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移民法の改正

新年度から変更されたものにビザがあります。7月1日の移民法改正で、大きくビザの申請方法が変わりました。

今回の移民法の改正のうち、ポイントテストによる技術移住ビザに関して説明します。特に、留学生にとっては大きな変更となりました。

改正点は大きく分けて3つあります。

(1)ビザクラスの統合によるビザ区分の簡素化

(2)スキルセレクト(SkillSelect)システムの導入

(3)ポイントテストの改定

(1)は、国内申請と海外申請の区別を廃止し、これまで6つあったサブクラスを3つに統合しました。新しいビザクラスは、以下の3つです。

Subclass 189(Skilled Independent 永住ビザ)※これまでの175と885

Subclass 190(Skilled Nominated 永住ビザ)※これまでの176と886

Subclass 489(Skilled Regional 4年間の暫定ビザ)※これまでの475と487

なお、190は州政府のスポンサーが、489は州政府または家族のスポンサーが必要です。

(2)のスキルセレクト(SkillSelect)システムの導入は、今回の改正の大きな変更点です。

ビザ申請希望者が移民局にビザを申請する前に、まず、ビザ審査に必要な個人情報をEOI(Expression of Interest)というオンラインのフォームに入力することで申請希望の登録をし、ビザの申請条件を満たしていることを表明して、移民局(またはスポンサー)からのInvitation(ビザ申請の招待)を待つというシステムです。

このシステムの導入は、これまでビザ審査の過程で明らかになっていた様々な書類の不備や情報の確認を、事前に整理して審査がスムースに運ぶことを目的としています。

このスキルセレクトによるビザの申請方法は、以下の手順になります。

*申請希望を登録する→EOIの登録

*申請招待を待つ→Invitationの発給

*発給から60日以内にビザ申請をする→ビザ審査

ただし注意しなければならないのは、EOIの登録はビザの申請ではないということです。あくまでも申請の希望を表明しているに過ぎません。ですからビザの申請は、Invitationの発給を受けてからということになります。

移民局では、EOIの情報によって、ビザ申請希望者をランク付けして、高位の人から順に、毎月の受け入れ人数内でビザ申請のInvitationを発給するというものです。ですから最初の登録から情報が変わった場合は、すぐに更新する必要があります。なお、EOIは登録から2年間有効です。

(3)は、パスマークをこれまでの65ポイントから60ポイントに改定しました。

各項目のポイント数は:

■英語力

IELTS各項目6.0   0ポイント

IELTS各項目7.0 10ポイント

IELTS各項目8.0 20ポイント

※なお、IELTSテスト結果の有効期限が3年間になりました。

■年齢

18〜24歳 25ポイント

25〜32歳 30ポイント

33〜39歳 25ポイント

40〜44歳 15ポイント

45〜49歳 0ポイント

■職務経験(海外)

3〜5年    5ポイント

5〜8年 10ポイント

8〜10年 15ポイント

※すべてInvitation発給時から過去10年間の就労年数です。

■職務経験(豪州国内)

1〜3年 5ポイント

3〜5年 10ポイント

5〜8年 15ポイント

8〜10年 20ポイント

※すべてInvitation発給時から過去10年間の就労年数です。

※海外での年数との併用によるポイントは、最高20ポイントまでです。

■学位

オーストラリアの教育機関、または認定機関からDoctorate(博士)を取得 20ポイント

オーストラリアの教育機関、または認定機関からBachelor(学士)、Masters(修士)を取得 15ポイント

オーストラリアでDiplomaやTrade Qualificationを取得 10ポイント

※すべてInvitation発給時点の学歴です。

■国内就学

オーストラリアで2年間、フルタイムの就学をして、Degrees、Diplomas、またはTrade Qualificationsを取得 5ポイント

※Invitation発給時点です。

■ノミネーションとスポンサーシップ

Subclasses 190の場合、州政府のノミネーションを取得 5ポイント

Subclasses 489の場合、州政府のノミネーション、または家族のスポンサーを取得 10ポイント

■その他のポイント加点

コミュニティランゲージの有資格の場合 5ポイント

オーストラリアの地方部や低人口増地域での就学 5ポイント

パートナーが有資格の場合 5ポイント

Invitation発給時から過去4年間のうち12カ月以上でProfessional Yearを修了した場合 5ポイント

こうして見ると、英語力がある25〜32歳の若者を一番望んでいることが明らかですね。

今後のビザ申請は、この新しいシステムによることになりますが、ただし、これまでの885、886、487のビザは、以前の申請条件の下で、2012年12月31日まで申請することができます。その場合、ポイントテストのパスマークはいままで通りの65ポイントです。そして、2013年1月1日以降は、新しいビザへの申請になります。

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