日系コミュニティ

Matsuri Japan Festivalに4万人が来場!

シドニーの日系コミュニティが一堂に会し、日本の文化・伝統を発信するオーストラリアで最大級の日系イベント「Matsuri Japan Festival  2018(祭りジャパンフェスティバル/以下・祭り)」が、12月8日(土)に、ダーリングハーバー内のタンバロンパークにて開催され、4万人の来場者が日本の文化を堪能した。

2018年のテーマは、「ありがとう〜Appreciation〜」。オーストラリア人に向けて、感謝の気持ちを伝えたいという思いを込めてつけられたこのテーマは、数カ月にわたり祭りを支えてきたボランティアスタッフによるアイデア。祭り当日は、シドニーで働く若手ビジネスマンや留学生、ワーキングホリデーメーカーを中心とした、100名近いスタッフによって運営された。

「オリオン・ビール」、「全日空(ALL NIPPON AIRWAYS)」、「日本航空(JAPAN AIRLINES)」などのスポンサー企業をはじめ、「在シドニー総領事館」を筆頭に「JNTO(日本政府観光局)」、「JETRO」、「Japan Foundation」、「CLAIR(自治体国際化協会)」、「シドニー日本商工会議所」などの日系団体が中心となって同イベントをサポート。

日本の自治体も静岡、大阪、神戸、堺、奈良、京都、大分、福岡、沖縄などが参加し、観光プロモーションを実施。訪日観光を盛り上げるべく、ノベルティの配布やくじ引き、おみくじなど、多くの参加企業や団体が趣向を凝らしたブースで、日本好きのオーストラリア人や在豪邦人へ最新の観光情報と日本文化を発信した。

 

 

そして祭りの楽しみといえば屋台。「Yakitori YEBISU」や「Masuya Suisan」、「Hotto Motto」といったシドニーのレストランから、日系スーパーの「Maruyu Japanese Supermarket」、”お~いお茶”でお馴染みの「伊藤園」、今年初登場のかき氷や生チョコレート、そしてお馴染み人気のたこ焼きから大判焼きなど、約20件の屋台が並び、どの屋台も本物の日本食を求める人たちの長蛇の列で終日賑わった。

また、18歳以上のみ入場可能な酒ガーデンエリアには「オリオン・ビール」や「白瀧酒造」、「星野リゾート」、「剣菱」が出店し、日本のビールや日本酒、山梨のワインを夏空のもと昼間から楽しむ人たちで溢れた。

 

 

日本の伝統文化を体験できるワークショップには、デモンストレーションを一目見ようと、多くの人が押し寄せた。華道や茶道ブースには女性客が列をなし、オーストラリアでは体験できない書道や折り紙に子どもたちも大喜び。自分の作品を自慢げに持ち歩いていたのが印象的だった。

 

 

ワークショップ同様、子どもたちに人気なのが、ヨーヨー釣りやスーパーボールすくいといったお祭りの屋台には欠かせない遊び。今年から始まった子ども用のお神輿は、ボランティアスタッフのお姉さんからの「わっしょい!」の掛声とともに、可愛らしいハッピを着た子供たちが会場中央の盆踊りの櫓(やぐら)の周りを練り歩いた。

 

そして今年はステージが例年以上のラインナップ。第1部が「ザ・日本」、第2部が「在シドニー日系コミュニティ」、第3部が「クールジャパン」、そして終盤となる第4部が「伝統」という構成。オーディション審査によって選ばれた、24組のアーティストがそれぞれ出演し、伝統芸能からアニメやダンスといったポップカルチャーまで、当日の暑さに負けない熱いパフォーマンスで観客を魅了した。

「ザ・日本」と題された第1部では、柔道や和太鼓、沖縄のエイサーが、オープニングセレモニー前に披露され、会場を大いに盛り上げた。オーストラリア政府公認の書道アーティストのれんさんは、今年の祭りのテーマ「ありがとう」にかけて、日豪の交流への感謝を筆でつづり、作品は会場中央の櫓(やぐら)に飾られた。

 

 

第1部に続いて行われたオープニングセレモニーでは、在シドニー日本国総領事の竹若敬三総領事とロバート・コック市議会員が挨拶し、毎年祭りの規模が拡大していることや日豪の交流に関して喜びと感謝の意を述べた。ロバート・コック市議会員は「まるで真夏の渋谷にいるようだ」とジョークを飛ばす一幕も。

今年も実施されたステージでの鏡開きでは、日豪間のさらなる結びつきを祈願し、その成就を願った。

 

日系コミュニティの絆の強さもシドニーで祭りを開催する上で欠かせない。第2部の「在シドニー日系コミュニティ」には、鬼剣舞やチアリーディング、空手などシドニーを代表するコミュニティの方が出演。空手パフォーマンスでは、木の板やバッドを割るたびに、歓声が上がり、シャッター音が鳴りやまなかった。

 

 

海外で人気を博している日本のアニメや漫画といったポップカルチャーは、オーストラリアでも若者を中心に高い人気を獲得している。第3部の「クールジャパン」では、日本のアニメの衣装に身を包んだコスプレイヤーやアイドルがステージへ登場すると、掛け声や声援が飛び、一気にコンサート会場さながらの雰囲気へと変わった。

 

 

第4部は「伝統」がテーマ。少林寺拳法や薙刀は力強くも美しく、緊張感溢れるパフォーマンスに観客は息を飲んだ。その他にも、フォークソングの弾き語りや日本からの参加となったバイオリン演奏、和太鼓、ソーラン節など、祭りのクライマックスに向けて、レベルの高いパフォーマンスが続いた。

 

 

全出演アーティストのパフォーマンスが終了し、会場に夕陽が差し込みだした頃、祭りを締めくくるのは今年も会場中央に設置された櫓(やぐら)を取り囲んでで踊る盆踊り。

日本人だけでなく、多くのオーストラリア人やシドニーで生活をする人たちが、少し照れくさそうにしながらも、見よう見まねで盆踊りに参加し、思い思いに盆踊りを楽しむ姿は印象的だった。

取材・文:岩瀬まさみ

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