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越後屋、おぬしもワルよのぉ…

先日決定したサッカー「FIFAワールドカップ」の2018年と2022年大会の開催地選考に関して、FIFAの理事が投票の見返りにお金を要求したとの報道がありました。そうだろうなと思えるほど、こういうことに関して裏でお金が動いているというのは半ば常識のようにさえなっています。

例えば村の村長選で対立陣営それぞれが多額のお金をばらまいたり、酒宴を催して票の獲得に精を出す、などというのはついこの間の日本の現実だったわけで す。地縁・血縁の強固な社会だった日本には、そんな慣習が文化として長年根付いていると思われるほどです。昔から、「越後屋、おぬしもワルよのぉ…」とい う世界がありました。

地位や名誉や権力は、いわば磁石のようなもので、人を引きつける魅力があります。ただし、磁石は金属を引きつけますが、人間は金属ではないので、そのまま近づいても引きつけてくれはしません。ただしお金を持っている人間はしっかりと引きつけてくれます。

もちろんあからさまにお金を握って磁石(地位や名誉や権力)の前に立つわけには行きません。そんなことすると周りの人から「エゲツナイやっちゃ」と思われてしまいます。そこで、そのお金を“信頼や人望や清廉”という包装紙で包んで、お金が直接見えないようにします。こうして裏の世界でのお金のやり取りが始まるのですが、包装紙はすぐ破けてしまって化けの皮がはがれてしまうので、二重、三重に包んだり、上げ底の箱を巧妙に作ったり、さまざまな裏金の工夫が必要になります。

裏金と言えば、「官房機密費」などというのもその工夫のひとつですね。古くはロッキード事件の「ピーナツ」もそうです。最近では警察の「捜査協力費」なんかもそうだと言われていますね。

オーストラリアだって、公共工事にまつわるワイロの摘発がニュースとなっています。さまざまなライセンス取得にからむ裏金や、身近なところでは、スピード違反の際に警官にお金を渡して逃れるとか、ついついお金で物事を処理しようとする人が後を絶ちません。

まあ、世界中の国で汚職や賄賂、裏金は無くならないようです。「世に腐敗のタネは尽きまじ」でしょうか。

こんな話しをするのも、今日は「国際腐敗防止の日(International Anti-Corruption Day)」なんですね。2003年12月9日、国連腐敗防止条約が調印されたのが始まりです。

そこで、世界の汚職を監視している団体「Transparency International」が毎年、世界各国の腐敗認識指数(CPI=Corruption Perceptions Index)を発表しています。いわば「世界汚職度調査」です。

過去3年のクリーン度は以下の通り。オーストラリアは9位・8位・8位とほぼ横ばいでまあクリーン度は高い方ですね。一方、日本は18位・17位・19位でした。汚職文化はオーストラリアよりも日本の方が浸透しているということでしょうか。

不正や汚職をなくすためには、透明性とアカウンタビリティ(説明責任)/報道の自由と情報公開制度/司法や捜査機関・検察官の独立性などが求められています。そして誠実な社会システムを作るために私たちの監視の目が必要とされています。

<清潔度ランキング2010>

1位デンマーク・ニュージーランド・シンガポール

4位フィンランド・スウェーデン

6位カナダ

7位オランダ

8位オーストラリア・スイス

10位ノルウェー

11位アイスランド・ルクセンブルク

13位香港14位アイルランド

15位オーストリア・ドイツ

17位バルバドス・日本

19位カタール

20位英国

<清潔度ランキング2009>

1位ニュージーランド

2位デンマーク

3位シンガポール・スウェーデン

5位スイス

6位フィンランド・オランダ

8位オーストラリア・カナダ・アイスランド

11位ノルウェー

12位香港・ルクセンブルク

14位ドイツ・アイルランド

16位オーストリア

17位日本・英国

19位米国

<清潔度ランキング2008>

1位デンマーク・ニュージーランド・スウェーデン

4位シンガポール

5位フィンランド・スイス

7位アイスランド・オランダ

9位オーストラリア・カナダ

11位ルクセンブルク

12位オーストリア・香港

14位ドイツ・ノルウェー

16位アイルランド・英国・

18位ベルギー・日本・米国

(資料:http://www.ti-j.org/

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