日系コミュニティ

日本のお祭り「Matsuri Japan Festival 2017」シドニーで開催!5万5000人を動員

今やシドニーの夏の風物詩として定着した日本のお祭りイベント「Matsuri Japan Festival 2017」が、今年も12月9日(土)に、ダーリング・ハーバーのTumbalong Parkにて開催された。

日豪友好30周年記念として盛大に催された2006年の日本の祭り以来、シドニーの日系コミュニティが一丸となって催してきたイベントも、今ではすっかりシドニーの風物詩としてのコミュニティイベントにまで成長。来場者数も昨年の3万人を大きく更新し、Tumbalong Parkにて開催される各国のコミュニティイベントの中でも異例のおよそ5万5000人を動員するほどの盛り上がりを見せた。

今年はスポンサーに「EZY TAX SOLUTIONS」、「全日空(ALL NIPPON AIRWAYS)」、「オリオン・ビール」、「日本航空(JAPAN AIRLINES)」、「JTA(JAPANESE TOOLS AUSTRALIA)」を迎え、在シドニー総領事館を筆頭にJNTO、JETRO、Japan Foundation、CLAIR、シドニー日本商工会議所などの日系団体とともに同イベントを支えた。また総勢120名を超えるボランティアで組織する運営委員には、現地でビジネスを興している若手ビジネスマンたちを中心に、各国留学生やワーキングホリデーで渡航中の若者たちが多く参加するなど、祭りの成功に一役買った。

   

イベント会場には、おにぎりやお弁当、たこ焼き、焼きそば、モダン焼き、餃子など20の日本食屋台が軒を連ね、どのブースも行列が絶えることのない賑わいを見せた。参加企業は「Masuya Suisan」や「Sushi Samurai」、「Hotto Motto」といった地元の有名レストランから、日本食スーパーを営む「Maruyu Supermarket」や『お~いお茶』で知られる飲料メーカーの「伊藤園」まで、バラエティにとんだ屋台が並んだ。毎年お馴染みの「オリオン・ビール」、新潟の酒蔵「白瀧酒造」、梅酒の「チョーヤ」、ガールズバーが好評の「クラブ・グランドヒット」が出店した酒ガーデンも好評で、青空のもと日本の酒を楽しむ人々で終日あふれた。

       

その他、ヨーヨー釣りやおもちゃすくい、輪投げといったお祭りには欠かせない遊び、茶道や生け花、習字、折り紙といった日本伝統文化、日本の職人技術による道具を販売する「Japan Tools Australia」での箸づくり、“JAPAN BLUE”とも呼ばれる藍染めなど文化体験を楽しめるコーナーや、日本全国の地方自治体による観光プロモーションではおみくじを引いたりゲームに参加してお土産をもらえるなど、多くの参加企業や団体が趣向を凝らした体験型のブースで来場者をもてなした。

 

また常設のステージでは、華々しいバンド演奏と日本舞踊、和太鼓演奏が観客を盛り上げた他にも、オープニングセレモニーが執り行われ、在シドニー日本国総領事の竹若敬三総領事、City of Sydneyのロバート・コック市議会員の挨拶に続き、長年にわたり日本の祭りの発展に尽力し、日豪間の友好親善に大いに寄与した功績を讃えて、Visit Australia代表取締役の三枝久男さん、バルメインにある純和風旅館「豪寿庵」の女将・リンダ・エヴァンスさん、シドニーのたこ焼き屋台「COLOTAKO」代表の川上正和さんの3名へ、シドニー日本人クラブの前会長・チョーカー和子氏から表彰状を授与された。


現在の日本の祭りの前身となるイベントを30年前から始めていた三枝さん。最初の年、日本の祭りはオペラハウスの外で開かれたという。


自ら純和風旅館を経営しながら、茶道や生け花、習字を始めとした日本文化をオーストラリアの人々に伝え続けるエヴァンスさん。


フード屋台のコーディネートから日本の祭りの雰囲気を作り出すまとめ役までプロジェクトマネージャーを務めた川上さん。

最後は、参列者全員で鏡開きを実施。日豪間のさらなる結びつきを祈願し、その成就を願った。

   

休憩を挟んだ後は、よさこいソーランや空手、チアリーディング、合唱、バンド演奏などのパフォーマンスが終日繰り広げられた。中でも、琉球忍者のパフォーマンスグループ「レキオスシアター」の殺陣の要素を取り入れたダンスや、シドニーで日本のポップ・カルチャーの祭典として多くの人に親しまれる『SMASH!』から元気なコスプレイヤーたちの登場に、観客から大きな声援が飛び交った。また、サブステージでも空手や剣道、柔道、相撲など日本の武道が披露され、観客は大いに盛り上がった。

夕方になると、イベント会場の中心に設置されたやぐらの上で和太鼓の力強い音色が鳴り響いた。日本人にとって祭りを盛り上げるために欠かせないやぐらは、今年初の試み。やぐらを囲んだ来場者は思い思いに踊り、シドニーにいながらにして日本の夏祭りの雰囲気を存分に楽しんだ。

 

日本は、オーストラリアの貿易相手国としては中国に次いで第2位。日豪間の訪問者数は、2015年からオーストラリア側が上回り、昨年は年間約45万人が日本を訪問した他、日本滞在中のオーストラリア人ひとりあたりの消費額は世界一と言われる。オーストラリア国内でも日本ブームは衰えを知らず、ユネスコ文化遺産に登録された和食はもちろん、アニメやマンガなどのポップカルチャーも人気。日本文化の一側面だけでなく、日本全体への理解が徐々に広まっている証と言えるだろう。

 

     

取材・文:武田彩愛(編集部)、写真:徳田直弘(編集部)・塩谷明治(編集部)

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