シドニーと姉妹都市関係にある名古屋市の高校生たちが、交換留学プログラムの一環として8月20日、シドニー市庁舎を表敬訪問した。
名古屋市教育委員会では、未来を担うにふさわしい国際的視野を持った心豊かな人間の育成と国際理解教育の充実を図ることを目的として、市立高校に通う生徒を姉妹友好都市を中心とした海外都市に派遣している。なかでもシドニーとの交換留学プログラムは長きにわたる交流が続き、2020年には姉妹都市提携40周年を迎えた。同年以降のプログラムはコロナ禍の中止を経て昨年から再開された。
今年シドニーを訪れた名古屋市立高校の一行は、8月11日から8月22日までの12日間の日程で、昨年と同様にブルーマウンテンズでのホームステイと現地校入学を体験し、シドニー市内にあるウェノナ高校、ショア高校、ニューサウスウェールズ大学の3校を訪問。また、シドニーを代表する文化施設であるオペラハウスやオーストラリア博物館、歴史的なロックス地区、オーストラリア固有の動物も多いタロンガ動物園などを視察した。
歓迎レセプションでは今年もロバート・コック副市長が一行を出迎え、第二次世界大戦直後に両国の関係強化のために結ばれたシドニーと名古屋の姉妹都市関係について、シドニー市のハイド・パークにある日本庭園には名古屋市から寄贈された伝統的な石灯籠もあること、タロンガ動物園にいるコアラの主食となるユーカリが名古屋市でも栽培されていることなど、両国の深い絆について語った。続いて、新たにシドニー・名古屋姉妹都市委員会の委員長に就任したワーウィック・ミラー氏からの挨拶があった。
名古屋市の高校の一行からは、引率の竹内愛子教員と学生代表の小川ジョイさんが英語で謝辞を述べた。小川さんは「パンデミックが始まって以来、国際交流の重要性をずっと考えてきました。その答えがこのプログラムにあったと思います」と語り、同プログラムの意義と機会について改めて周知した。
学生たちによる日本語と英語での「カントリーロード」の合唱を披露した後は、記念品の交換記念撮影があり、名古屋市からシドニー市へは七宝焼の皿と名古屋城の柄が施されたタオルが贈られた。
「名古屋の学生たちと会うたび、彼らが国際経験を積みながら英語力を向上していく姿やオーストラリアの新しい文化を受け入れている姿を見て、誇りに思うとともにやりがいを感じます。過去にシドニーを訪れた学生たちも再訪できるような機会をもっと増やせたらと思いますね。今後も名古屋市とはさまざまな分野で関係を強化していきたいと考えています。特に、食文化の面においてより緊密な文化的結びつきを育むべきです。名古屋には日本の他の地域とは異なるユニークな料理がありますから。シドニーでも名古屋の食文化を紹介することで、現地を訪れることへの興味を高めることができるでしょう」
「今回嬉しいことに、シドニーの生徒さんたちと触れ合う機会をたくさん作っていただくことができました。 日本語を勉強されている生徒さんも多くいらっしゃり、このような機会を通して日本語あるいは日本文化を知りたい・学びたいというモチベーションを上げることにつながればと思います。外国あるいはオーストラリアは遠い別の世界というふうに思っている子どもたちも多いかと思いますが、姉妹都市などのご縁を通してフレンドシップを育める機会をもっと日本でも作っていけたらと思います。 来られなかった生徒たちにもたくさんの学びを伝えて、より多くの子どもたちのフレンドシップが遠くまでつながっていけばと願っています」
「ホストファミリーと一緒に時間を過ごせたことがとても楽しかったです。 ゲームや食事や観光など色々なことを一緒にしましたが、現地の人しか知らないこと、トラベルブックに載ってないようなことを教えてもらって。オーストラリアは多国籍で、 食事や服装、宗教の違いなど、何もかもが新しくて、一人ひとりの異なる個性を伸ばしているところがとてもいいなと思いました。私の夢は教師になることですが、英語を使って色々な国の人と交流できるような働き方もしてみたいです」
「ホームステイ先のブルーマウンテンズの自然がとても心に残りました。僕はもともと自然が好きで日本でも色々なところに行くのですが、やっぱりオーストラリアは土地が広いだけあって、山が遠くまで広がっていたり、落差がすごい滝があったり、日本よりも自然のスケールが大きかったです。日本の学校との違いも印象に残りました。オーストラリアの学校は日本と違ってわりと時間に自由で、少人数だからか一人ひとりが発言しやすい環境に見えました。僕は将来、海洋関係の研究職に就きたいと思っているので、 グローバルな仕事だからもっと色々な国の人と英語を使って関わりながら、それぞれの国の価値観や感性などを知っていきたいです」
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