「メルファミ」制作チームの皆さん
子育てをする上で親御さんの不安や心配は尽きない。特に海外で生活をしていると、家族や同世代の友人とも距離があり、子育てについて相談できる環境も限られている上、オーストラリアでの言語の違い、文化の違い、価値観の違いなどから現地での子育ての仕方に悩んでしまう親御さんもいることだろう。
メルボルン子育て応援のウェブサイト「メルボルン子育てひろば メルファミ」は、そんなオーストラリアのメルボルン在住の親御さん同士がつながり、海外で子育てをする上での不安の解消や子育て中の日本人同士との出会いなど、さまざまな形でメルボルンの親子をサポートするボランティアコミュニティです。親も子もありのままで支え合い、メルボルンでの子育てが少しでも楽しくなるような、さまざまな子育て情報やサポートを発信している。
メルボルンのママさんグループがボランティアで運営するウェブサイト「メルファミ」は、メルボルンでの子育てをサポートすることを目的に、今年9月に開設された。海外での育児を支え合うコミュニティとして、日々の生活に役立つ「生活ガイド」、子育ての悩みに寄り添う「子育て」、親子のメルボルン生活を楽しくする「おでかけ」のテーマで、日々さまざまな情報を発信中だ。
「メルファミ」代表の伯子クラークさんは、1999年に来豪して以降オーストラリアで生活を送ってきたが、メルボルンで結婚と妊娠と出産、子育てをする中で、同じ日本出身の友人が欲しいと思うようになったという。それは、自分を産み育てた母親や家族、同世代で同感覚の日本人の友人から遠く離れた国で、子育てにおける不安や孤独を感じたことが大きい。
誰もが最初はわからないことだらけの出産と子育て。自分が持っている知識と経験だけでは足りない時に、文化の違いや価値観の違いは大きな負担になり得る。この時、クラークさんは「人とのつながりの大切さ」を実感したそう。
「同じような経験をしているお母さんもいるんじゃないか」という思いから、最初はFacebookのグループ「メル×ママ」を作成し、グループの成長と交流を経てウェブサイト「メルファミ」を開設するに至った。メルボルンでの生活ガイドや子育て、お出かけ情報を発信すると同時に、海外で子育てをする上での不安や悩みを共有し、お互いに支え合えるようなコミュニティの形成を目指す場には、日々あらゆる相談が寄せられるが、その多くが文化の違いによる悩みなのだとか。
例えば、子どもが1時間おきに夜中に目を覚ます年頃に、日本であれば家族で添い寝をして寝かしつけることが多いが、オーストラリアでは子どもは生まれて間もない頃から別の個室にベビーベッドが用意されていて、添い寝ではなく一人で寝かしつける習慣がある。また、子どもが大きくなってくると、日本語を学ばせたい、日本の文化を教えたいという思いも出てくる。
このような文化の違いから行き違いが出たり、現地のマザーズグループで感じる悩みやストレスも、現地に住む日本人に相談することで解消するのだとか。多くの親御さんが子育て自体が初めてなので、すべて手探り。クラークさん自身も、子どもの発達についてネット検索して余計に不安になったり、子育て本を読んで自分はできてないと感じたりしたことも、同じ価値観を持つ日本人の親御さん同士で、経験を語り合い、それを自分に落とし込んで子育ての困難を乗り越えてきた。
「メルボルンで子育てできて良かった!」と思えるご家族を増やしたいと、クラークさんは「メルファミ」の目的を語る。
現在750名以上のメンバーがいるFacebookグループ「メル×ママ」だが、子育て方法、子どもの発達、子どもとのコミュニケーション、保育園の選び方、帰国の際の困りごとなど、プラットフォームにはさまざまな相談が寄せられる。特にコロナ禍に入るとロックダウンなどから孤独を感じる人が急増し、それが子育てに奔走する親の立場ならなおこのこと。出産していてもママさんグループに参加できなかった方など、オンラインの「メル×ママ」はリアルで人とつながれない時期に海外で子育てをする親御さん同士をつなぐ大事なコミュニケーションの場となった。
その「メル×ママ」の延長にある「メルファミ」は、現在ボランティアの6名で運営されている。代表のクラークさんは「今後も子育てに悩むママさんたちに必要な情報をたくさん届けていきたい。ウェブサイトがママさんにとってチャレンジの場になればと思っているので、コンテンツを制作する側にもママさんを巻き込んでいきたい。そういう姿を子どもたちにも見せていくことはプラスになると思う」と意気込みを語っている。
「異国で子育てを楽しむには、不安もひっくるめて自分自身を認めること、子どもたちにもありのままでいいんだよと伝えること、それを踏まえてどういう未来にしていきたいかを考えてチャレンジしていく姿勢が大事。孤独を感じていたら不安にもなる。人は一人で生きていけないので、まずつながってみること。これからもグループを通して人と人とのつながりを大事にしていきたい」
現在「メルファミ」では、育児の悩みや不安を解消できるコミュニティとして、育児に奮闘するメルボルンの親御さんが活躍できる場として、ウェブサイトの充実を図っている。そのための記事を執筆するライターや記事を取りまとめる親御さんも募集中。
「メルボルンの日本人家族にとってメルボルンでの子育てライフが楽しくなるサポートをしたい」という方は、メルファミチームに参加してみてはいかが?
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