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今週の相場見通しby Joe (6 april 2020)

6 April 2020

◎<主なイベント>

4/6(月)中国休場(清明説)、FRBストレステスト資本配分計画の提出期限
7(火)日本3月外貨準備、日本2月景気動向指数、豪州2月貿易収支、RBA理事会、中国3月外貨準備、米国2月求人件数、ユーロ圏財務相ビデオ会議
8(水)日本2月機械受注、日本2月国際収支、日本3月企業倒産件数、日本3月景気ウオッチャー調査、FOMC議事録、M&A住宅ローン申請件数
9(木)日本3月消費者態度指数、日銀地域経済報告、米4月ミシガン大学消費者信頼感、米債券市場短縮取引
10(金)日本3月企業物価指数、中国3月CPI・PPI、米3月CPI、欧米グッドフライデー休場、北朝鮮最高人民会議

◎マーケットの焦点>

コロナウィルス被害は更に拡大し、感染者は125万人に上り、死者数は6万8千人を上回るなど、依然拡大の一途を辿る。
先週は再びリスクオフの株安・ドル高が顕著に。
前週18,191ドルから22,685ドルに大幅上昇したダウも再び21,052ドルまで下落し、ドルIndexは前週の98から再び100台に上昇した。
ドル円は107円割れから今朝一時109円台まで上昇し、ユーロは1.11台から1.08台に、ポンドは1.24台から1.22台に下落している。
また価格戦争で一時20ドル台まで下落した原油価格(WTI)は中国の戦略的備蓄購入報道と、トランプ大統領が仲裁に入ったこともあり、サウジとロシアに歩み寄りの姿勢が出始めたことを好感して一時30ドル台まで反発。プーチン大統領は「日量1000万バレルの減産が可能」と発言している。
一方3月の各国経済指標が先週出始めたが感染の影響は大きくなっている。
Q1日銀短観は大企業製造業DIが7年ぶりにマイナスとなるなど大幅悪化したが、企業レポートの多くは3月上旬の数字であり、事態が更に悪化した下旬の数値を含んでいない。
また3月の米ISM製造業景気指数やADP雇用者数は予想ほどの悪化を見せなかったものの、新規失業保険申請件数は前週の驚きの330万人から更にダブルアップの664万人となり、金曜日に発表された3月の米雇用統計は失業率4.4%、nfpr-70.1万人と予想をはるかに上回る悪化を見せた。
ただこの驚きの数字にも市場は大きな反応を見せておらず、もはや景気指標と市場の関連性すら失われつつあるようだ。ダウは-246ドルにとどまり、ドル円はむしろ108円台半ばと堅調裡に先週を終えた。
終末にコロナ被害は更に拡大したが週明けの株価はダウ、日経平均共に大幅上昇、そしてドル円は一時109円台を付けるなど、株高・ドル高となっている。
市場の焦点は日本の緊急事態宣言が今週出るか?あるいは日本の被害急拡大(オーバーシュート)の可能性にあるようだ。
先週から見られる「並のリスクオフ=円買い、よりマグニチュードが大きなリスクオフ=ドル買い」の構図が今週も更に顕著となる可能性があるだろう。
これまで抑え込まれていた日本の被害が欧米並みにエスカレートするのであれば新たな「日本売り=円売り」(かなりネガティブな円売り)の始まりかもしれない。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―再び軟調推移か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.5980-0.6214 AUDYEN 64.39-67.26

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.5700-0.6200 AUDYEN 63.00-68.00

先週豪ドルは米ドルが対欧州通貨中心に堅調推移する動きにフォローして、前週の買戻し一巡後は再び上値を切り下げる展開となった。
ただ商品相場が原油中心に一時の暴落に歯止めがかかりつつあることや、モリソン政権の大規模な対ウィルス対策を評価して大幅下落には至っていない。
また中国の3月経済指標(政府PMIと財新PMI)が2月の大幅落ち込みから50超えにジャンプアップしたことも豪ドルをある程度サポートしているが、中国の数値については信ぴょう性を疑う声が絶たない。
豪州のウィルス被害は感染者5,600人、死者35人でやや足踏み状態だが依然国内では厳しい統制が敷かれている。
豪数経済についても失業率がQ2に17%に達し、29年ぶりのリセッション入りは免れないとの悲観的見方は依然強く、今後それらの指標が出ること、及び世界的な感染拡大に収束の兆しが見えない状況では、豪ドルの上値も限定的と言わざるを得ない。

 

―読者各位―

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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