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日豪の親睦・和楽とジャズの融合「Japanese Jazz Jam」開催

和楽器アンサンブルと豪ジャズのコラボレーションコンサート「Japanese Jazz Jam」が、1月21日(日)、マリックヴィルにあるLazybones Loungeにて開催された。

このコンサートは、シドニーを拠点に活動する和太鼓デュオのYuNiOnが主催し、日本を代表する篠笛奏者であり世界を股にかけて活躍する狩野泰一氏と、オーストラリアのジャズシーンを牽引するバンドのひとつThe Matt McMahon Trioがコラボレーションするというもの。日本古来の和楽器を用いた音楽と、1920年に発祥したオーストラリアジャズは、どちらも伝統を重んじる由緒正しい音楽であり、異なった2つのルーツが果たして融合されるものなのかが気になるところ。その答えは、その場にいた者なら誰もが体感したことだろう。和洋のハーモニーは限りなく自然であり、新たな音楽への昇華や文化の枠を限りなく広げていく指針となり得ることを証明した。

和太鼓デュオYuNiOnによる力強い大太鼓演奏に始まり、狩野氏がスキャットからバラードまで篠笛の良さを生かしつつ、卓越した技能で思いのたけを惜しみなく表現。そこへNational Jazz Awardsなど数々の賞に輝くピアニストのマット・マクマホン氏率いるThe Matt McMahon Trioが、極上のサウンドを提供し、曲間のエレクトーン、コントラバス、ドラムによるソロで見事に観客を魅了した。最後のアンコールのジャンベ演奏でも、観客が舞台に上がってダンスや太鼓を披露するなど大いに盛り上がりを見せた。

「Japanese Jazz Jam」では単に和洋の音楽の技術だけが先走りするのではなく、あくまで人間が編み上げた2つの異なる文化の美しさ、そしてYuNiOnと狩野氏、The Matt McMahon Trioをつなぐ日豪の国籍を超えた親睦の深さが始終あふれており、日豪両国の文化と信頼への誇りと自信が、そのハーモニーに一役買っていたことが伺えた。

また、コンサートに先駆けて、17日(水)と18日(木)には、ウルティモのYuNiOnスタジオにて「篠笛ワークショップ」が実施されている。フルート奏者の篠笛初心者から篠笛歴数年の中級者まで、幅広い年齢層のオーストラリア人やシドニー在住の日本人が参加し、狩野氏の熱心な指導により、2日間にわたるレッスンで驚くべき上達を見せた参加者もいたという。コンサート前日の20日(土)に、マリックヴィルのWilkins Greenにて実施された「鳥笛ワークショップ」にも多くの親子が参加。シドニーで用意された竹を使い、子供も大人も夢中になって笛を製作した後は、その名のとおり小鳥のように響く自分だけの鳥笛の音色を存分に楽しんだ。

 

取材・文:武田彩愛(写真はYuNiOnより提供)

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