クイーンズランドの湿潤熱帯地域

ファーノースクイーンズランドには約90万ヘクタールに及ぶ広大な熱帯雨林がひろがっています。正確には湿潤熱帯地域(ウェットトロピックス)と呼ばれ、世界に分布する熱帯雨林の中でも最も古い、1億3000万年の歴史を誇ります。ここにはゴンドワナ大陸時代からその容姿をとどめたままの養生植物の羊歯やコケ、イチジク(フィグツリー)など原種に近い種類の植物が繁茂し、世界に分布する19科の原始植物のうち13科が確認されています。390種類の植物、カンガルー、ワラビー、パディメロン、ポッサム、バンディクート、カモノハシなどオーストラリア固有の110種類もの有袋類、162種類の爬虫類、327種の鳥類が生息しているといわれます。

豊かな森と珊瑚礁の海は繋がっている

世界最古の熱帯雨林が世界最大の珊瑚礁の海に出会う場所が、ここファーノースクイーンズランドです。

標高1000m級 の山々が連なるこのあたりの熱帯雨林に降る雨水は、豊富なミネラルを含んだ火山性土壌で濾過され、川になり、海にそそぎ、マングローブ林や珊瑚礁を形成し ます。植物・動物性プランクトンがその栄養分で育てられ、それをエビ、カニ、小魚が食べて成魚となり、さらにそれらを捕食する大型回遊魚や海鳥たちがあつまります。

クイーンズランドの湿潤熱帯地域では、地球上に残された手つかずの豊かな森と珊瑚礁の海が1つの生態系として繋がっているエコシステムの様子をつぶさに観察・体感できるのです。

クイーンズランドの湿潤熱帯地域の主な見どころ

デインツリー国立公園とケープ・トリビュレーション国立公園

ケアンズから北へ約1時間走るとポートダグラスというリゾートタウンがありますが、さらに少し北方、海岸線から内陸へ折れていくとモスマン渓谷のあるデインツリー国立公園に入ります。

標高1,159mのデミ山を中心に熱帯雨林で覆われた緑の森林が広がり、熱帯植物が生茂る清流にはシルバーパーチなど川魚が群れ、木々の間を野鳥が飛び交う命の楽園です。

そこからさらにサトウキビ畑の間を30分ほど北上、マングローブ林に塩水クロコダイルがひそむデインツリー川を渡るとケープ・トリビュレーション国立公園になります。

ここは、珊瑚礁の海まで熱帯 雨林が突き出しており、グレートバリアリーフとケアンズ人気を二分する太古の熱帯雨林へのツアーが数多く催行されているところです。

 

クックタウン

ケープ・トリビュレーションからさらにブルームフィールドトラックという未舗装の道路を113km北上すると、最後の文明の町、クックタウンに到着します。

なぜ最後の文明かというと、ケープ・ヨークの先端までここから先は町がないので、ケープ・ヨークを目指す旅人にとって、ここでガソリンを満たし、水や食料、日用品を調達するためです。

探検家キャプテン・ジェームス・クックの船、エンデバー号が1770年にこの町の沖合のリーフで座礁し、23時間後に脱出に成功、修理のために2ヶ月間滞在したことが町の起源です。

ホテルが1軒、モーテルが数件、灯台とジェームスクック博物館があるだけの、
歴史に取り残されたような北端の町はとっても風情のあるところなのです。


 

キュランダ

ケアンズの北西約20km、標高400m弱 のキュランダは
熱帯雨林にすっぽりと包まれた高原の町です。

ケアンズの町はずれからスカイレールに乗り込めば、熱帯雨林を
空から眺められ、途中駅で下車すれば熱帯雨林の中に延びるボードウォークを歩いて散策することができます。

有名なバロン滝の雄姿、フリーマーケットやテーマパークなど、
訪問者を飽きさせない魅力がたっぷりです。

 

 

アサ―トン高原

ケアンズの西側に広がる海抜400-1000メートルの高原地帯、アサートン高原には広々とした草原、ワニの棲む湿原、美しい滝や湖が無数に点在し、巨大な絞め殺しのイチジクの樹(カーテンフィグツリー)、ミラミラ滝、バーリン湖、イーチャム湖、パロネラパーク(スペイン風古城)など見どころが盛りだくさん。

ケアンズ発の各種ツアーやレンタカーでのドライブコースとして
人気のエリアです。