作品を集めたコンペティション映画です。こう書くと大真面目な作品ばかりに思えますが、コメディタッチで笑えるものもあり、特に雪山を舞台にした作品が多かったので、蒸し暑い夏の夜のシドニーにいながら暑さを忘れられました。

 

サーフィンをこよなく愛するアイスランド在住の青年が、同国の荒れ狂う風に悩ませられながらもサーフィンに挑む映画『Accords』で、観客の多くから同情のため息がもれていたのですが、そのあとの『The Right』では対照的に、サーファーのRyan Hipwoodが西オーストラリアの巨大な波を相手にしていて、「これぞオーストラリア」と言わんばかりに観客から歓声が絶えませんでした。やっぱり、オーストラリアの波ってすごいんですね。

 

こんな背景でスクリーンを観られるなんて、とても贅沢なことのように思えます。皆さんも、夜風に吹かれながら映画を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

St. George Open Air Cinema(2月22日まで開催中)

http://www.stgeorgeopenair.com.au

 

文:武田彩愛(編集部)

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