エンタメ/スポーツ

マルディグラ・パレードの裏側

 

世界でも最大規模を誇るLGBTIQsの祭典「Mardi Gras」。「Creating Equality(平等をつくる)」のテーマのとおり誰もが楽しめる祭典として、2週間さまざまなイベントで街中が虹色に彩られました。特に最終日のパレードはマルディグラのハイライト。

 

当日は、私もボランティアとしてパレードの進行に関わりました。基本的に全員ゆるい感じなので、ハイド・パークに集まってくるパレード参加者やフロートを案内するときも、ランチを食べながら答えていたり、警察官がヒマを見てはおしゃべりをしに来たり、消防士は車の上に乗っかって休んでいたりと、イベント準備はとっても平和に進行。

 

……するかと思いきや、夕方ごろから見物客が押し寄せて大忙し。総動員数30万人という大波を、警備員と誘導し続けました。朝からぱらついていた雨もパレードが始まるころには落ち着き、日が暮れると会場の熱気は最高潮に。スタート地点の担当だった自分は、人ごみに揉まれて途中から何をやっているのやら分からなくなりましたが、パレードが始まるやいなや自由時間になり、普通に最後まで見物できました。

 

最後はボランティア・チームとしてパレードの最後尾につき、フリンダース・ストリートまで手と手をつないで行進。やたらと注目を浴びます。ボランティアの大半が、そのまま歩いてアフター・パーティーの会場まで流れていくのですが、私は朝まで踊り明かせる体力がまったく残っていなかったので、自分のチームとハグして直帰しました。

 

 

©︎Hamid Mousa

 

個人的にパレードのボランティアで印象的だったのは、豪華なフロートや大胆な衣装のパフォーマーたちよりも、LGBTIQs当事者で裏方として働く人たち。ボランティアはもちろんのこと、清掃やケータリングなどの仕事中でも、相方がやって来て性別に関係なくキスしたり抱き合ったりと楽しそう。

 

日本ではオープンに話しにくいのがLGBTIQsの現状ですが、誰もが生まれたときから血液型が分かれているように、右利きと左利きがあるように、性にも当たり前の違いがあるというだけのこと。たとえ話題にのぼらなくても周囲にLGBTIQsの人がたくさんいるという理解が、こうしたイベントを通じて各国に広がっていくといいなと思います。

 

文:武田彩愛(編集部)

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