日系コミュニティ

酒アワード受賞酒の祝賀会がシドニーで開催

今年5月に開催された「オーストラリア酒アワード 2025(Australian Sake Awards 2025)」の審査会を受け、「オーストラリア酒アワード 祝賀会(Gala Dinner)」が、「オーストラリア酒フェスティバル 2025(Australian Sake Festival 2025)」の開催に先立ち、9月25日、シドニー市内ホテルにて開催された。

会場には、本アワードを受賞した映えある日豪の酒蔵の関係者のほか、オーストラリアの日本酒のインポーターや小売業者、飲食業界の専門家、日本酒有資格者などが集まり、上質な日本酒と料理のペアリングを楽しみながら、日本各地の酒蔵の情熱と技術に触れる特別なひとときを共有した。

当日の司会は、日本酒業界で広く知られる酒サムライのSimone Maynard氏が務め、イベントは終始和やかな雰囲気に包まれた。

5月17日と18日にシドニーにて開催された「オーストラリア酒アワード 2025」には、全国各地の酒蔵やオーストラリア国内の代理店から182点もの日本酒が出品された。今年も多様なスタイルの日本酒が集まり、審査会には日本の酒類総合研究所の織田健氏が審査員として参加するなど、審査会も熱気ある雰囲気の中で開かれた。

本アワードは、日本酒の多様な魅力を伝えることと日本酒エキスパートの育成を目的としたオーストラリアの「国際日本酒コンクール」だ。アワード出品者は、オーストラリア市場で親しまれる日本酒の傾向を探り、審査結果を通して出品酒の魅力や可能性を知ることができる。

アワードに登録された日本酒は、事前に選出されたオーストラリア人審査員が、審査会場で試飲して審査し、オーストラリア市場で好まれる日本酒を選出する。アワード審査会では、アワードを通じて、日本酒の伝統的な分類にとらわれすぎない、現地の消費者がより親しみやすく感覚的に理解できる言葉で日本酒を楽しめるような、新たな日本酒の評価軸を確立していくことも将来的に見据えている。

なお、「Australian Sake Awards 2025」の受賞結果はこちらからご確認いただきたい。

祝賀会の冒頭では、在シドニー日本国総領事館の山中修総領事より開会の挨拶があり、日本酒を通じた日豪間の文化交流の意義や、現地での日本酒人気の高まりについて語られた。

乾杯酒には、岐阜県の老舗酒蔵である奥飛騨酒造の「初緑 大吟醸」が選ばれ、乾杯前には同酒造の紹介およびスピーチ映像が上映された。残念ながら祝賀会は欠席となった奥飛騨酒造ではあるが、代表スピーチでは今回の受賞に至るまでのこだわりと酒造りへの想いが紹介された。

会場では、酒アワードにおいて受賞した酒蔵の中から選ばれた以下の5蔵の酒と、それぞれの特徴に合わせたイベントのためのペアリング料理が順に提供された。

各セットの合間には、プラチナム賞蔵元の紹介映像が上映され、上位賞に選ばれた酒の魅力と背景が深く掘り下げられた。受賞酒と料理を前に、参加者は味覚・視覚・聴覚のすべてを通じて日本酒の奥深さを体験したことだろう。

また、ジェトロ・シドニーの渡邉尚之所長と、審査リーダーのWilliam Stewart McIntyre氏による来賓スピーチでは、日本酒の国際展開の重要性と今後の市場への期待が語られた。

祝賀会の締めくくりには、今年から酒サムライを叙任することとなったJAMS.TV代表取締役・遠藤列士と、司会のSimone Maynard氏より挨拶があり、日本酒の魅力を世界に広げる活動への継続的な取り組みへの意気込みと、すべての酒蔵関係者、酒アワード関係者への深い感謝が述べられた。

遠藤の酒サムライの叙任挨拶はこちらから。

さらに、祝賀会の週末の9月27日と28日には、シドニーで「オーストラリア酒フェスティバル 2025」も開催され、会場に今年のアワード受賞酒の展示ブースも設けられた。展示ブースには多くの来場者が立ち寄り、記念撮影をしたり、酒ブースで受賞酒を試飲するなど、オーストラリアの一般消費者にとっても関心の高いアワードであることがうかがえた。

今回の祝賀会は、酒アワードにおける審査員や酒蔵関係者、インポーター、飲食・酒販業界など、日本酒業界を支える多くの関係者が一堂に会する貴重な場であるとともに、互いに日豪間の食文化・観光・産業交流のさらなる発展を目指していくための重要な機会となったことだろう。

今後もこうした取り組みを通じて、日本酒が持つ多様な魅力を国際的な舞台で発信し、日本酒のブランド価値向上とグローバル市場への展開を推進していくことが期待される。

「オーストラリア酒アワード 祝賀会 2025」のメニュー

  • Spaghetti Napoletana 部門
    株式会社飯沼本家 きのえねアップル

  • Grilled Barramundi and Broccolini with Butter Sauce 部門
    白菊酒造株式会社 大典白菊 純米大吟醸 雄町

  • Vietnamese Beef Salad with Vermicelli 部門
    株式会社飯沼本家 きのえねアップル(当日は同蔵の別銘柄を提供)

  • Fried Chicken / Karaage 部門
    米澤酒造株式会社 今錦 特別純米酒

  • Mushroom Pizza 部門
    八百新酒造 雁木 スパークリング 純米

参加された皆さま









写真:Sayu Matsunaga

この記事をシェアする

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら