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医療/保険

ABNで働く職場での怪我リスクへの備え方

 オーストラリアで働く多くの人がABNを持って仕事をしていますが、万が一の職場事故に備えた準備はできているでしょうか?

ABNで働く場合、一般的には労災保険(ワークカバー)は適用にならないと思われがちですが、実はそうではない場合もあります!今回は、実際にいただいたご相談をもとに、ABNで働く人が職場事故のリスクからどう身を守れるのかをお話していきます。

ABNで働いていても労災保険が使える場合がある?!

まず知っておきたいのは、ABNを持って働いていても、実際の働き方によっては請負業者(contractor)ではなく従業員として扱われることがあるということです。その場合、勤務先の労災保険(WorkCover)で怪我の治療費や収入損失をカバーしてもらえる可能性があります。

労働者が真の請負業者かどうかの判断基準は次のような点です:

  • 働く時間や業務スケジュールを自分で決められるか

  • 仕事に必要な道具を自分で用意するか

  • 必要な時に自分の仕事を他の下請け業者(sub-contractor)に任せられるか

もし、会社の決めた日時に必ず働かないといけない、仕事に使う道具は全部会社が用意してくれる、会社の指示通りに業務を行わないといけない、任された仕事を他の下請けに任せる権限がないという状況なら、実際は請負業者ではなく社員として働いていると主張できる可能性が高いです!

証拠を残しておくことが大切

こういう場合に備えて、普段から次のような証拠を残しておくことが重要です:

  • 会社に指示された仕事や業務スケジュールを自分で変えられないことを示す記録(会社から特定の場所で働くよう指示されたメッセージや、毎週受け取る業務スケジュールなど)

  • 会社が仕事関連の道具を直接提供していることを証明する記録

また、もし労災(WorkCoverクレーム)を申請することになった場合、事故当時の勤務環境が安全だったかや、会社で事故発生前に十分な安全教育があったかどうかも検討されるので、これらに関する記録も残しておきましょう。

自分で保険に入る選択肢も

一方で、確実に補償を受けたい場合は、自分の状況に合った保険を探すのも一つの方法です。どの保険会社のどんな商品がいいか分からない時は、保険代理店に相談して、今の状況を説明し、ABNで働く場合にケガをした時の治療費や損害を労災保険のように補償してくれる保険があるか調べてもらうといいでしょう。

特にワーキングホリデーでオーストラリアに滞在中の方の中には、海外旅行保険が切れて、実質保険なしで滞在されていらっしゃる方も見受けます。現在の雇用がABNなのであれば、まずは医療保険には加入しましょう。

なにより「事前に備えること」が大事

最後に、何よりも、事後の治療より予防が一番重要です。自分自身を守りながら仕事をしましょう。日本ではあまり考えないことかもしれませんが、海外で働くからこそより一層、安全対策を万全に期すことはあなた自身とあなたを大切に思う人たちのために必要なことです。

また、万が一何かあった時に、専門家に相談することも忘れないでください。オーストラリアでは、交通事故や労災時に、弁護士に相談するのは一般的です。「自分が置かれている状況で、この手続きが正しいのかな?」と思ったら相談することをお勧めします。(リトルズ法律事務所ではれば、初回無料でご相談可能です!)

まとめ

ABNで働く人にとって、職場事故への備えは重要な問題です。適切な準備と知識があれば、万が一の時にも適切な補償を受けることができます。

 

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