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【ACL特集】シドニーFCのGKコーチに訊いた鹿島戦の見所!

現在アジア各地で開催中のAFCチャンピオンズ・リーグ(通称:ACL)。そのグループ予選第3節目の試合のため、日本の強豪クラブ鹿島アントラーズが来豪し、3月7日(水)にシドニーFCと、ムーア・パークのシドニー・フットボール・スタジアムにて対戦する!

現在の鹿島アントラーズの戦績は、第1節で上海緑地申花(中国)と1-1で引き分け、続く第2節では水原三星ブルーウィングス(韓国)に2-1で勝利している。対するシドニーFCは、第1節で水原三星ブルーウィングスに2-0で敗北、第2節の上海緑地申花とは2-2で引き分けている。

そして迎える第3節。シドニーFCとしては初のホームゲームになるので、どうしても勝ち星が欲しいところ。鹿島アントラーズにとってもグループ予選突破に向けて確実に勝利を収めたい。

そんな気になる今回の対戦について、シドニーFCのアカデミー(13〜18歳)でゴールキーパーコーチを務め、日豪両国のサッカー事情に精通する数少ない人物である伊藤瑞希氏に徹底解説してもらった!

AFCチャンピオンズリーグとは?

AFCチャンピオンズリーグとは通称ACLと呼ばれる大会で、アジアサッカー連盟(Asian Football Confederation/略称:AFC)が主催する、アジアのクラブチームNo.1を決める大会ですね。

今年は、日本から川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ、セレッソ大阪、柏レイソルの4チームが出場します。出場チームはA〜Hまでの8ブロックに振り分けられ、ホーム&アウェイで試合をし、各予選ブロックの上位2チームが決勝トーナメントに進出、優勝チームがアジアNo.1のクラブチームになります。今回、シドニーFCは日本の鹿島アントラーズ、中国の上海緑地申花、そして韓国の水原三星ブルーウィングスがいるグループHに振り当てられています。

なぜ、オーストラリアはアジア枠なんでしょう?

少し複雑な背景があります。クラブ選手権大会は6つの大陸別に開催されていて、各大会のチャンピオンが世界一を決定するFIFAクラブW杯の出場権を得られるので、それを中心に考えると、アジアに比べて比較的に強豪が少ないオセアニアの連盟に登録したほうが有利かもしれません。

しかし、オセアニアで登録をしてしまうとW杯もオセアニアの枠になってしまいます。オセアニアにおけるサッカーのレベルは決して高くないので、オーストラリア代表がその枠でチャンピオンになることはそう難しくありませんが、W杯進出枠が0.5枠しか与えられていないことが問題です。オセアニアのチャンピオンは、5.5枠を与えられている南米の中で6位になったチームと大陸間プレーオフをして、そこで勝利したチームのみが1枠を獲得、つまりW杯へ出場できるんです。

強豪揃いの南米チームとの一発勝負よりも、4.5枠を保有するアジアの中でホーム&アウェイで長期的に試合をする方が、W杯出場の可能性が高く、実力が拮抗するチームとの戦いは、オーストラリアのサッカー界の発展につながるという判断で、アジアサッカー連盟に登録がされているというわけですね。もちろん、地理的にアジア諸国の方が近かったり、実際に試合を組む時に集客やスポンサーの問題もありますから、そういった部分でのアドバンテージもあるでしょうし、総合的に考えて下された決断なんだと思います。

選手にとってのACLとはどんな大会ですか?

開催規模としては国と国が戦うW杯やオリンピックと比べてしまうと、やや劣るかもしれません…。しかし、クラブの世界一に繋がる大会ですので、クラブへの帰属意識はもちろんどの選手も持っているでしょうし、勝利すれば選手は勝利給を得られたり、スポンサーへのよいアピールチャンスにもなるので、そういった意味でも大会に出場する意欲は高いと思います。

また、海外の選手にとっては、他国に自分を売り込むための絶好のチャンスの場でもあります。特に、現在のアジアサッカー界を見るにつけ、中国や韓国などはチームを運営する資金も潤沢で、給料というのはサッカー選手としての価値を決める1つのステータスでもありますので、チームとして勝ち上がるという目標とは別に、個人でもしっかりと結果を残してアピールしたい選手も多いのではないでしょうか。

ここオーストラリアでは、国としてサッカーが成長段階ということもあるので、レベルの高い相手と試合をすることで経験値を上げたりと、出場するメリットは非常に大きいですね。またさまざまなチームとの対戦を経ることで、現在どれくらいのレベルにいるのか腕試しにもなりますし。もちろん優勝は目指しますが…まずはトーナメントに進出して、そこから一試合でも多く戦いたいとうのが本音だと思います。

鹿島アントラーズにとっては、昨年のACLのチャンピオンが日本の浦和レッズでしたから、日本のクラブチームとしてチャンピオンの座を守らないといけません。実際にそれを狙えるだけの戦力を擁するチームですので、本気で獲りにくると思いますね。

鹿島アントラーズの戦力について

先日、日本へたまたま帰国していた時に、鹿島アントラーズの試合をテレビで観ましたが、僕のイメージする鹿島らしい試合だなと思いました。0-1のビハインドで迎えた後半戦に、セットプレーからなだれ込むようにシュートを打ち、ブロックされた所を拾ってすかさずシュート、そして最後にもう一回打ち込んでゴールを決める。すごくきれいな得点というわけではありませんが、1点は1点ですし、大切な試合の大切な場面でしっかりと決める執念にさすがと思いました。

選手に関しては、8季ぶりにドイツから鹿島に復帰した内田篤人選手に注目が集まっていますが、攻守にわたり非常にバランスのよい戦力が揃っているのがチーム本来の持ち味かなと思います。去年のJリーグでも、最後の最後まで川崎フロンターレと優勝争いをしてましたし、長年在籍しているキャプテンの小笠原満男選手、ゴールキーパーの曽ヶ端準選手、そして遠藤康選手と、10年以上活躍し続けている超一流の選手たちが在籍していて、戦力に大きなブレはないとみています。

シドニー FCに期待するところは?

まずは目の前の試合で勝ち点を獲得し、予選突破を期待したいですね。そして、今回の試合は第3節にして初めてのホームゲームになるわけですから、選手、チーム、ファンが一丸となって勝利をもぎ取ってほしい。そのためには、監督のグラハム・アーノルド氏が提唱している、「できる限りボールを長く持って試合の主導権を取るサッカー」が必要になると思います。これは昨年の国内リーグでも実践していたことで、相手が鹿島アントラーズであろうと試合を支配して勝てるというのが理想だと思います。

ズバリ、シドニー FC対鹿島アントラーズの見どころは?

鹿島アントラーズには植田直通選手と昌子源選手という20代の若いセンターバックがいて、今後の日本代表チームを背負うと期待されています。そこに今季から世界で活躍していた内田篤人選手がサイドバックに加わり、ゴールキーパーには韓国代表のクォン・スンテ選手、もしくは元日本代表の曽ヶ端準選手が構えていて、ディフェンスラインの手前にはボランチの小笠原満男選手もいます。これを、攻略するのはなかなか大変だろうなと思います。


左から昌子選手、植田選手
[出典] http://www.so-net.ne.jp/antlers/index?SmRint=ant_pc_header_top_clubname

それに対してシドニーFCは、オーストラリアAリーグで、勝ち点、得点でリーグ記録を破ったほどの実績と勢いがありますし、9番のボボ選手も歴代に並ぶだけの得点を決めています。他にも、キャプテンで14番のアレックス・ブロスケ選手は日本でもプレーした経験があり、ミロシュ・ニンコヴィッチ選手やアドリアン・ミェジェイェフスキ選手など、アタッカー陣にタレントが揃っていて、得点力があるチームなので、どうやって鹿島アントラーズの鉄壁のディフェンスラインを突破するかが見どころになるかもしれませんね。


ボボ選手
[出典] https://www.gettyimages.com.au

両者の魅力をわかりやすく比較しましたが、鹿島アントラーズのディフェンスラインが強固だからといって、守備一辺倒になるとは考えられません。鹿島アントラーズはボールをコントロールしたり、保持したりするのが得意なので、シドニーFCがゲームの主導権を握れない可能性も大いにあるとも思います。

対戦を楽しみにしている人にメッセージを!

僕はシドニーFCのスタッフなので、個人的にはシドニーFCの応援をしてほしいな…と思いますが、日本人からすると、日本人選手がいないシドニーFCを応援するのは難しいと思うんですよね。なので、皆さんには鹿島アントラーズを応援していただいて全然かまいません(笑)。

しかも、今回はJAMS.TVさんでペアチケットの懸賞キャンペーンやディスカウントキャンペーン(※ページ下部参照)など、試合を盛り上げるコラボレーションも実施させていただいてますので、サッカー好きはもちろん、これまで興味がなかった方にもスタジアムに足を運んでほしいという思いですね。

試合が開催されるアリアンツ・スタジアムは今シーズンを持って改修工事に入ることが決定し、現在のスタジアムを見れるチャンスも残り少なくなっています。日本の多くのサッカースタジアムと違ってサッカーコートの周りに陸上トラックもないので、ピッチとの距離が非常に近く、芝生や土の香りがしたり、選手がバンっとぶつかる音や息遣いまで感じれる臨場感にあふれたスタジアムです。その雰囲気をこの機会にぜひ感じてください。


アリアンツ・スタジアム
[出典] https://en.wikipedia.org/wiki/Sydney_Football_Stadium

後は、せっかくオーストラリアにいるのだから、オージー流にサッカー観戦を楽しむこともできますよね。試合前にまずはビールを飲んで、試合中は応援しながら飲んで、そして帰り道にはパブでまた飲む(笑)。これがオーストラリアのパブ文化とスポーツ文化なので、皆さんもこの楽しみ方を体験してみてはいかがでしょうか。

ところで、伊藤さんのお気に入りの選手はいますか?

僕が純粋に好きなのは11番のアドリアン・ミェジェイェフスキ選手。

彼は2017-18年のシーズンから加入した元ポーランド代表の選手で、利き足の左足から繰り出されるパス、シュート、フリーキックは見ていてドキドキさせてくれますね。試合を観ている時にも「彼にボールが入ってほしい」と思いますし、「次はなにをしてるくれるんだろう?」とワクワクします。日本人選手で例えると中村俊輔選手のような感じでしょうか? 彼の存在は鹿島アントラーズにとって脅威になると思うので、ぜひ注目してみてください。


アドリアン・ミェジェイェフスキ選手
[出典] https://www.przegladsportowy.pl/magazyn-przegladu-sportowego/adrian-mierzejewski-blyszczy-w-australii-jak-mu-sie-tam-zyje-reportaz/2yxdtsx

それと、おもしろい選手という意味では18番のマット・サイモンという選手も外せません。彼は日本人選手で例えると中山雅史選手のような感じですね。絶対に得点を決めてくれるとか、ものすごいテクニックがあるというわけではありませんが、ピッチ上では誰よりも戦ってくれる選手なんです。出場するとチームもサポーターも勢いづく選手なので、スタジアムの雰囲気が変わる瞬間を楽しみにしていてください!


マット・サイモン選手
[出典] https://theworldgame.sbs.com.au/article/2016/05/17/sydney-fc-striker-simon-says-future-now

伊藤瑞希氏のプロフィール

シドニーFCのアカデミーチーム(13歳〜18歳)に所属するゴールキーパーコーチ。小学校3年生の時にサッカーをはじめ、24歳までアマチュア選手としてプレーする。日本大学にて体育教員免許を取得後、プロのサッカー指導者を目指すため筑波大学大学院に進学。大学院在籍中にシンガポールにて2年間キーパーコーチとして勤務。修了後、ワーキングホリデーで渡豪し、シドニーFCでボランティアコーチの下積みからスタート。2016年12月よりチームと正式契約を交わし、現在はキーパーコーチとして、オーストラリアの若手選手育成に励む。

「ワーホリお仕事図鑑」でも取材させていただきました!
https://www.jams.tv/education/69921

ACLグループH予選第3節 シドニーFC対鹿島アントラーズ

2018年3月7日(水) 19:30キックオフ
料金 25ドル〜40ドル(JAMS.TV 割引あり)
@Sydney Football Stadium(Driver Avenue, Moore Park, Sydney)
http://premier.ticketek.com.au/shows/show.aspx?sh=SACL218

JAMS.TVでは読者へ向けたキャンペーンを実施中!
オンラインのチケット購入時にパスワードを入力するだけで、Away Silver Reservedシートを25ドル(通常30ドル)、Away activeシートを22ドル(通常27ドル)のディスカウント・プライスで購入できる。

キックオフは午後7時30分。みんなで一緒に鹿島アントラーズ、そしてシドニーFCを応援し、サッカーで日豪の交流を盛り上げよう!

  • 【JAMS.TV限定】ディスカウント・チケットの購入方法
    [1]以下のリンクにアクセス
    http://premier.ticketek.com.au/shows/show.aspx?sh=SACL218
    [2]パスワードの空欄に「ANTLERS15」と入力
    [3]「Silver Reserved」または「Away active」を選んで購入画面へ
    ※チケット代に加えてスタジアムのサービス料金として要6.75ドル。

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