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ビビッド・シドニー2018特集④/未来を探る「ビビッド・アイデア」SF好きにはたまらない!

2018年5月25日から6月16日までシドニーで開催される「ビビッド・シドニー2018」は、世界最大級の光と音楽とアイデアの祭典として、昨年は230万人が訪れたシドニーの冬のはじまりを迎える大人気イベント。2018年の最新技術を駆使してつくられる「ビビッド・シドニー2018」の演出は、今のシドニーでしか見られない!

「ビビッド・シドニー2018」特集ページでは、ハイライト作品を4回に分けて紹介!

第4弾で最後となる今回の特集は、映画監督のジェームズ・キャメロンなど世の中に大きな影響を与える革新的なアイデアを生み出してきたクリエイターたちが、人類の未来の生活ビジョンを語るイベント「ビビッド・アイデア」を紹介する。

「ビビッド・アイデア2018」徹底ガイド

2018年の「ビビッド・シドニー」でも、「アイデア」はひとつのコンセプトとして展開される。「ビビッド・アイデア2018」では、3組のメインゲストを中心に、未来を見据えるクリエイターたちの常識を覆す斬新なアイデアを共有する。

    ▼「ビビッド・アイデア2018」ハイライトイベント

  1. ジェームズ・キャメロン(James Cameron)
  2. デア・ジェニングス(Dare Jennings)
  3. ジェイン・マクゴニガル(Jane Macgonigal)/クリティ・シャルマ(Kriti Sharma)
  4. ママ、アバターと結婚ってできるの?(Mummy, Can I Marry My Avatar?)
  5. ビッグデータとメガトレンド(Big Data and Megatrends)
  6. 未来のファッション(Future Fashion)
  7. 発展する民主主義(Evolving Democracy)
  8. 藻類が次世代のトレンド(Algae is the New Black)
  9. ブロックチェーンのコード化(Blockchain Decoded)
  10. ワールド・ビジネス・フォーラム・シドニー(World business Forum Sydney)
  11. ケン・ロビンソン(Ken Robinson)
  12. ビビッド・アート・アフターアワー(Vivid Art After Hours)
  13. #MeTooは度を越してしまったのか?(Has #MeToo Gone Too Far?)
  14. ジュラシック・ラウンジ2099(Jurassic Lounge2099)

ジェームズ・キャメロン
-James Cameron-

ジェームズ・キャメロンは、「アバター」や「タイタニック」、「ターミネーター」など世界的大ヒット作品の映画監督としての印象が強いが、他にも海洋探検家、環境活動家、NASAのアドバイザーといった環境科学の分野でも精力的に活動している。

世界最深のマリアナ海溝に初めて単独潜行しただけでなく、その際に搭乗した有人深海探査艇の「ディープシー・チャレンジャー号」もシドニーで共同開発に関わるなど、科学的発見や技術開発にも関心が高く、映画監督の場でも、NASAミッションの場でも、最新技術の導入や投資に力を入れ、世間に新しいアイデアをもたらしてきた。

2018年の「ビビッド・シドニー」では、そのジェームズ・キャメロンをシドニーのシティリサイタルホールで開かれる「ビビッド・アイデア2018」に招き、彼のクリエイティブな能力の真髄に迫る。語られるのは科学と芸術の融合。これまでの映画製作から得た知見や海洋生命体についての発見から、興味深い話が聞けること間違いなし。

日時: 2018年5月27日(日) 5pm
場所:シティリサイタルホール

デア・ジェニングス
-Dea Jennings-

オーストラリアのサーフ系ファッションブランドのアイコン「マンボ・グラフィックス(Mambo Graphics)」、カスタムバイクやサーフィン、アパレルの人気ブランド「デウス・エクス・マキナ(Deus Ex Machina)」、オーストラリア初のインディーズレコード会社として知られる「ファントム・レコード(Phantom Records)」、これらの設立者であるデア・ジェニングスは、国際ビジネスの舞台で成功したオーストラリア人のひとり。

シドニーから世界各国に規模を拡大し、6000万ドルものビジネスを生み出してきたデア・ジェニングスの成功の秘訣が、シドニーのシティリサイタルホールで行われる「ビビッド・アイデア2018」で公開される。

さらに、自身のブランドにも強く反映されている政治や音楽、サーフィン、バイクなど幅広いトピックについて、ABCラジオパーソナリティーのジェームズ・バレンタイン(James Valentine)と対談を繰り広げながら、デア・ジェニングスの頭の中を覗いていく。

日時:2018年5月27日(日)1pm
場所:シティリサイタルホール

ジェイン・マクゴニガル/クリティ・シャルマ
-Jane Macgonigal / Kriti Sharma-

ゲームクリエイターのジェイン・マクゴニガルと人口知能(AI)の研究の第一人者であるクリティ・シャルマが、それぞれの専門分野における最新技術と未来の生活ビジョンについて対談する。

脳震とうで寝たきりになった自身の経験を「ゲーム化」することで、トラウマを克服したジェイン・マクゴニガルは、50万人もの鬱や恐怖症で苦しむ患者を同じようにゲームを用いて救ってきた。ゲームはAIやVRの開発とともに日々変化を遂げているが、クリティ・シャルマはそのAIの分野においてフォーブス誌が選出する「世界の30歳以下の重要人物30人」のうちのひとりに選ばれた、未来の技術を牽引する人物。

「ビビッド・アイデア2018」の舞台で、2人が語る人類の技術革新、そしてこれからの人間社会とは。

日時:2018年6月3日 (日)6pm
Where:シティリサイタルホール

ママ、アバターと結婚ってできるの?
-Mummy, Can I Marry My Avatar?-

2018年現在、シドニーだけでなく世界中でペッパー(Peppar)などの対話型ロボットの導入が進んでいるが、テクノロジーをよりリアルな人間に近づけていく過程にはどのような倫理が必要なのか。シドニー大学の専門家と共に、技術発展の倫理的側面を考察する。

日時:2018年6月16日(土)10am
場所:オーストラリア現代美術館(MCA)

ビッグデータとメガトレンド
-Big Data and Megatrends-

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)から科学者を招き、今や世界中にあふれるデータやテクノロジーが私たちの生活に与える影響についての研究を披露する。2018年を生きるデジタル世代が理解しておくべきことや、今後発展させなければならないテクノロジーの衛生習慣など、これからのデジタル時代を生きる術が語られる。

日時:2018年6月16日(土)12:30pm
場所:オーストラリア現代美術館(MCA)

未来のファッション
-Future Fashion-

従来の「投入、生産、廃棄」の経済循環を止め、シドニーのファッションを環境や社会に優しいものにしようと取り組む企業らによる講演。ファストファッションが流行する現在のファッション業界に問題提起し、素材や製品の根本的な持続可能性を目指す。

日時:2018年6月16日(土)3pm
場所:オーストラリア現代美術館(MCA)

発展する民主主義
-Evolving Democracy-

オーストラリアの学者や専門家が集められ、これからの民主主義について考える。オーストラリアでは、最新技術や新たな技術戦略が介入することによって将来的にどのような社会参加や代表制、政治体形が求められるのだろうか。さまざまな問いの答えを過去の教訓から探っていく。

日時:2018年6月16日(土)5:30pm
場所:オーストラリア現代美術館(MCA)

藻類が次世代のトレンド
-Algae is the New Black-

シドニー工科大学(UTS)による、藻類が生活資源になる可能性についての議論。酸素の50%がコケなどの藻類からつくられることに目をつけたNSW州政府が、藻類の栽培に力を入れていることもあり、UTSの研究者たちは藻類が次世代の資源になる将来は近いと考えている。

日時:2018年6月9日(土)6pm
場所:オーストラリア現代美術館(MCA)

ブロックチェーンのコード化
-Blockchain Decoded-

ビットコインの中核技術であるブロックチェーン(分散型ネットワーク)のさらなる可能性について語る。将来の金融システムに欠かせない仮想通貨が、どのように働き、どのように社会を変えるのか。ビジネスパーソンだけでなく、未来をつくる世代も絶対に知っておきたい内容が期待できる。

日時:2018年5月30日(水)8am
場所:オーストラリア現代美術館(MCA)

ヒュー・マッケイ
-Hugh Mackay-

オーストラリアの社会科学者でベストセラー作家のヒュー・マッケイが、「ビビッド・アイデア2018」の舞台で未来の社会のカタチを考える。彼の60年にもわたる研究を基に、障害のない社会をつくるための個人の力を訴える。

日時:2018年6月12日(火)7pm
場所:ウェズリー・カンファレンス・センター(Wesley Conference Centre)

ワールド・ビジネス・フォーラム・シドニー
-World Business Forum Sydney-

「ビビッド・アイデア2108」期間中に2日間に渡って開催される「ワールド・ビジネス・フォーラム・シドニー(World business Forum Sydney)」には、TEDカンファレンスの講演映像が5000万回以上再生されている、イギリスの能力開発・教育アドバイザーのケン・ロビンソン(Ken Robinson)も出演予定。さまざまな分野の第一人者と共に、2018年のテーマ「人間化(Humanification)」について議論を交わす。

日時:2018年5月30日(水)-  2018年5月31日(木)8:30am – 5:00pm
場所:ザ・スター・イベント・センター(The Star Event Centre)
公式サイト:World business Forum Sydney

ビビッド・アート・アフターアワー
-Vivid Art After Hours-

シドニーのアートギャラリーで「ビビッド・シドニー2018」期間中、3週連続水曜日に開催されるイベント。第1週目は心理学者を招き、生と死について考える「死について話そう。死はあなたを襲わない。(Let’s Talk about Death. It Won’t Kill You)」。第2週目は研究者とジャーナリストによる座談会「共通基盤(Common Ground)」。第3週目は、近年の若者の恋愛と結婚をテーマに語る「性について伝えたいこと(What I want to tell you about sex)」。

日時:毎週水曜日 6:30pm
場所:ニューサウスウェールズ州立美術館(Art Gallery of NSW)

#MeTooは度を越してしまったのか?
-Has #MeToo Gone Too Far?-

ハリウッドの大物映画プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタイン氏の性的スキャンダルがメディアに暴露された事件を発端に、女優のアリッサ・ミラノをはじめとした数多くのセレブによるセクシャルハラスメントの告白がSNSで全世界に拡大したフェミニズム運動「#MeToo」。2018年も活発さを増すと思われるフェミニズムだが、専門家やジャーナリストらによるIQ2チームが、2対2に分かれて「#MeToo」運動の行き過ぎを疑問視する。

日時:2018年6月5日(火)6:30pm
場所:シドニー・タウンホール

ジュラシック・ラウンジ 2099
-Jurassic Lounge 2099-

「ビビッド・シドニー2018」のパーティーで、オーストラリア博物館を2099年のSF世界に一変させる。スーパーノヴァのスターや科学者からDJまで、個性的なアーティストやパフォーマーが集められ、未来型の大人の遊び場を提供する。チケットはすぐに売り切れてしまうことが予想されるので、お早めに!

日時:2018年6月16日(火)6:30pm
場所:オーストラリア博物館(Australian Museum)

「ビビッド・シドニー2018」完結編

2018年の「ビビッド・シドニー」では、大規模なプロジェクションマッピングや音楽ライブに目が行きがちだが、並行して繰り広げられる「ビビッド・アイデア2018」もシドニーだけでなく世界の「未来」を覗くことができる魅力的なイベント。クリエイターや専門家たちのわくわくするような未来予測やアイデアを聞きに行こう!

私も「ビビッド・ライト」のオペラハウスの作品や、「ビビッド・ミュージック」のヴェラ・ブルーのライブ、「ビビッド・アイデア」ではジェームズ・キャメロンの講演を楽しみにしています!

「ビビッド・シドニー2018」特集は4回にわたってまとめてあるので、お目当てのイベントを探してみては。

 

AMS.TV公式ブロガー:村上紗英
東京都出身。高校卒業後、来豪。現在はUTS(シドニー工科大学)でメディア学を専攻し、文化や音声・映像技術を学ぶ。自他共に認める文学フェチで、文芸誌・小説・雑誌など、ジャンルを問わずボーダレスに書誌を読み漁るのが日課。現役大学生ならではの視点で、シドニーの現在(いま)を伝えるライターとして活動中。

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