より具体的な話。ケンブリッジ英検に合格するレベルとは?「ビジネスレベルの英語ができる」って何だろう?

「世界で最も権威のある・・」「5つのレベルに分かれて・・」という話はページ下で詳しくさせていただくとして、まずケンブリッジ検定に合格するレベルとは世界でどう認められ、実際にはどの程度のレベルなのかを実践的にご説明します。

以前、こんなアンケートが公開されました。

国際業務に携わっている現役のビジネスパースン、約7千人を対象にしたアンケート調査の結果、「実務で必要な英語力はどのぐらいか」という問いに対して、ヨーロッパ共通参照枠CEFR(右解説参照)ではできればC1(ケンブリッジではCAE)、少なくともB2(FCE)は必要だと回答しています。

CEFRのレベル、ケンブリッジのレベル分類については右の解説をご覧ください。

したがって、「仕事で使える」事を目標にする方の多いケンブリッジ受験者は、通常FCE以上に目標を設定します。

これはかなりの高レベルです。分かりやすく説明します。以下の表をご覧ください。

CEFR LEVEL
Cambridge ESOL
語彙数
EUにおける、推奨される
到達水準年齢
A1
Starters
<1500 ~11歳
A2
KET
1500-2500 14歳
B1
PET
2750-3250 16歳
B2
FCE
3250-4500 18歳
C1
CAE
3750-4500 18歳以上、大学レベル
C2
CPE
4500-5000  

この表のB2-C2が、「仕事に使える英語力」として認められるレベルです。では一見ぎりぎり届かないように見えるB1のレベルとは、どの程度なのでしょうか?実はこのB1レベルが、日本人に一番多い初級者~中級者で留まっている層なのです。

具体例:日本人に多いA2-B1「ひとまず通じるレベル」

思い当たりませんか?B1レベルの特徴

・レストランで、「この料理の材料は何か?」と尋ねられる。
・ショッピングで、何が欲しいか頼む事ができる。
・電話で予約を入れる事ができる。
・定型的な文章なら書ける。
・旅行先で、パンフレットに何が書いてあるか大体分かる。
・辞書があれば、英語の文章から必要な情報が抜き出せ理解できる。
・受付・予約・確認など定型的な内容であれば、相手の言っている事が聞きとれ、ある程度意思の疎通が図れる。

B1のすぐ下のA2が挨拶や日常会話、しかも定型的なものをこなせれば十分であるとしているのに対して、B1はA2の会話がずっと長くなってもこなせる必要があり、日常英会話では自分の言いたいことをきちんと伝える能力が求められます。

具体例:「仕事で使える」B2(FCE)レベル

大きくランクアップする、B2の特徴

・旅行買い物に不便なし。返品クレームなど意見が言える。
・長文も理解できるが、専門書の場合は難しい。
・知識のある分野であれば、ほぼ会話が聞き取れる。

と、B1と較べて大きな差があります。「たどたどしい」とか「しどろもどろ」という程度では落第です。十分ではなくても、これだけ出来てなんとか仕事で使えると認められる訳です。またB2はヨーロッパの大学が留学生として受入れてくれる事もある、最低ラインとなっています。

参考:CEFRによるB2レベルの具体的な定義

リーディング能力
Can understand the main ideas of complex text on both concrete and abstract topics, including technical discussions in his/her field of specialisation.

スピーキング能力
Can interact with a degree of fluency and spontaneity that makes regular interaction with native speakers quite possible without strain for either party.

ライティング能力
Can produce clear, detailed text on a wide range of subjects and explain a viewpoint on a topical issue giving the advantages and disadvantages of various options.

では1ランクアップするにはどの程度学習が必要なのか?それぞれのレベルに達するまでの学習時間目安とは?

以下の表をご覧ください。

<ケンブリッジ英検が公表するステップ別の標準学習時間>

CEFR LEVEL
学習時間目安
A2
180-200
B1
350-400
B2
500-600
C1
700-800
C2
1000-2000

「なんだ、B1からB2まで100-200時間程度でいいのか」と考えるのは早計です。これはEUでの話ですので、日本人はもっと必要です。「ドイツ人で400時間必要なら、日本人は1,500時間必要」というイギリスでの経験則があるように、1年間みっちり勉強してやっと1ランクアップできる程度とお考えください。

例えば、TOEIC本などで有名な神崎 正哉先生(現在TOEIC(R)990点、英検1級、国連英検特A級、ケンブリッジ英検特A級所持)の場合、

CambridgeのFCE(CEFRのB2レベル)からCAE(CEFRのC1レベル)まで1年、 次のCPE(CEFRのC2レベル)までもう1年かかりました。 その期間、イギリスで英語学校に通い、1日授業3時間+自主学習3時間を週5日、年間30週していました。年900時間の計算になります。それに加え日常生活でも英語に囲まれていたので、英語に接した時間はおそらくその倍の1800時間はあったはずです。それだけやってようやく1レベルアップです。

との事で、日本人では標準学習時間表のようなスムーズなステップアップは難しいかもしれません。

気が遠くなるような道のりでしょうか? いえ、今までは不明瞭だった、 「使える英語力とはなにか? 闇雲に勉強するのではなく、計画的に習得するにはどうしたらいいのか?」 という問いへの”答え”が明確になったとお考えください。

例えばFCEの「仕事で使える英語力」を具体的な学習内容・時間と共に提示したケンブリッジ英検は、逆に言えばこれだけ学習すれば「ビジネス英語レベル」と言える目標値をはっきりと示しており、他の英語検定とは一線を画しています。

ゴールが分かれば学習意欲も沸き、継続すると言うものです。

単なる「資格取得」ではなく、あくまで活きた英語力を追及するケンブリッジ英検に合格する事は、そのまま世界で通用する英語力をもった人間として認められるのと同じ事なのです。

CEFR ヨーロッパ共通参照枠
(Common European Framework of Reference)とは?

世界一の経済圏であるEUが域内の共通指標として使っている言語運用能力の判定基準。外国語能力のデファクトスタンダードです。

初級A1,A2 中級B1,B2, 上級C1,C2の6段階に分かれ、EUでは年齢別の到達水準として、
11歳までに A1
14歳までに A2
16歳までに B1
18歳までに B2
が「標準コース」と考えられており、C1, C2 は大学レベルと想定されています。

またCEFRとは外国語学習とは何か、それを教えるとは何かまでカバーしている包括的な文書です。コミュニケートするとはどういうことであり、そのためには「何ができるようになる必要があるのか」を示すと共に、コミュニケートするための言語活動をこなすためにはどういう知識とスキルが必要かも示しています。

ケンブリッジ英語検定は、CEFRの6段階評価に準拠していることが評価され、ハーバード・ビジネススクールを初めとする教育機関や多国籍企業が英語運用能力を証明するものとして採用しています。

 

 

どんな試験?ケンブリッジ英検。

ケンブリッジ大学(Cambridge ESOL:University of Cambridge English for Speakers of Other Languages)が実施しているケンブリッジ英語検定試験は、130ヶ国以上で実施され年間200万人以上が受験する、英語検定の中では最も権威ある試験です。

このケンブリッジ英検は、英語の知識量を測る試験ではなく、英語の知識を使いこなす能力があるかを判断するものです。 会話力・文法力だけでは点数が取れないテストであり、読む、書く、聞く、話すの4技能+正しい文法、すべてを使いこなす能力が必要となります。

ケンブリッジ検定レベル区分

ケンブリッジ英語検定は、基礎から最上級まで5レベルに分かれています。

・基礎レベル KET
・初級レベル PET
・中級レベル FCE
・上級レベル CAE
・最上級レベル CPE

この中でも、中級レベルのFCEが最も受験者が多いレベルで、このFCEの証明書があればTOEICで言えば大体760点、英語クラスで言えばAdvanceレベルの英語力があるとみなされ、将来仕事をする上で大いに役立つ資格となります。例えばEU圏内ではこのFCEを持っている事で仕事の選択肢の幅が全く変わってくるため、取得する事はほぼ必須となっています。こういったことから、「仕事で使う英語力を身に付けている」と判断されるのはFCEレベル以上となります。

またCAEとCPEの合格証明書があれば、英語圏の大学の入学が認められることが多くなります(ケンブリッジ大学ではCPE所持者は入学試験科目中の英語が免除される)。

試験内容

FCEは5科目

・Reading 1時間15分
・Writing 1時間20分
・Useof English 1時間15分
・Listening 40分
・Speaking 15分

ケンブリッジ検定準備コース

PETからCPEまで各レベルのコースに分かれ試験対策の勉強を行います。テストスタイルはペーパーベースとコンピューターベースにわかれます。両方のスタイルの対策をやっている学校もあればどちらかのみを導入している学校もあります。3月・6月・8月・12月の試験に合わせて年4回(学校によっては3回)1月・3月・6月・9月のコースがスタートされ、基本的には3月・9月は12週、1月は10週でてすとまで集中的に勉強していきます。※期間も学校によって若干変わります。

準備コースは、誰でも受けられる訳ではない

ケンブリッジ試験対策コースには各学校毎にエントリーテストが設けられ、英語力のチェックを行います。日中テストを受けることができない方の為に夕方にもエントリーテストを実施致します。

留学当初からケンブリッジを目標とする場合、準備コースの準備コースがある

留学したばかりの学生・WHさんが最終的にケンブリッジを目指す場合、まずは一般英語コースでUpper Intermediateか相当するレベルまで学習し、次にケンブリッジに挑む事になります。

今回アイエスを通してお申し込みいただいた場合の特典

FCE合格者のカウンセラーCHIKAがケンブリッジ検定に向けての勉強術を伝授するワークショップを行います。