オーストラリア最後の秘境

オーストラリアの面積全体の1/3を占める広大な西オーストラリア州の北部、
険しい大地の広がるキンバリー郡は、日本よりやや小さめで面積35万平方キロ。
見渡す限りの平原にバオバブの木、アカシアの灌木などが散在し、
一見してここはアフリカ、マダガスカル?のような風景です。

白人の入植は1880年代中頃。主に食肉牛の放牧地として開拓が始まりました。
しかし、1つの牧場の区画が100万エーカー(100km x 40kmの長方形の面積)もあり、1980年代になるまで、先住民アボリジニと一部の冒険家や科学者たちを除き、
文明をよせつけない未開の地でした。
そのため、キンバリー郡は『オーストラリア最後の秘境』と呼ばれています。

パヌルル国立公園のバングルバングル

1987年に国立公園に指定され、2003年にオーストラリアでは15番目に世界自然遺産に指定されたパヌルル国立公園は、西オーストラリア州の東キンバリー地区に位置し、24万ヘクタールの面積をほこります。

その中に高さ200-250メートルの奇岩群、バングルバングルがあり、
エアーズロックやマウントオルガをしのぐスケールの大景観が楽しめます。3億5千万年前からの石英質砂岩が、太陽と雨と風に侵食され出来上がったビーハイブ(岩峰群)は、濃淡オレンジ色の岩肌にくっきり黒の縞模様がついていて、ちょうどマウントオルガの赤茶けた岩肌に黒の美しい横縞をつけて、何百倍も密集させたようなイメージです。
岩肌の赤茶けた部分には酸化鉄、黒い部分にはラン藻植物(シアノバクテリア)が付着しているそうです。

太陽と風雨、生命の営みが、長い歳月をかけて地球に彫りこんだ巨大なアートは、
まさに世界遺産と呼ばれるにふさわしい景観を楽しませてくれます。

パヌルル国立公園へのアクセス

パヌルル国立公園へは、北部準州の州都ダーウィンから825Km西側に位置する、カナナラという町がベースタウンとなります。この町を拠点として日帰りのバングルバングル上空遊覧飛行ツアーや、2泊3日の4WDで行くツアーが各種催行されているほか、ここで4WDを借りてセルフドライブという方法もあります。

ただし、12月‐3月の雨季に年間降雨量700ミリの雨が集中、水が氾濫し、ぬかるんだ道路は車両通行止めとなるため、陸路によるアプローチは4月から11月の乾季のみ可能となっています。また乾季であっても陸路でバングルバングルに行くには、一部、オフロード走行の経験・テクニックが必要とされるので、未経験者は4WDツアーへの参加をお薦めします。
 

プヌルル国立公園の入口はカナナラの南方250kmか、
ホールズ・クリークの北方109kmの2箇所のみ。

公園内は4WD車以外の走行は不可能です。

キャンプ場はワラディとクラジョン・キャンプの2箇所にあります
(トイレと水道完備)。