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日本とオーストラリアの「オーガニック」を知ろう!

いきなりですが、オーガニック製品と聞いても「本当にオーガニックなのか」と疑ってしまうことってありませんか?

現在日本では、食品にオーガニックと表記するためには、農林水産省が定める基準を満たす必要があります。こういったオーガニック製品に関する基準は国によって異なり、特にオーストラリアは世界的に見ても厳しい基準が設けられています。

今回は、日本とオーストラリアの基準や見分け方、人気のオーガニック・レストランなどを紹介していきます!

と、その前に。オーガニック栽培や有機栽培、オーガニック野菜や有機野菜といった言葉。違う意味だと思っていませんか? 実は英語の「オーガニック(Organic)」は、日本語で「有機」という意味なんです!

ではまずは、日本でオーガニック食品に対して基準が設けられるようになった背景から見ていきましょう。

日本の農業の移り変わりと「オーガニック」

日本の農業では、植物性と動物性の有機物を原料とした「有機肥料」が使用されていましたが、それだけでは天候不良や害虫などに対処しきれず、収穫量と品質の保持が大きな課題でした。

高度経済成長期以降、安定した収穫量と手間の削減が期待できることから、自然界に存在する無機物を原料に化学合成された「化学肥料」が急速に普及。しかしその後、今度は過度の農薬や危険な農薬の使用による人体や環境への影響が問題視されるようになります。

身体にも環境にも優しい「無農薬栽培」の技術開発が進む中、「無農薬」と表示していながらも農薬が検出される商品が続出。食物に農薬が残ることを指す「残留農薬」という言葉も注目の的に。それを受けて、農林水産省がオーガニック食品に対する基準を設けることになったわけです。

それでは、次に日本とオーストラリアのオーガニック製品の基準を見ていきましょう。

【日本】農林水産省が定めるオーガニック基準

日本では「化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける」「遺伝子組換え技術を利用しない」といったさまざまな基準が、農林水産省によって定められています。

それらの基準を満たしている食品にのみ「有機JASマーク」がつけられます。有機JASマークのない食品に「オーガニック」「有機栽培」といった表記をすることはできません。さらに、紛らわしい表記をすることも法律で禁じられています。

日本の「オーガニックコスメ」は?

近年日本でも大ブームの「オーガニックコスメ」。先ほどの農林水産省が定めた基準はあくまで食品に関する基準で、実は日本にはオーガニックコスメの認証基準や法律はありません。

化粧品も食品と同様にチェックされているのかというとそうではなく、変な話、企業側が「この商品はオーガニックです」と言いたければ、言えてしまうのです。(そんなことは信じたくないですが……)。

消費者が製造過程をすべて見ることや成分表を読み解くことは難しいので、きちんと基準があった方が安心ですよね。

【オーストラリア】ACOが定めるオーガニック基準

オーストラリアには「ACO (Australian Certified Organic) 」というオーガニック認定機関があります。オーガニック先進国の一つ、フランスで設立され、世界中に加盟団体のある「国際有機農業連盟(IFOAM)」をはじめ、世界各国の機関とオーストラリア検疫機関(AQIS)に登録されています。

「製品に使われる原料の95%以上が認定されたオーガニック原料」「残りの5%には基準に準拠した天然由来成分」といった厳しい基準を満たした製品には、BUD(つぼみ)マークがつけられます。このマークのシェア率はオーストラリア国内で非常に高いため、お店で見たことがある人も多いかもしれません。

オーストラリアの「オーガニックコスメ」は?

オーストラリアでは、オーガニック化粧品もACOによって厳しくチェックされています。基準を満たしている化粧品にはBUDマークがついていたり、ACO Certifiedと表記されていたりします。

そのため、日本と比べてオーストラリアの製品はオーガニックかどうかが見分けやすく、きちんと認定された化粧品を手に取ることができるので信頼性も高いと言えます。

オーストラリアで「オーガニック野菜」を購入しよう!

オーストラリアでは、毎週末各地でマーケットが開かれており、写真のようにオーガニック野菜が売られていることがあります。

シドニーでは郊外で開かれる「マーリックビル・オーガニックフード・アンド・ファーマーズマーケット(Marrickville Organic Food and Farmers Markets)」が有名です。

マーケットだけでなく、スーパーマーケットでもオーガニック野菜を購入することができます。マーケットの野菜は包装されておらず、ACOマークがなく本当にオーガニックか定かではないため、心配な方はスーパーマーケットでACOマークをチェックするのがおすすめです。

こだわりいっぱいの「オーガニック・レストラン」

最後に、シドニーでオーガニックにこだわっているお店を2店舗をご紹介します。

コメコ・フーズ・カフェ(Comeco Foods Cafe)

日本の米粉のパンに感動したオーナーが開店。ドーナツやパン、寿司などのすべてのメニューがヴィーガン・グルテンフリーに対応しており、オーガニックにもこだわっている。

所在地:524A King St, Newtown NSW 2042
ウェブ:Comeco Foods Cafe

ザ・ガーデンズ(THE GARDENS)

「Born in the garden, bred in the kitchen」の表示が目を引くレストラン。オーガニックの野菜や鶏肉を使い身体が喜ぶメニューが自慢。朝は健康志向の高いビジネスマンで賑わうことも。

所在地:644 George St, Sydney NSW 2000
ウェブ: THE GARDENS


やはりオーストラリアは「オーガニック大国」と呼ばれるだけあって、日本と比べてオーガニック食品や製品が身近な存在に感じます。オーガニックの知識がついたところで、ぜひマーケットやレストランへ一度行かれてみてはいかがでしょうか!

JAMS.TV公式ブロガー:Ken
1994年生まれの岐阜県出身。日本の栄養士養成校を卒業後、2年間栄養士として活動。2018年夏からシドニーに在住。
好きなことは運動をすること。ただ、肥えることも得意。こんな顔してますが、モノマネや一発芸は不得意。好きな言葉は「縁を大切に」。
Instagram:@kjirofficail

【Kenさんの過去記事】
オーストラリアの紫外線事情「夏に摂るべき野菜・果物」は?
「たかがタマネギ。されどタマネギ。」栄養たっぷりのヒミツ!

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