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豪日での野球経験を経て米メジャーへ!ジョシュア選手に独占取材

世界最高峰のプロ野球リーグ「メジャー・リーグ・ベースボール(MLB)」のナショナルリーグの「フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)/以下、フィリーズ」が、今回シドニー出身のオーストラリア人ピッチャー、ジョシュア・ゲスナー(Joshua Gessner)選手と約120万豪ドルで、大型契約を結んだ。

シドニーのマンリー・ビーチで育ったジョシュア選手は、愛知県出身の母を持つ18歳。小学校2年生で野球を始め、ジュニア時代はシドニーの「ドラゴンズ・ベースボール・クラブ(Dragons Baseball Club)」でプレー。その後、オーストラリアのプロ野球リーグである「オーストラリアン・ベースボール・リーグ(ABL)」の「シドニー・ブルー・ソックス(Sydney Blue Sox)」に入団し、ピッチャーとして頭角を現す。

学生野球の夏季リーグ「ウエスト・コースト・リーグ(West Coast League)」の「ビクトリア・ハーバーキャッツ(Victoria HarbourCats)」の活躍も認められ、アメリカの大学への進学が決まっていたが、今回フィリーズとの契約にサインした。

フィリーズとの契約に至るまでの道のりや、幼少時代を過ごした日本での思い出、野球に対する考えなどを伺った。

フィリーズとの契約に至った経緯を教えてください。

ピッチャーとして球速が上がってきたので、アメリカの球団からいくつかオファーをもらっていました。その中でもフィリーズは僕の将来性をすごく買ってくれていたんです。

何度もフィリーズのスカウトの方たちがアメリカからオーストラリアまでお話に来てくれたり、フィラデルフィアにあるフィリーズの球場(シチズンズ・バンク・パーク)での試合にも特別待遇で招待してくれたりと、僕を迎え入れようとする情熱がすごかったのを鮮明に覚えています。

実は、フィリーズから以前にもオファーをいただいたことがあるのですが、今回は以前よりも高待遇のオファーを提示していただいたので、契約を結ぶことに決めました。

高校卒業後すぐにプロとして活躍しようと考えていたのですか

将来的にプロとして活躍していくことは視野に入れていましたが、当時は高校卒業後すぐにプロ野球選手になることは考えていませんでした。MLBのいくつかの球団からオファーをいただいたのですが、全て断っていました。大学でビジネスを勉強したいという気持ちがあったので。

アメリカでは、野球ができて学力も高ければ、レベルの高い大学や有名な大学からオファーをもらえます。僕も幸運なことに、ハーバード大学やテュレーン大学、スタンフォード大学などの有名な大学からオファーをもらいました。いろいろ考えた結果、100%学費免除という素晴らしいオファーをくれたテュレーン大学への進学を決めました。

一度は大学に進学することを決心したのですが、フィリーズから「考え直して欲しい」と何度も熱心に話をいただいたので、大学に行かずにフィリーズとの契約にサインしました。

若くして輝かしい功績を挙げられていますが、幼い頃から野球で頭角を現していたのですか?

野球を始めたのは、僕が小学校2年生で、母の実家がある愛知県に住んでいたときです。友達と学校が終わってから、近くにあった公園でずっと野球をしていましたね。

野球を始めるまでは、オーストラリアでも人気があったサッカーをしていたんです。でも、日本ではサッカーをしている友達が周りにおらず、みんな野球に夢中でした。あと、祖父が日本のプロ野球チームを応援していたことが後押ししてくれて、野球を本格的に始めました。

シドニーに戻ってからは、ジュニアの野球チーム「ドラゴンズ」でプレーして、その後は「シドニー・ブルーソックス」に入団しました。

実は、野球を始めてからずっとショートを守っていたのですが、16歳になったときに、今後ショートのポジションで活躍していくことに限界を感じていました。他の人と比べるとショートは上手くなかったんです。肩が強かったことと周りの推薦などもあって、ピッチャーに転向しました。

ピッチャーとして活躍するために意識していることがあれば教えてください。

昔から監督やコーチの言うことだけでなく、自分でメニューを考えて自主的にトレーニングするように意識しています。自分にどんなトレーニングがあっているのか、何が必要なのかをひたすら考えていましたね。最近では、野球の技術面より身体づくりや球速を上げるためのトレーニングが大事だと考え、実践しています。

身体作りの一環として、食べることにもこだわっています。昔はどちらかと言うと痩せている方でした。食べることが嫌いだったので……(笑)。でも、体重を増やして身体を大きくしないと球速が上がらないと思い、トレーニングの一環として食事面にも気を使っています。その甲斐あって、昔は70kgぐらいしかありませんでしたが、今は95kgぐらいまで体重が増えました。

ただ、いくら継続的に身体を鍛えるトレーニングをしたとしても、メンタルが弱いと競争が激しいプロの世界では負けてしまいます。なので、これからはメンタルを鍛えることも意識していこうと考えています。特に、ピッチャーはマウンド上で自信を持って投げないと、対戦相手からガンガン打たれてしまうのでね。態度や姿勢で自信を見せて、バッターに威圧感を与えることも重要だと思っています。

あとは、試合でマウンドに上がる前は、自分の好きな音楽が入ったプレイリストを聴いて、テンションを上げてアドレナリンを出していますね。

好きな日本のプロ野球選手はいますか? また、MLBで対戦してみたい日本人選手は?

千賀滉大選手(福岡ソフトバンクホークス)が好きです。彼からは、技術面で多くのことを学ばせてもらっています。今フォークを投げ始めていますが、千賀投手はフォークを投げるのがとても上手なので、参考にさせてもらっています。

MLBの日本人選手は、対戦してみたいなんてとても言えませんが、ダルビッシュ有投手(シカゴ・カブス)ですね。僕がメジャーまで上がれたときに、彼がまだプレーしていたらですけど。

もしチャンスがあれば、日本でもプレーしてみたいですね。小さい頃から日本のプロ野球でプレーすることは夢だったので。野球を始めるきっかけにもなった、祖父の影響で「中日ドラゴンズ」のファンなんですよ。MLBよりも日本のプロ野球をよく観るくらいですし(笑)。

最後に、今後の展望について教えてください。

まずはマイナーリーグから、毎年こつこつと昇格していくこと。順調にいけば、早くて5年ぐらいでメジャーまで上がることができます。もちろん不安はありますけど、プロとして、仕事として野球をやっていくと決めたので、不安なことは考えず、頑張っていくしかないと思っています。

将来はメジャーで活躍する選手になりたいですが、もし叶わなかったとしても、後悔のないよう、満足できるように全力で努力していきたいですね。

ジョシュア・ゲスナー(Joshua Gessner)

オーストラリア人の父と、愛知県出身の母を持つ18歳。シドニーのマンリー・ビーチで育ち、小学校2年生のときに野球を始める。ジュニア時代はシドニーの「ドラゴンズ・ベースボール・クラブ」でプレーし、その後「シドニー・ブルー・ソックス」に入団し、ピッチャーとして頭角を現す。
2019年の6月に、MLBの「フィラデルフィア・フィリーズ」と約120万豪ドルで、大型契約を結んだ。

フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)

1883年に発足した古株球団。MLBを代表する人気球団のひとつ。ナショナルリーグ東地区所属のプロ野球チーム。アメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィアのシチズンズ・バンク・パークを拠点に活動している。
近年はリーグ上位で安定しており、2009年にチーム史上初のナショナルリーグ連覇を達成。2004年にシチズンズ・バンク・パークが開場して以来、観客動員数でも上位に名を連ねている。

 

取材:西村 望美 写真・文:西畑 鷹矢

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