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【絵本】 第4回 絵本を取り巻く環境(その1)

Commercialism (商業主義) の中で育つ子ども達

その昔、日本のある出版社は発行する書籍の売上げ向上のため原作を映画化し、

主役を務める女優・男優をオーディションで選び、映画のシナリオ本や関連商品を

販売するというメディアミックスを展開して大成功を収めました。

(一時期下火になりましたが、今でもこの路線は健在のようです。)

これを子どもの本の世界で見てみると、かなり似たような状況が浮かび上がってきます。

初期のディズニー映画のほとんどは古典童話をウォルトディズニーの魔法で?

大衆受けするようにアレンジされたものです。ABCショップに行けば、ABC Kids で

放送されているアニメの原作本とビデオ、もちろん関連キャラクターグッズが販売されています。

今の子ども達は、まず「見てから読む」という順番の方が圧倒的に多いような気がします。

もしくは「見たから読まない」? 映画やテレビでお馴染みになってからだと、確かに

すんなり原作本の世界に入り込めるという利点はあると思います。例えばかなりの人が

原作を読もうとして挫折した分、「The Lord of the Rings」が映画化されて、恩恵を受けた

のではないでしょうか。

しかし、最初から映像で見てしまったが故に子ども達は原作を読んでも独自の発想を持ちにくい、

空想の範囲が制限されてしまうという恐れもあります。例えば本も映画も大ヒットを記録している

「Harry Potter」シリーズですが、関連商品も販売され、多くの人達が何らかの形で映画化された

配役の姿を目にしていると思います。

ですので、映画を見ていない子どもでも、今から原作を読んで彼らなりの主人公像を描くのは

難しいと思います。どうしてもダニエル・ラドクリフになってしまうのではないでしょうか。

このトピックは奥が深いので、また次回も続けたいと思います。

<今週のお薦め本(大人向け)>

ディズニーの魔法  有馬 哲夫 著

ディズニー映画の原作のうち、6つの童話の恐るべき?真実とディズニーがどのように

リメイクしたかが、よくわかります。

お勧めの絵本、知りたい絵本、その他 なんでも ehon@live.com.au まで(直美)

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