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【子育て】 シドニー共育日記(第15回) ママたちのあくなき願望(その1) はやく大きくなあれ!!

妊娠を知ったその日から、どんな親だって自分の子供の幸せと健康を願わずにはいられない。

最初はごく慎ましやかな願い。どうか無事に生まれてくれますように。五体満足で健康でありますように。

いや、これとて決して慎ましい願いとは言えないかもしれない。

赤ちゃんが無事に、健康に生まれてきたというだけで、神様に感謝をささげるべき大恩寵である。

ところが、である。ひとたび健康で五体満足な赤ちゃんが生まれてみると、悲しいかな、

人間の性で必ず「次なる目標」とばかりにいろんなことを赤ちゃんに望みはじめる。

 
最初に顕著になる母の願望は「はやく大きくなあれ!」である。
前項で述べたChild Health CentreとMothers Groupの話にちょっと戻るが、

Child Health Centreに行くと、必ず赤ちゃんの体重と身長が測られて、Blue Bookにある

体重と身長のグラフに月ごとの赤ちゃんの成長を記録するようになっている。そこで、自分の赤ちゃんが

同月例の赤ちゃんと比べてどのくらいの発育状況なのか、具体的にグラフで示されるわけだ。

 
当然、Mothers Groupのオージーママたちの間でも最大の関心事は「赤ちゃんの発育状況」となる。
成長の早い子のママAは、「あんまりオッパイをよく飲むから母乳が間に合わなくて体が持たないわ~」と

嘆きながらも心なしか自慢げである。そこにすかさずママBが割って入り、「うちの子は大きすぎて

グラフの最大値からはみ出ているの!将来肥満児になっちゃうんじゃないかしら!」

と心配を装いながらも満足げな笑みを浮かべている。

いかによく食べ、いかに早く成長し、いかに早く洋服のサイズが上がっていくか、

それが順調な成長の証なのである。

 
小柄な長男を授かった私はどうも話題に貢献できない。「あなたのところはどう?」と水を向けられて、

「ええ、平均値よりは少し小さめだけど順調に育ってるわよ」と答えると、「小柄だと抱っこするのにも

楽だからいいわよね~。うちの子なんてもう重くなっちゃって車から乳母車に移すのも大変よ~。」

正直に言って、私は離乳食を食べさせるにも苦労したクチなので、どんどん離乳食を食べて

ずんずん大きくなっていくよその赤ちゃんたちを羨ましく思ったこともある。

でも元気で健康な赤ちゃんなら、少々小柄でも何の問題もない。

「地球の省エネには小柄の方がいいんだよ!今はエコの時代なんだから!」と

内心負け惜しみをつぶやいていたのだった。

(さかな)


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