3 Novemebr  2025

◎＜ポイント＞　　―ドル円はアップ・ダウンで結局↑か？―

今週の予想レンジ：152.00-156.00
先週のレンジ　151.54-154.44
（先週の予想レンジ：150.00-54.00）

・先週はドル円が151円台から154円台に上昇（上昇予想は当たり）。
・週初は前週の予想より弱い米9月CPIの影響や来日中のべッセント米財務長官のドル高けん制発言「為替の過度の変動を防ぐ上で健全な金融政策策定とコミュニケーションが重要」の発言などで151円台半ばに下落。
・しかし予想通りのFOMCでの25bpの利下げと日銀会合での政策据え置きを受けて「日米金利差は想定より緩やかに縮小する」と市場は受け止め、円キャリートレードが活発化。
・加えて高市首相の積極外交（トランプ大統領との相性は良好？）で高市株上昇し、“高市トレード（株高・円安）”が進行して、日経平均は5万2千円台に、ドル円は154円台まで続伸した。
・今週は水曜日に米政府機関閉鎖期間が史上最長に達することがリスク要因だが、逆に再開への圧力が強まり、一旦再開となれば足元のドル高地合を更に助長するだろう。
・高市トレード＝円キャリートレードの様相であり、市場のドル円ロングポジションが積み上がり易い環境だが、155円台の節目を前に日米当局の円安けん制圧力も強まることが予想され、調整反落を交えた荒い値動きが予想される。
・高市総理登場により思わぬ円安地合となっているが、筆者が従来より主張する、日本の経済・財政ファンダメンタルズ悪化は高市登場により陰に押しやられた状態だ。
・しかしながら、高市登場でも日本のフォンダメンタルズが改善されない場合の「失望の円売り圧力」は新たなドル円上昇圧力となると考える。

・先週豪ドルは10/29（水）に発表されたQ3CPIが3.2%(予想3.0%、前回3.0%)と予想を上回り、RBAの重要視するアンダーライイングCPIも2.9%(予想2.7%、前回2.7%)と強めであったため、週高値66セント台をつけたが、後米ドル上昇に押された65セント台前半に反落。
・一方対円ではドル円の154円台への上昇を受けて、99円台から昨年11月以来の101円台まで上昇した。
・今週11/4（火）のRBA理事会では政策据え置き（オフィシャル・キャッシュレート3.6%）が予想されるが、ブロック総裁からインフレ警戒のタカ派的発言がリピートされるようであれば、豪ドルを65セント台でサポートするだろう。一方米ドルが足元の堅調さを維持する場合には、再び66セント台が天井となるだろ。
・係る状況下ドル円が上値をテストする場合（155円ブレイク）には豪ドル円も101円台のレジスタンスをブレイクする展開が予想される。

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