医療/保険

協力金あり! 社会貢献もできる「治験」ボランティアとは?

今年に入って新型コロナウイルス感染が世界中に拡大している中、各国の研究機関や企業がウイルス感染を予防するためのワクチン開発を急いでいます。ワクチンなどの新薬開発では、さまざまな実験を経たのち「病への有効性」上で「人への安全性」と予測されるものがくすりの候補として選ばれ、医学ボランティアの人々の協力を得て、病への効果と人体への安全性を調べる最終段階に移ります。

ひとつのくすりが生まれるまでには、評価や検討など膨大な時間とデータが必要になり、「治験」は医療の進歩に欠かせないもの

この記事では、オーストラリアでも重要な位置づけである「治験」について詳しくご紹介!「治験って何をするの?」「安全性は?」「お金がもらえるって本当?」など「治験」のさまざまな疑問について詳しく解説。

また今回の日本人を対象にしたシドニーの「治験」ボランティアは、ニューサウスウェールズ大学やニューサウスウェールズ州地方衛生局など公的機関とパートナーである臨床試験施設「Scientia Clinical Research」で実施。「Scientia Clinical Research」の取り組みや、「どんな環境で過ごすの?」と気になる方に向けて施設情報もあわせてお伝えします。(新型コロナウイルスに関する治験ではありません。)

*参考:厚生労働省公式ウェブサイト

「治験」って安全なの?

「治験」は、新しいくすりの有効性と安全性を確認するために行われる臨床試験のこと。

「治験」の候補になるくすりは、今あるくすりよりも有効かつ安全であることが証明されています。また、医学ボランティアの人々の人権や安全を最優先に、実施方法に関する厳しい基準、治験の妥当性、副作用などについても以下のように厳しく審査・認可されたものだけが実施されています。

  1. ヘルシンキ宣言:世界医師会にて採択された倫理規範
  2. GCP(医薬品の臨床試験の実施基準):厚生労働省で定めた人権や安全を最優先するための基準
  3. IRB(治験審査委員会):治験の妥当性や副作用などについて厳しく審査

「治験」を実施できる施設は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を満たす病院だけ。その病院の患者を基本的に被験者としますが、なかなか見つからないのが実情で、そのために一般から「治験」ボランティアを募集することがあります。

薬事法などの規制から治験薬に関しては詳細な情報を開示されませんが、以下のように厳しく審査・認可された施設だけが実施することを許されます。

  1. 医療設備が充分に整っている
  2. 責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師などが揃っている
  3. 治験の内容を審査する委員会を利用できる
  4. 緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行える

「治験」って怖くない?

「治験」ボランティアへの参加は強制ではありません。参加前には必ず「インフォームド・コンセント」と呼ばれる公的な手続きを行い、納得がいかない場合は不参加と決めても問題ありません

  1. インフォームド:担当医から「治験」について十分な説明を受けること
  2. コンセント:インフォームドの内容を十分に理解した上で、自由意志において参加を同意すること

インフォームド・コンセントでは、治験の目的、くすりの使用方法、検査内容、参加する期間、期待される効果と予想される副作用などが詳しく説明されます。わからないことや確認したいことがあれば、納得するまで質問することができます。

また、「治験」実施中に副作用が起きるなどの健康被害が生じた場合、それに対する補償を受けることができます。インフォームド・コンセントの際に健康被害の補償についての詳細も説明があります。

「治験」ボランティアには内容に応じて参加条件があり、健康な方やご病気をお持ちの方など、あなたの健康状態によって参加可能な「治験」の種類は異なりますが、どの「治験」でも、カルテや検査結果など参加者のプライバシーは厳重に保護されます。

「治験」って痛くない?

厳密に言えば、既に承認されて出回っているくすりでも少なからず副作用はあります。 風邪薬を飲んだら眠気を催すことがあるのも副作用。くすりというのは服用する人の体質や他の薬との飲み合わせにより、副作用が発生することが判明しています。

それでも「治験」のくすり候補は、事前に生体への安全性を確認して問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても国の基準に沿い、参加者の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています

健康な方を対象にしたくすりの「治験」は、有効性については評価項目となっていません。くすりの代謝や血液中の薬の濃度などを確認するための臨床試験となります。「治験」実施中は、定期的に製薬会社の担当者が病院へ出向き、予定どおり診察や検査が行われているかをモニタリングします。

「治験」の協力費って何?

「治験」ボランティアに参加料や入院費は発生しません。その代わり、交通費や業務休暇などボランティア参加者の時間的拘束や経済的負担を減らすために協力費が支払われます。これは「治験」ボランティアの不利益を救済するためのシステムで、謝礼や経済的メリットを目的とはしていません。

協力費に加えて、今回の「Scientia Clinical Research」には快適な滞在施設と三食の食事が提供されるので、「治験」ボランティアの方の負担のが大きくなることはありません。

「治験」ボランティアの詳細


43236238 – college students to guts pose

「治験」ボランティア募集要項

  • 対象年齢:18歳〜65歳
  • 対象人物:健康で、現在服薬中でない方
  • 募集期間:9月~12月
  • 検査期間:数日間の入院、数回の外来通院
  • 検査内容:複数の治験を実施
  • 協力費:試験内容や期間によって異なる

「治験」ボランティアへの参加メリット

  1. 新薬の成長の手助けになる
  2. 同じもしくは違う文化の人たちと出会い、友達になる機会がある
  3. 新設の清潔で心地よいクリニックに滞在できる
  4. 滞在期間中の食事がすべて賄われる
  5. インターネットWiFi、自由時間が提供される
  6. 協力した時間に応じて協力費が支払われる
  7. 日本語に対応している

「治験」ボランティアへの登録・お問い合わせ

検査の具体的な期間や、内容、協力費については、以下からお問い合わせください。日本語にも対応していますので、疑問点や不安なことがあれば事前に質問も可能です。

メール:Recruitment@scientiaclinicalresearch.com.au
電話:1800-727-123 (日本人担当者に直通)
登録フォーム:http://www.scientiaclinicalresearch.com.au/japanese(日本語)

「Scientia Clinical Research」ってどんな施設?

シドニーのランドウィックに位置する「Scientia Clinical Research」は、ニューサウスウェールズ州初の公的資金による臨床試験専用施設。公共がんセンターとシドニー小児病院サービスも含む「Bright Alliance Building」内にあり、プリンスオブウェールズ病院や王立婦人科病院、ニューサウスウェールズ大学、ロヴィがん研究センターと共同で主要な研究施設を運営。

オンサイトの研究所と薬局も所有し、リアルタイム研究データ収集システム「TrialOne」を使用する施設としてはオーストラリア初。世界トップクラスの臨床試験の専門知識と最先端の設備を持ち、初期フェーズの臨床研究を中心に腫瘍学や血液学を含む広範な治療分野において臨床試験を実施しています。

最新研究施設の内部はどうなってるの?

「治験」ボランティアの参加者には、30床のベッドが各自に提供されます。入院の場合には臨床試験ごとに起床時間や消灯時間が管理されており、1日に何回か採血・採尿を予定している場合がほとんど。それ以外の時間は、他の参加者と一緒に自由に過ごすことができます。

「Scientia Clinical Research」に在籍するスタッフはGP(一般医)、専門医、または医療専門家です。「治験」ボランティアの参加者の健康と人権を最優先に尊重する、プロフェッショナルのヘルスケアを受けることができます。何か困ったことや悩みごとがある場合も、気軽に相談してみましょう。

治験実施中のトラブルに対応する個人相談室やオンサイト薬局、病院救急部のコールサービスといったメディカルサービスはもちろん、参加者のためのラウンジ、ダイニング、レクリエーションルーム、売店などの暮らしの空間も快適。施設からはクージー・ビーチの美しい景色が臨めます。

ラウンジには大型テレビ、フリーWi-Fi、DVDプレーヤーと各種映画、雑誌、パソコンなども充実しています。漫画を読んだり、インターネットをしたり、友達とお喋りをしたり、リラックスした時間を楽しみましょう。

新型コロナウイルス対策はあるの?

臨床試験専門施設だけに、「治験」ボランティア参加者の健康、安全、および福祉は最優先事項とされています。新設の医療機関だけあって、その清潔さと衛生対策は万全。スタッフ全員は常に衛生に気を配り、毎日検温、清掃活動の強化、手指消毒器と手洗い衛生対策などの特別警戒の上、参加者一人一人の健康を常時チェックしてくれます。

新型コロナウイルスの感染対策も初期の頃から徹底し、平時以上に施設内の全員を保護するための追加的な対策を随時講じています。

例えば、新型コロナウイルスのリスクを評価するために体調不良、発熱、空咳などの呼吸器症状がある場合、自宅での隔離が必要となり、同施設へのアクセスができなくなる他、ソーシャルディスタンスの確保として参加者のベッドは通常より2倍の間隔で設置されています。

「Scientia Clinical Research」までの道順は?

「Scientia Clinical Research」はシドニー市内から約8km、シドニー・キングスフォード・スミス国際空港から約8km、ランドウィックのプリンス・オブ・ウェールズ病院キャンパス構内「Bright Building」の5階にあります。Avoca Street、High Street、Barker Streetのいずれかを経由してアクセスできます。

バスかライトレール、または路上駐車場(30分無料)を利用する場合、Avoca Streetからのアクセスをおすすめします。正面玄関の入口は午前7:30から午後5時まで開いています。

営業時間外のアクセスには、小児病院の入口となるHigh Streetを経由してください。

Barker Streetはプリンス・オブ・ウェールズ病院の入口です。病院の地下駐車場を利用する場合におすすめします。病院の正面玄関のガラス戸を通り、ギフトショップ、リフト、右の薬局を過ぎた後、左側の廊下に沿って進んでください。

Scientia Clinical Research

所在地:Level 5, Bright Building, Corner High and Avoca Street, Randwick NSW 2031
電話:1800 727 123 (日本人担当者直通)
メール:Recruitment@scientiaclinicalresearch.com.au
ウェブ:www.scientiaclinicalresearch.com.au
Facebook:https://www.facebook.com/scientiaclinicalresearch

この記事をシェアする

JAMS.TVからのお知らせ

Pick Up

PickUp-bottom-01

メンバー一同こころよりお問い合わせ・ご相談をお待ちしております。

JAMS.TVへのご相談はこちらから

この投稿者の記事一覧

その他の記事はこちら