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TRA申請 - 実務経験によって技術を取得した場合 

 

Trade職(注1)の方が サブクラス885/886/887/475/485/487/175/176などのSkilled Migration Visaを取得するためには、DIAC(Department of Immigration and Citizenship)へのビザ申請の前に、まずTRA (Trades Recognition Australia)という機関に対し資格・技術認定の申請を行う必要があります。
 
この記事の執筆現在、TRAは審査基準としてUAC(Uniform Assessment Criteria)を用いています。
昨年の8月までは、このUAC基準で設けられているPathway A ~Eのいずれかを満たすことによってTRA認定を受けることができたのですが、2007年9月に行われた基準の一部改訂の結果 Pathway D については使用ができなくなりました。(注2)
 
Pathway Dは、専門学校などに行かずに、職場での実務経験により技術を得た方のためのものでしたので、一部のビザ申請予定者はこの結果大きな影響を受けることになりました。
 
専門学校などでの職業訓練を受けていない方の場合、Pathway A ~Cの要件を満たすことができません。
このような方がTRAの認定を受ける方法としては下記の様な方法が考えられます。
   ①日本で専門学校に通いPathway BまたはCの要件を満たす。
   ②オーストラリアの資格である Certificate III を取得してPathway Eの要件を満たす。
 
この記事では②の方法 Pathway E について説明します。
 
Pathway Eはさらに下記のふたつのサブカテゴリーに分かれます。TRAへの申請を行い、その上でDIACにビザの申請を行います。
 
    a. オーストラリアに留学し、専門学校でCertificate III を取得の場合。
    b. RTO(Registered Training Organization)の ワークプレースアセスメントを受けてCertificate III を取得の場合。
 
 
a. オーストラリアに留学し、専門学校でCertificate III を取得の場合
 
オーストラリアに留学し、専門学校でCertificate III を取得する場合、コースの期間は職種によって異なりますが、人気の高い調理師コースの場合は1年前後のところが多いようです。
なおオーストラリアの専門学校でCertificate IIIを取得した上でTRA申請を行う場合には 900時間の実務経験も必要です。
 
Certificate IIIの取得後はそのまま就学を続け 2 Year Study Rule を満たしてから、サブクラス885ビザを申請したり、
あるいは一旦日本に帰国し、サブクラス175のビザ申請に必要な12ヶ月間の経験を積んだ上で日本からビザを申請することができます。(注3)
 
サブクラス885、サブクラス175、2 Year Study Ruleについては下記をご参照下さい。
 
 
なおオーストラリア留学の場合、きちんと学校に通って勉強すればCerticate IIIを取得できますが、取得までには一定の期間が必要であり、学費、渡航費、滞在費などの費用がかかります。
 
 
b. RTOの ワークプレースアセスメントを受けてCertificate III を取得の場合
 
この場合はオーストラリアに留学する必要はありません。RTOの ワークプレースアセスメントを受けてから
(RTOとTRAは名前が似ていますが、別の機関です。)
 
RTOのワークプレースアセスメントでは、申請者の過去の経歴や、実務で身につけた技術を書類審査と実技試験によって審査します。アセスメントを受けるためには最低でも4年の実務経験が必要です。
 
なおワークプレースアセスメントを受ける場合、Certificate III 取得のための費用と時間は留学の場合に比べ少なくてすみますが、RTOのアセスメントについては合格の保証がないため、受験料、また日本から来てアセスメントを受ける場合は渡航費などが無駄になる可能性もあります。
 
 
最後に、過去の記事でお知らせしたようにTRAはUACに変わる新基準導入の準備を進めています。新基準の内容によっては、専門学校等で職業訓練を受けていない方でも、上記以外の方法でTRAの認定を受けられるようになるかもしれません。新基準の内容と導入時期は、まだ正式に発表されていませんが、3ヶ月から半年以内に何らかの発表があると思われます。(注4)
 
 
(注1) Trade職の例: 調理師、美容師、家具製作、塗装、自動車整備職 など
       詳しくはフォーム1121i でTRAが査定機関に指定されている職種を参照して下さい。
    
     また下記も参考になると思います。
 
 

(注2)現在下記のPathwayが残されています。
 
    Pathway A Formal Apprenticeship 
    Pathway B  Informal Apprenticeship
    Pathway C  Vocational Traineeship 
    Pathway E  Australian Qualification
 
    下記UACのリンクです。
 
 
 
(注3) パスマークに満たずサブクラス885や175ビザが申請できない場合でも、オーストラリア永住者である親類や州政府のスポンサーシップを得てビザを取得する方法、また留学生の場合には、一旦18ヶ月間の期間限定ビザであるサブクラス485を申請し、MODL点やAustralian Work Experience点の加点に必要な経験を積んだ上であらためて永住ビザを申請する方法などもあります。
 
(注4) 新基準の原案は6月に発表されていましたが、導入予定日である2008年9月1日の直前に期日未定のまま延期が発表されました。原案の内容も再検討されている模様です。
 

 

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