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“Pizza Wars” ピザをめぐる戦い

今月後半、ピザハット加盟店オーナーたちによる集団訴訟の控訴審が開かれます。フランチャイズ母体のパワーはどこまで許されるのでしょうか・・・

2014年7月のピザハット大幅値下げを機に生じた争議の控訴審が、今月後半、オーストラリアの連邦裁判所で開かれます。ライバルチェーンのドミノピザが先に値下げしたことで、ピザハットの母体であるアメリカのヤム・ブランズ社がフランチャイズ加盟店に対し、ピザの種類によってはなんと半額にまで値を下げるよう圧力をかけたと言われています。

 

加盟店に安値販売を強制したヤム・ブランズ社に対する差し止め命令を得ようと、フランチャイズ加盟店のオーナーたちが、訴訟を起こしました。

フランチャイズ母体のヤム・ブランズ社が出した指示は非良心的行為で、加盟店は損害・破たんという直接的影響を被ったとして、2014年8月に集団訴訟が始まりました。加盟店のオーナーたちによるこの集団訴訟は2016年に敗訴したのですが、その控訴審が今月15日から連邦裁判所で始まることになっています。

 

オーストラリアのピザ・ビジネスは、厳しい業界です。ドミノピザなどの大手チェーンがオーストラリア・マーケットで価格破壊を起こしてからというもの、40億ドルピザ産業界の競争は、ここ数年激しくなるばかりです。

 

控訴審の主な論点は、フランチャイズの母体は、加盟店のビジネス運営に関してどれほどの強制力を持って良いか、ということです。これは、ピザ大好き人間だけでなく、フランチャイズ業界全体にとって興味深い問題です。

 

フランチャイズの母体と加盟店との力関係を考えると、母体の方に優勢に傾いているというのが現状です。加盟店オーナーだけでなく評論家の中にも、それはまるで奴隷契約のようだと言っている人もいます。マクドナルド、セブンイレブン、カルテックス、ケンタッキーフライドチキンなど、フランチャイズ業界には、たくさんの名だたるメンバーが揃っていますので、業界全体がピザハットの控訴審の行方を注意して見守っているに違いありません。

 

今回の控訴審でもし加盟店オーナーたちが勝訴すれば、これが先例となり、フランチャイズ母体は、加盟店の営業収支に影響を及ぼす戦略を進める場合、その知らせを発する義務を負うことになります。加盟店が勝訴すれば、賠償額は4,000万ドル~8,000万ドルとも言われていますが、これとは別に、今後のフランチャイズ業界に大きな影響を与える判決となりそうです。オーストラリアのフランチャイズ業界の規模は、1,700億ドルと見積もられています。

 

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