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今週の相場見通し by Joe Tsuda (22 February 2021)

22 February 2021

◎<主なイベント>

2/22(月)独2月ifo景況感指数、米1月景気先行指数、ラガルドECB総裁講演、EU外相会合
23(火)日本天皇記念日休場、英1月失業率、米2月消費者信頼感、パウエル議長議会証言(上院銀行委員会)
24(水)NZ準備銀行理事会、独Q4GDP(改定値)、BOEベイリー総裁講演、パウエル議長議会証言(下院金融委員会)
25(木)豪州Q4民間設備投資、米Q4GDP(改定値)、EU主脳会談
26(金)米1月個人所得収支、G20財務相・中央銀行総裁会議(~27日)

◎<マーケットの焦点>

先週もドル円は一時高値106円台前半に上昇し、ポンドも安値1.38台前半、ユーロも安値1.20台前半まで反落したが、結局週末に向けてドル売り戻しが活発化し、今週もドル安地合でオープンしている。
市場の地合的には依然としてリスク選好地合だと考える。米株は週末に向けてやや調整反落したが、週中にダウ、S&P%、ナスダックともに史上高値を付けた。また日経平均、春節明けの上海総合指数、インド・ボンベイ指数などいずれも高値を更新している。
係るリスクオン地合の中、原油価格は一時62ドル台まで上昇し、銅価格は金曜日に9,000ドル(トン当たり)近い史上高値まで上昇して、商品相場(CRB Index)を200台まで押し上げた。
最大の理由はやはりワクチン接種の進捗と共に新規コロナウィルス感染者数の伸びが全世界で1ヵ月前の一日60万人台から15万人台まで減速していることだろう。
この結果コロナ収束による経済回復期待が急拡大している。
係る中、昨年Q3、Q4と急回復した米経済のスローダウン傾向が再び見られ、今週のパウエル議長の半年に一度の議会証言でも慎重姿勢が確認されるとの思惑もドルの上値を重くした。
また信任のイエレン財務長官からも緩和継続、財政拡大の必要性を強調する発言が相次ぐ。
一方米国のインフレ期待が高まり、米債イールドカーブの上昇が続く。
2年債利回りが0.10台に小緩む一方、10年債利回りは1.3%台まで上昇し、イールドカーブが立ってきているのはインフレ期待上昇の証拠である。
係る、景気減速や財政赤字の悪化懸念とインフレ期待に上昇と言うアンバランスがドル売り戻しの背景にあるのかもしれない。
自身は引き続きドルブルの予想を変えていないが、ポンドの1.40を超える上昇は更なる“上昇トレンド構築”の過程とも考えられ、ドルブルの信念はかなり揺らぎつつある。
ただ本当に欧州通貨高/ドル安が今後も継続するのか?ポンドやユーロの現レベルはかなり伸び切った状況ではないのか?という素朴な疑問が消えないのも確か。
ECBのユーロ高けん制は継続しているし、英国の金融当局や政府筋からの景気強気論(マイナス金利否定)やコロナ収束に向けた楽観発言は「Brexitを正当化する空元気ではないのか?」という素朴な疑問が拭えない。
引き続き忍耐を持ってドル安局面に耐えたい。

◎<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―依然堅調維持か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7724-0.7877 AUDYEN 81.41-83.16
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7750-0.8050 AUDYEN 82.00-85.00

豪ドルはなんと。79セント台、83円台まで続伸してきた。
コロナ収束期待によるリスクオン地合の中、上記のように商品相場が高値を更新していることが主因であるが、豪ドル上昇を予想してきた本人としても、やや上昇速度が速すぎると感じてしまう。
豪ドルは投機通貨の特性として、昔からこのように“上げにも下げにも過剰反応する”のが本来の姿であり、その意味では「やっと元の姿に戻りつつある」ということか?
ただ米豪の10年債利回り格差は依然として1.3-1.4%前後でお互いに上下関係が交互にしている。
つまりかつてのような2-3%豪ドル金利が上回る状況は、まだまだ望むすべもないし、むしろ出口戦略の面ではRBAはFRBに追随する形だろう。
もっともセントラル短資FXのマーケットビューでも述べたように、昨年暮れから急上昇しつつある豪州住宅価格が今後ともディスオーダリーに上昇する場合には、RBAは超緩和策を見直す可能性があるが。
豪ドルは既に従来のレジスタンス78セント台、82円台をブレイクし2018年3月以来の79セント台前半、2018年12月以来の83円台前半まで続伸しているが2月に入ってから棒上げ状態で、やや上値警戒感も出つつある。RBAも「豪ドルは最近の最高値圏、金融緩和がなければ豪ドルは現在より5%高」などと豪ドル高けん制ともとれる発言をし始めている。
今週木曜日にはQ4の民間設備投資が発表されるが前期は-3%で7期連続のマイナスを記録したが、果たしてプラスに転じたか?景気の先行きを占う指標として注目される。
豪ドルは主要レジスタンスを上抜けており基本的には下がりにくい展開が予想されるが、同時にそろそろ調整反落の可能性にも留意したい。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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