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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)9 November 2026

9 November 2026

 

◎<ポイント>
―
―米中間選挙終わり年末相場に―

今週の予想レンジ:157.00-160.00
先週のレンジ 157.25-158.78
(先週の予想レンジ:156.00-159.00)
・先週は中東不安(ホルムズ海峡でのタンカー爆発)や米中間選挙を控えた神経質な相場がスタートした。週初は原油高(102ドル台)と米中間選挙での共和党敗退の思惑からリスク回避色が交錯して、ドル円は157円台後半から158円台後半で神経質に推移。
・週末にかけては民主党優勢との報道を受けてAI投資抑制のへの懸念高まり、AI・半導体中心に日米株共に大幅下落してリスク回避色が再び強まり、ドル円は157円台前半に反落。
・しかし発表された10月の米雇用統計は非常に強いものとなりドル円は158円台半ばを回復して越週した。
・米雇用統計後はユーロの下落(1.11台前半)目立ち、前日BOEによる今年最初の利上げ(3.75%→4.0%)を受て1.35近辺まで上昇したポンドも結局フォローして反落。
・今週は米中間選挙も終わり、相場は平常を取り戻すことになり、焦点は再び中東情勢や主要国の年末に向けての金融政策の行方となる。
ただ敗戦トランプがより攻撃的に“大統領令”に頼ることや、“戦時下権限移譲”を受けた外交面に更に政策をシフトさせて、強固な攻撃策に出るとの思惑もあり懸念される。
・先週はホルムズ海峡でのタンカー爆発後、米国が外交的解決を模索する姿勢を示したことから原油価格も90ドル割れまで反落したが、中東情勢は再度緊張度を増す可能性があろう。
・先週の強い米10月雇用統計を受けてユーロは1.11台前半、豪ドルは68セント台半ばまで下落しており、米ドル堅調地合が継続する場合にはドル円の下値も157円台となろう。
・先週日経平均は約10%落ちて5万7千円台に下落した。6月の高値7万2千円台から約20%下落したが、2024年に従来の史上高値3万9千円を上抜き今年6月に7万2千円台まで上昇した背景には種々の要因が考えられる。
・従来からの割安感、本邦企業の企業改革や自社株買い、弱い中国株からの資金シフト、世界的な半導体・AI株への追い風と外人投資家の日本株買い、円安の追い風と本邦輸出企業収益改善予想、日銀の利上げによる本邦金融システムへの安心感等々。しかし本邦企業の収益改善やガバナンス改革への期待は本物か?収益改善は非正規雇用の拡大による賃金抑制と内部留保の増大が背景ではないのか?
・植田総裁は数十年ぶりに基調物価上昇が2%に達したことに満足顔であるが、ガソリン価格上昇をはじめとする諸物価上昇が本来のデフレ圧力を覆い隠しているだけではないのか?
・筆者は昔から日本の金融政策正常化を提唱しており、日銀の利上げ姿勢を否定するものではない。先週植田総裁はIMF主催のイベントで「大きなショックがあれば非伝統的政策を迫られる可能性」と述べたが、是非とも景気減速局面で“利下げ”を行える“金融政策の弾力性”を実現してほしい。
・「ドル円はいずれ上放れ」との見方は変更していない。

 

◎<豪ドル相場>
先週豪ドルは強い米10月雇用統計発表後に68セント台半ばに大幅に下落した。対円でもドル円の158円台半ばへの上昇よりも対米ドルでの下落が勝り、108円台前半まで値を下げた。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6854-0.7038    AUDYEN  108.24-111.30
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6900-0.7100  AUDYEN  109.50-112.50)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.6950   AUDYEN  108.00-111.00


・先週豪ドルは、米10月の雇用統計発表までは70セント近辺を維持していたが、予想を大きく上回るnfpr(16.5万人増加、予想+5.5万人、前回+2.9万人)を受けて今年4月以来となる68セント台半ばに大幅下落した。対円でもドル円の上値が158円台半ばで押さえられたことと、上記対米ドルでの大幅下落により一時108円台前半と今年2月以来の安値を付けた。
・まさに「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、ユーロの1.11台前半への下落に同調した面は否めないが、先週のRBA理事会における利上げ(4.60%→4.80%)以来国内景気減速懸念が高まり、対米ドルでも69セント台に再び反落して軟調推移していた。いよいよ市場の目が「高金利による景気減速懸念」に向かいつつあるようだ。
・今回の利上げで市場には利上げ達成感が出つつあるのも事実で、金利先物市場では再利上げをまだ織り込めない状態である。
・今週は11/10(火)に11月WESTPAC消費者信頼感と10月NAB企業景況感・信頼感が発表されるが、11/3の利上げを受けて更なる指標の悪化は避けられない状況だ。
・「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、足元の米ドルの堅調が継続する可能性にも疑問の余地があるが、国内指標の悪化は更なる景気減速懸念とインフ高止まりの同居(スタグフレーション)懸念につながるものであり、国内要因から対米ドルでの大幅反発は予想しにくい。対円では引き続きアップダウンが予想されるが、足元は対米ドルでの軟調に引きづられる展開が予想される。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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