カカドゥ国立公園 (Kakadu National Park)

1981年にユネスコの文化自然複合遺産として登録されたほか、「ラムサール条約」の登録湿地としても指定されている世界でも有数の大自然の宝庫です。

東西約100キロ、南北約220キロ、面積は約2万平方キロと日本の四国がほぼ入ってしまうほど広大なエリアを有し、公園内の大部分の土地は先住民族アボリジニの所有地となっています。
気候は熱帯エリアに属し、雨季(11月~3月)と乾季(4月から10月)に分かれています。

人気映画、『クロコダイルダンディー』の撮影舞台となった場所がいくつも含まれており、実物の迫力はスクリーンをはるかに上回ることが実感できます。

カカドゥという言葉の由来

カカドゥという名前は昔からこのあたりに暮らすアボリジニのガガデュー族(Gagudjyu)に由来した言葉です。

オーストラリア先住民アボリジニは今から少なくても2万5千年前、説によれば4-5万年も以前からこの地域に住み着いたといわれています。アボリジニは自分たちの祖先が大地や生物すべてを創造し、自らも大地の一部なのだと信じていました。

そうしたアボリジニが自然の一部として住み続けているカカドゥは、考古学上の価値も世界的に高く評価され世界複合遺産として登録されました。

オーストラリア全土のおよそ1/3にあたる、280種類もの野鳥が見られ、
体長1メートルを超える巨大魚バラマンディーや塩水ワニが生息する大湿原、4万年からわずか半世紀前までにわたりアボリジニたちにより多くの壁画が描かれた岩山、美しい滝やビラボーンなど、トップエンドの醍醐味を一般の旅行者でも安全、かつ快適に楽しめる場所がカカドゥです。

 

先住民アボリジニの残した貴重な文化遺産

エリアの北部地域は大湿地帯が広がり、緑豊かな熱帯の景観が、南部地域は砂岩質の断層崖や渓谷の荒々しい雰囲気が特徴的です。また、先住民族アボリジニの文化に接することができるのも、カカドゥの大きな魅力のひとつとなっています。7000点 近くにものぼる壁画が発見されており、それらの多くが一般に公開されています。
今からおよそ4万年くらい前からこのあたり一帯を生活圏にしていたアボリジニたちが描いたこれらのロックペイントは、魚や動物、人間の体内にある骨格や内臓が透けて見える、いわゆる『X線画法』というスタイルで描かれており、レントゲンのない時代によくこんなものが描けたものだと感心させられます。

カカドゥー国立公園の見どころ

国立公園内のハイライトの1つは、イエローウォーター湿地帯のクルーズ(所要2時間)です。

雄大な湿地帯に集まる水鳥や塩水及び淡水ワニ、美しいスイレンに代表されるさまざまな草木などが観賞できます。雨の少ない乾季には、水を求めて野鳥や 動物、ワニなどが水辺に集まるため、一度に多くの生き物たちを観察できるベストシーズンを迎えます。

日中は気温が高くなりすぎ、鳥や動物たちの活性も低くなっている
ため、クルーズは早朝か夕暮れ時のいずれか、1日2回催行されています。