ウルル・カタ・ジュタ国立公園 (エアーズロックとオルガ群山)

オーストラリアの大陸中央部は360度地平線が続く、荒涼とした赤土の大地が広がり、レッドセンターと呼ばれています。

地球上で他所にはない、オーストラリア固有の印象的な風景を代表するのが、
面積1,300平方キロに渡るウルル・カタジュタ国立公園です。

ここでは、2万年以上も前から先住民、アボリジニの生活が営まれており、大自然の素晴らしさばかりではなく、人類史上稀にみる歴史・文化的側面からもその価値が高く評価され、1987年にはユネスコの世界(複合)遺産に登録されています。

ウルル(エアーズロック)

高さ348m、周囲の長さ9,400m、6億年の歳月をかけて、海水、太陽、風と大地の営みがつくりあげた大自然の芸術は、日本では圧倒的にエアーズロックという名称で知られていますが、アボリジニの言葉では、ウルルと呼ばれています。

1873年、 最初にこの巨大な岩山を発見した西洋人が、当時の南オーストラリア州・事務局長のヘンリー・エアーズ卿の名前に因んでエアーズロックと名付けたのが語源だそうです。ところが近年、地元オーストラリアでは、先住民アボリジニの間で聖地として崇められている、ウルルという言葉が正式な地名として併記されるようになっています。

呼び名はさておき、大陸中央部の赤色巨大岩は、時空を越えて人々の心に普遍の価値の
素晴らしさを与え続けています。

カタ・ジュタ (オルガ群山)

カタ・ジュタとはアボリジニの言葉で「たくさんの頭」の意味で、全部で36個の大岩が集まった奇岩群です。一番高いところで約500メートルとウルルよりも背が高く、こちらもアボリジニの聖地で、特に男性の聖地とされています。

眺めているだけでも美しいこの岩の間にはオルガ・ゴージ(The Olga Gorge)という往復4キロ程のトレイルがあり、カタ・ジュタを内側から楽しむことができます。
またマウント・ギーとマウント・ウルパの間は バレー・オブ・ウィンズ(The Valley of Winds)という風の谷があり、まるで空を飛べそうな風が吹き抜ける人気トラックです。

この岩は朝焼けと夕焼けも美しい場所。
重なり合う岩の明るい部分と影の部分のコントラストが美しく、一枚岩のウルルとはまた違った景観が楽しめます。