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シドニー発豪ドル見通し(5 December 2016)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

 

(豪ドル円日足)

 

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

12/5(月)黒田日銀総裁講演、中国11月財新サービス業PMI、深セン―香港証券取引所接続開始、ユーロ圏財務相会合、米11月ISM非製造業景況指数、地区連銀総裁講演(NY連銀、シカゴ連銀、セントルイス連銀)

6(火)RBA理事会、米10月製造業受注、EU財務相理事会

7(水)豪州Q3GDP、岩田日銀副総裁講演、英10月鉱工業生産

8(木)日本10月国際収支、日本Q3GDP(改定値)、中国11月貿易収支、ECB理事会、、米新規失業保険申請件数

9(金)中国11月CPI/PPI、12月ミシガン大学消費者信頼感(速報値)

<マーケットの焦点>

キーワード:欧州情勢(イタリア、オーストリア、Brexit)、日欧米金融政策、日銀限界論、原油価格

先週もOECD(経済協力開発機構)の世界経済見通し発表、米国Q3GDP(改定値)発表、ウィーンOPEC総会、中国の11月PMI発表、米国11月雇用統計発表が、また週末にはオーストリア大統領選挙、イタリアの憲法改正に関わる国民投票な多くのイベントがありました。

イタリア国民投票の結果はまだ出ていませんが、オーストリア大統領選挙では事前予想でEUで初の極右政党誕生かと見られましたが、結果は極右政党が敗北し緑の党出身のファン・デア・ベレン氏が当選の模様です。

先週のイベントではOECDは世界経済見通しを従来の+3.2%から+3.3%に上方修正し、米国のQ3GDP改定値は2.9%から3.2%に上方修正、注目のウィーンOPEC総会では8年ぶりに日量1.2mioバレルの減産が合意されました。

また中国の11月製造業PMは政府筋・民間の財新がそれぞれ51.7、50.9とここ4-5か月数値は50以上の”景気拡大”を示しました。

また11月の米雇用統計は平均時給の伸びが-0.1%と予想を下回りましたが、失業率4.6%、nfpr +178千人といずれも堅調で来週のFOMCでの利上げをサポートする内容と言えます。

イタリアの国民投票で憲法改正が否決されるとレンツィ内閣総辞職の可能性が指摘され、イタリア政局が再び不安定化する可能性があることが懸念事項です。

その他の上記イベントは総じて結果良好であり、リスク選好ムードを高める可能性があります。

一方トランプ勝利後のトランプブル市場(株価上昇、ドル高)ですが、1月近くを経過し、さすがに先週は強い内容の米国11月雇用統計にもあまり反応せず、トランプブル市場も一巡といったところです。

市場は徐々にクリスマス休暇ムードとなっていきますが、休暇前の焦点はやはり来週13-14日のFOMCと19日の米大統領選選挙人による最終投票でしょうか。

FOMCでの利上げはほぼ確実視されますが、同時に発表されるFOMCメンバーによる来年の利上げ見通し(ドットチャート)は、トランプ政権による金融・経済政策をメンバーがいかに評価するかを知る上で重要です。

個人的にはトランプ勝利前は年間2回程度であった利上げ見通しが4回程度に増えることを予想します。

また選挙人投票はトランプ支持の選挙人がクリントンに寝返った場合には、再びドンデン返しとなりますが、その可能性は低いでしょう。

トランプ勝利後のトランプブル市場として株高、債券利回り上昇、原油高、ドル高が大きく進行しましたが、さすがに休暇シーズン入りを前に市場のポジション調整が活発化する可能性があります。

しかし依然としてトランプ政権への期待値は高く、1月の大統領就任にかけて、トランプブル市場が大きく崩れることはないと考えます。

 

<豪ドル相場>

AUDUSD 0.7371-0.7497   AUDYEN 83.16-84.82

AUDUSD 0.7250-0.7550  AUDYEN 82.50-85.50

今週の豪ドルは:揉み合いの中やや堅調でしょう

先週の豪ドルは74セント台、84円台中心に堅調推移しました。

OPEC総会で日量1.2mioの減産が合意し原油価格が51ドルに上昇するなど資源価格を含めて商品相場が堅調を維持したことや世界的に株価上昇でリスク選好が活発化したことも豪ドルをサポートしました。

またOECDが「住宅バブル抑制のため来年RBAは利上げをすべき」と提言したこともRBAの金融緩和観測を大きく後退させています。

今週は火曜日のRBA理事会と水曜日の豪州Q3GDPが主な国内材料です。

RBA理事会では当面金融政策が据え置きされ来年のどこかの時点で利上げとなると予想します。

またQ3GDPは賃金上昇率の低下が主因となり前回の+3.3%から2%台に低下することが予想されます。

もっともこれは年後半の資源価格の上昇にもかかわらず資源産業では賃上げが遅れていますので、賃金は来年に向けて上昇基調になると予想されます。

豪ドル下落局面での投資家需要や年末に向けた資源輸出見合いの当用買いが豪ドルをサポートする展開を予想します。

 

Have a nice week in advance !!!

 

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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