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シドニーと名古屋市の交換留学プログラム、今年も絆を深める

シドニーと姉妹都市関係にある名古屋市の高校生たちが、交換留学プログラムの一環として8月5日、シドニー市庁舎を表敬訪問した。

名古屋市教育委員会では、未来を担うにふさわしい国際的視野を持った心豊かな人間の育成と国際理解教育の充実を図ることを目的として、市立高校に通う生徒を姉妹友好都市を中心とした海外都市に派遣している。なかでもシドニーとの交換留学プログラムは長きにわたる交流が続き、今年はシドニー市と名古屋市の姉妹都市提携45周年となる節目の年だ。

シドニーを訪れた名古屋市立高校の一行は、7月28日からブルーマウンテンを訪問し、現地でホームステイを体験したのち、8月2日から8月6日までシドニー市内に移動。タロンガ動物園やオーストラリア博物館、NSW州立美術館などシドニーを代表する文化施設を視察し、現地の高校やマッコリー大学の生徒と交流を深めた。

シドニー市庁舎では、ロバート・コック議員とシドニー名古屋姉妹都市委員会のワーウィック・ミラー委員が一行を温かく出迎え、歓迎の意を表した。アフタヌーンティーを楽しみながら歓談したのち、両市代表による挨拶と高校生らのパフォーマンスが行われた。

歓迎レセプションのスピーチにて、コック議員は「多様性を尊重し、他者とつながることが今後ますます重要となる世界情勢において、若い日本人がオーストラリアを訪れ、異文化に触れて学ぶ姿勢は非常に意義深く、人生の貴重な経験となるだろう。シドニー市では17年間にわたり日本の高校生を迎えており、友情や文化交流の架け橋となってきた。生徒たちのパフォーマンスも楽しみの一つであり、この国際交流が相互理解や新たなつながりを生むことを願っている」と語った。

また、ミラー委員も「名古屋とオーストラリアの人々の間に育まれる友情こそが交流の本質。その友好関係を次世代も受け継いでくれていることに感謝している。毎年名古屋を訪れている私たちを現地の人々が温かく迎えてくれるように、訪問した学生たちがシドニーでの交流を通じて、多くの発見や感動を得てくれれば嬉しい。将来の再会を楽しみにしている」と続いた。

名古屋市の高校の一行からは、引率の若山ゆう教員と学生代表の鈴木さくらさんが英語で心を込めて謝辞を述べた。

その後、学生たちによる日本語での「ありがとう(いきものがかり)」の合唱が披露され、記念品の交換と記念撮影へ。最後に、一行は文化プログラムサービス担当マネージャーのマシュー・ファロン氏とプログラムラーニング担当マネージャーのエレン・ロウリー氏に案内され、シドニー市庁舎を見学した。

参加者のコメント

ロバート・コック議員

「名古屋市立高校の生徒たちにとって、異なる文化や生活に触れることは、世界の広さを実感する貴重な機会。特にシドニーのような多文化都市では、さまざまな国の人々がどのように共存しているのかを肌で感じられるため、生徒たちが自分自身の文化やアイデンティティを見つめ直すきっかけにもなるはず。日本文化は奥が深く、敬意や伝統が大切にされています。だからこそ、外の世界を知ることで自国の素晴らしさにも改めて気づけるのではないでしょうか。若いうちに世界に触れることがその後の人生に影響を与え、今回の交流を通じて将来国際関係や異文化理解を学ぼうとする学生も現れるかもしれません。

また、今年は名古屋とシドニーの姉妹都市提携45周年という節目の年。姉妹都市としての取り組みは学生交流のみならず、動物園間の交流やマラソン大会など、さまざまな形で市民レベルのつながりも深めています。私たちの長い歴史が築いてきた信頼と友情を、これからも大切に守り、次の世代へつなげていきたいと考えています」

引率 若山ゆう先生(富田高校)

「オーストラリアに到着した当初、生徒たちは緊張と不安に包まれている様子でした。初めての環境、文化、言語、あらゆるものが新しく、戸惑いもあったことと思います。しかし、ホームステイや現地校での体験、施設の見学などを通じて少しずつ笑顔が増え、自信をつけていく姿を見ることができました。前向きに多くのことにチャレンジし、それぞれに『次はこれを頑張りたい』という新しい目標を見つけ、たくさんの素敵な友人と出会い、交流を深めることができました。

今回の交流が生徒たちにとってかけがえのない経験となり、シドニーと名古屋の間の友情がこれからも長く続いていくことを願ってやみません。そして今後、さらに多くの名古屋の高校生たちがこの貴重な機会を得られることを心より願っています」

 

生徒代表 鈴木さくらさん(向陽高校)

「このプログラムへの参加を決めた時に、父が自分の子ども時代の思い出を話してくれました。小学生の頃に名古屋の東山動植物園へ初めてコアラがやって来たこと、そのためにユーカリの葉が輸入されたニュースを観たこと、地元の銀行でコアラ型の貯金箱をもらったことなど、父の記憶が今の私の経験とつながったように感じられ、家族の中でオーストラリアが特別な意味を持つようになりました。

シドニーと名古屋の姉妹都市提携は今年で45年になりますが、年月は私の年齢の3倍にもなります。これほど長く続いてきた関係の中に自分も加われたことに、深い感謝の気持ちを抱いています。

現地校を訪問した際には、先生方や生徒の皆さんに温かく迎えていただき、心に残る思い出をたくさん作ることができました。この経験は私たち一人ひとりにとって一生の宝物です」

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