法律/ビザ

新型コロナウイルス支援策/雇用主の賃金補助と賃貸契約について

新型コロナウイルス関連の規制により、皆さんの生活にもさまざまな影響が発生していることと思います。今回はその中でも反響の大きい、JOBKEEPER制度と賃貸契約について解説します。

JOBKEEPER制度について

3月30日に連邦政府が発表したJOBKEEPER制度導入により、3月30日から9月27日まで該当する雇用主は労働者一人につき隔週$1,500の賃金補助が受けられることになります。

対象労働者は、2020年3月1日時点でフルタイム、パートタイム、カジュアル(12ヶ月以上の勤続雇用が条件)としてその雇用主の元で勤務していた市民権・永住権保持者、そしてサブクラス444ビザ保持者に限定されています。

支給額は一律$1,500で、それまでの実際の賃金にかかわらず同額が雇用主に支給されることになります。補助金は5月から後払いでATOを通じて雇用主に支払われることになりますが、雇用主は補助金の満額を個々の労働者に給付することが義務付けられています。ATOは今後厳しい監査を行うと発表しており、また、違反者は、さまざまな関連法上、高額の罰金や最長10年の懲役刑などの対象となりえることも説明しています。

認識すべきポイント

こうした義務のほかに雇用者として認識すべき点は、JOBKEEPERとFAIR WORK ACTの関係性です。JOBKEEPERの導入を受けて、4月9日、FAIR WORK ACT 2009が一時的に(有効期間は9月28日まで)改正されました。同改正法は、JOBKEEPER の規定を反映させるべく雇用主が合法的に労働者に要求できる内容を明確に規定しており、具体的には、労働時間の短縮や自宅待機(STAND DOWN)、業務内容の変更、職場の変更、また有休消化などがそれに該当します。

同改正法が明確に伝えていることは 、JOBKEEPERの補助金を有効活用して労働者の労働条件を一時的に変更することは必要手段として柔軟に認めるものの、基本的には当事者間の協議が前絶対条件としていること、そしてこの改正はあくまでも緊急事態のための暫定措置であるとしたことです。

また、労働者の時間給を変更することは不可としており、このことはつまり、支払う給与額に見合った労働時間しか要求することはできないということです。有給休暇については労働時間に応じた分が継続的に加算されることになります。雇用主側からのこうした要請は3日間の通知が必要とされ、協議内容と結果は必ず書面で行うことも明確に謳われています。

賃貸契約(商業・居住用)について

続いて賃貸契約についてですが、商業賃貸については4月3日、連邦政府によるルールが発表となり、JOBKEEPER制度の有効期間まで適用を受けることになりました。具体的には半年間は賃料凍結、強制退去禁止、店子の売上高の減少の半分は賃料免除、残り半分は猶予とし少なくとも24ヶ月間の分割払いをすると言う内容です。

また、大家は家賃が未払いの場合でも、店子の銀行保証や敷金などの保証金を充当することは許されず、 地税、カウンシルレートや保険料などの減額分は店子に提供することと促しています。しかし、これらはあくまでも双方の話し合いによる協議を促す行動規範で、実効性に不透明感が残されています。なお、大家への補助としてビクトリア州では4億2000万ドルのランドタックス軽減策が発表されました。

居住用の賃貸契約について、ビクトリア州では9月26日まで半年間の賃料凍結、強制退去禁止が決定されました。経済的な理由で契約を早期解除したい場合、ペナルティを払う必要はなく、損害賠償請求を受けることもありません。

また3月29日以降の退去通知は無効です。支援策として総額8000万ドル、支払いに苦慮するテナントに最大$2,000の賃料補助が導入されることとなり、ビザカテゴリーなどの制限なく、週の世帯収入が$1,903 未満、貯蓄額が$5,000未満、そして収入の30%以上を家賃として支払っていること、家主と協議して賃料の減額や猶予を含めた賃貸契約書をCONSUMER AFFAIRS VICTORIAに登録もしくは MEDIATIONを行ったことなどが対象条件となっています。補助金は家主やエージェントに直接支払われます。

※本記事は、法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

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