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国際的な環境でバイリンガルの子どもを育てるシドニー日本人学校に潜入!

「子どもをバイリンガルに育てたいけど、現地校では英語だけを浴びる環境になってしまう。他に学校の選択肢はないのかな?」
「シドニーにも日本人学校があるって聞いたけど、どんな子どもたちや先生がいるんだろう?」

そこで、今回JAMSスタッフは、シドニー北部のテリーヒルズにある「シドニー日本人学校(Sydney Japanese International School)」に潜入し、その独自のバイリンガル教育で定評のある実際の授業を見学してきました!

「シドニー日本人学校」は、世界でもユニークなカリキュラムを提供し、NSW州のカリキュラムを教える「国際学級」と日本の文部科学省のカリキュラムを教える「日本人学級」を併設しているインターナショナルスクールです。

そして、日本人だけでなく、すべての国籍の子どもたちに門戸を開いているのです! 子どもたちだけでなく、教師陣もインターナショナル色豊かで、グローバルな視野で子どもたちを指導しています。

キンディ学年と日本人学級1年生の担任教師にインタビュー

シドニー日本人学校は、国際学級と日本人学級を併設していることから、職員室やオフィスでも英語と日本語が飛び交います。国際色豊かな環境で、日本とオーストラリアの良さを生かした教育について話し合い、アイデアを出し、それを行動に移して取り組んでいます。

今回は、日本人学級1年生の先生とキンディ学年の先生に、担任クラスの子どもたちの特徴や、雰囲気、学習に関すること、他の学校と違う点などを聞かせてもらいました。


日本人学級1年生担任(2018年3月時点)の増田智恵子先生(写真左)とキンディ学年担任のサンドラ・オイエク先生(写真右)

 担任する子どもたちの雰囲気やコミュニケーションはどうですか?

サンドラ先生:子どもたちは学校に来るのをいつも楽しみにしています。私のクラスの親御さんたちから、 「シドニー日本人学校に入学して、子どもが毎日楽しいと言っている。自然が近くて、子どもが温かく、健全な環境だ」と言ってもらい、嬉しく思います。

増田先生:日本の子どもたちよりものびのびしていて、彼らの素直さを学校全体に感じます。何にでも感動できるピュアな心を持っていて。隣同士のクラスでも休憩時間やミックスクラスの授業で仲良くしたり、学年や学級を超えたアクティビティも多いので、日本人学級と国際学級の1年生から6年生までが一緒に遊んだりします。みんな積極性や表現力も高くて、恥ずかしがらずに自分を表現していく力もあります。

サンドラ先生:私も同感です。シドニー日本人学校の子どもたちは、オーストラリアと日本の両方の良い点を持っているので、礼儀正しいけれど積極的でシャイじゃありません。日本から転校して来た子も、最初は恥ずかしがりますが、自分もまわりの子どもたちのようになりたいと思うので、自然に変わっていきますよ。

これまでに担任した子どもたちの成長を見てどう感じますか?

サンドラ先生:本当にすばらしいです。特に幼少期からの成長は目に見えて感じられるもの。キンディ学年に入ってきた時には、日本語も英語もたどたどしく、ペンの持ち方も正しい書き方もままならなかった子どもたちが、その年の終わりになると多くのことができるようになって、論理的になって、まったく違っているんです。学年を上がるごとに心身ともにどんなに大きく成長していることか。私にとって教師としての喜びは、そうした子どもたちの成長を見届けられることにあります。日本人学級の子も国際学級の子も、全員最初はキンディ学年から始まりますから、キンディの子どもたちのバックグラウンドは様々でとてもユニークです。子どもたちの最初の部分を見てきていますからね。4年前にキンディ学年にいた子を今見かけると、「OMG! 信じられない、すっごく成長したじゃない!」ってびっくりすると同時に、成長した子どもたちを心から誇りに思います。
それに、シドニー日本人学校という基礎になる環境で教えることができて、熱意ある教育者や親御さんたちに囲まれて、私自身もハッピーなんですよ。

増田先生: 日本人学級の教師は、日本からの派遣教員なんですね。今現在の日本を持ってオーストラリアにいますから、任期のあいだに精一杯、子どもたちと一緒に学ぶくらいの情熱を持って教えています。 子どもたちに日本のことを隅から隅まで届けたいと思っています。
低学年を担任しているので、あんなに朗らかに成長した5年生や6年生の子どもたちを見ていると、「自分が今教えている子たちも、いずれはこうなっていくんだろうな」と頼もしく思えます。どんな学級でも、日本語と英語の両方を使いこなしているので、人間としても堂々としているように見えます

サンドラ先生:毎年「語学学習発表会」が楽しみです。毎日の語学学習の成果を発揮する機会で、日本人学級は英語劇、国際学級は日本語劇を披露するんですよ。その子どもたちのパフォーマンスを見ると、ありありと成長を感じられます。

子どもの英語と日本語を両方伸ばしたい場合、どんなことから始めるべきですか?

サンドラ先生:それは日本人家庭にいるか、多国籍家庭にいるかにもよりますね。片親が日本人で、もう片親がオーストラリア人という場合に限ると、日本人の親はどんな時も日本語で子どもに接し、オーストラリア人の親はどんな時も英語で子どもに接し、それを徹底することが大事でしょう。オーストラリアで生活していると、英語が強くなる時がありますが、英語で話を返してきても徹底して日本語を話させること、英語で話し返されたら聞いてあげないというくらい徹底すること。中途半端ではいけません。親御さんも我慢が必要というか、厳しくすることが必要なんです。

増田先生:両方が日本人の家庭でも、日本語を話すことをやめるべきではありません。しかし、同時に子どもの英語学習をサポートする姿勢が大事でしょう。入学時点で子どもの日本語力がある程度できあがっている状態ですから、言って聞かせるだけではなく、きちんと「コレはこういう理屈でね」と文法や単語を教えてあげることが大切だと思います。1年生の頃から英語を習い始めると、例文が中心になるんですね。すると1年生の子どもたちは、「何を言っているのかわからない」「何をさせられているのかわからない」「先生が言っていることをクリアにわかりたい」と思うけれど、わからないことがモヤモヤして気持ちが悪いみたいなんですよ。

サンドラ先生:どの家庭にも言えることが、その言語を実際に話せる環境・機会を少しでも多く与えてあげるということ。日本語なら、定期的に日本に帰省したり、日本語しか話さない友達と遊べる日を設けたり、とにかくバランスよくその環境を与えることが大事です。子どもは覚えるのは早いのですが、忘れるのも早いですから。もちろん、シドニー日本人学校にいれば、毎日の通学で教師陣がしっかりサポートしていきますが、家庭での教育も怠らないことが重要です

増田先生:シドニー日本人学校のように、ちゃんと英語と日本語を習う時間が確保されていて、かつ実際に両語のネイティブを相手に使う機会も毎日あるというのは、まさに理想的な環境だと思います。何よりも子どもは、学校での友達との会話の中で語彙を学んでいきますから

お子さまの進学を考えている親御さんにメッセージ

サンドラ先生:迷わないで、と言いたいですね。シドニー日本人学校は美しいところです。
例えば、10クラスもある現地校に通う場合、教育者と子どもの個人的なつながりが薄くなり、あなたの子どもは単なる「数字」になってしまうかもしれませんシドニー日本人学校が自信を持って言えることは、教育者と親子の密なつながり。私たちは、子どもたちを一人ひとりしっかりと見つめています。この学校は、子どもたちのもう一つの家庭なんです。
中には、体調が悪くて学校を休まなければならなくなった子どもが「学校に行きたい」と泣いてしまうこともあるくらい。親御さんからそうした話を聞くたびに、私は本当にうれしくなるんです。

増田先生:日本人学級は、現役の日本の小学校教師が文部科学省から派遣された教師に最新の日本のカリキュラムを教えてもらえて、かつオーストラリアの国際学級と一緒に勉強ができるため、オーストラリアの文化も学べます。こんな場所は他にないと思います。日本人学校は世界中に80数校ありますが、国際学級が併設されているところはとても珍しい本当に恵まれていて、安心して英語を学べる学習環境だと思います。
駐在員のご家庭で日本に戻った方からお話を聞くと、「改めて本当にいい学校だったと思う。特に先生の情熱や友達とのコミュニケーションが違う」とおっしゃりますね。

 


それでは、サンドラ先生と増田先生が担任するクラスを中心に、シドニー日本人学校の風景を覗いて観ましょう!

キンディの英語の授業に潜入。担任の先生も日英バイリンガル!

ここはキンディ学年(国際学級小学幼稚部)。

1年生から日本人学級へ進む予定の子どもも、国際学級へ進む予定の子どもも、キンディ学年から義務教育は始まります。担任のサンドラ先生がスマートボード(インターアクティブボード)を用いて、アルファベットが持つ音(フォニックス)を教えたり、「twinkle twinkle little star」とみんなで一緒に歌ったり、とにかく楽しそう。

「こんにちは!」「何してるんですか?」と日本語でも英語でも元気にしゃべり、ギュッと抱きついてくる子もいて、とても素直で愛らしいキンディさんたち。

それに、授業は英語で進んでいても、独り言では日本語を話す子がいたり、組む子によって英語を話したり、遊ぶシチュエーションによって使い分けたりしているようです。

オーストラリアのNSW州にあるキンディ学級では、本を家庭に持ち帰って、親御さんと一緒に読んでチェックしてもらい、学校に持ってくる「Reader」があります。それぞれの本にはレベルがあり、読解力が上がるにつれてレベルの高い本を読むようになります。

オーストラリアの公立校では、教科書(テキストブック)を導入することが少ないのですが、シドニー日本人学校では、状況に応じてテキストブックを導入しています。

 

キンディ学年を修了すると、国際学級のYEAR1と日本人学級の1年生に枝分かれしますが、進路は親御さんの意向で決めることになります。

日本人家庭でも国際学級に進む家庭がいて、オーストラリアの永住家庭でも日本人学級に進む子はいるそう。低学年のうちに日本人学級で日本語の基礎を確立し、高学年で今後のハイスクール進学に向けて国際学級に転籍するご家庭も多いそうです。

日本語と英語のどちらの言語を重要視しているか、将来どの国に住むことになるか、それは家庭によって違います軸になる言語はとても大事。どっちつかずにならないためにも、どちらの母語でメインストリームを作っていくか、しっかり考えてあげたいですよね。

日本にある日本の学校にはない「多様性」を学べる日本人学級!

さて、次の教室はキンディ学年から進級した日本人学級1年生!

日本人学級では毎日の英語学習に加えて、オーストラリアと日本の両方の文化や習慣を、国際学級との行事や合同授業を通して学ぶことができます

どれどれ、1年生のみんなは何をしているのかな?

今日は生活の授業。学校の敷地にある畑まで移動して、みんなで雑草を抜いたり、植物の成長をチェックしたり、育てた野菜を収穫したりしました。他にも文部科学省のカリキュラムで、理科や社会のような生活に関わる側面の授業を行います。

「前の収穫祭ではカレーを作って食べたよ」と、子どもたちが教えてくれます。この日はナスにトマト、ピーマンが採れました!

畑の世話と観察を終えると、教室に戻って収穫した野菜の絵を描きます。

日本人学級には黒板があります。日本語を学習する時には、黒板の方が文字の“はね”や“はらい”がきれいに出るからです。黒板以外にも、全教室にスマートボード(インターアクティブボード)が導入されています。

ランドセルやピアニカも並んでいる教室は、日本の風景そのもの。但し、「日本にある日本の学校」とはシドニー日本人学校は大きく違うところがあります。それは、多様性を学校で学べること。多文化のオーストラリアで学んでいる子どもたちが描く絵はとても自由でカラフルです。本当に朗らかで、幼少期の純粋さを保ったまま成長していける環境ですね。

シドニー日本人学校の風景

今回の取材では、授業風景の他にも笑顔であふれる学校の様子を見学させていただきました。

中でも楽しそうなランチリセス(お昼休み)、特別授業、クラブ活動をご紹介!

お昼やすみ(ランチリセス)

ローカルの現地校では、ランチの時間と休み時間が一緒ですが、シドニー日本人学校では、先生と一緒にランチの時間に食事をとります。日本らしい風習を取り入れています。

ランチの後には、ランチリセスというお昼やすみがあります。広々としたプレイグラウンドや運動場は、先生がきちんと見回りながら安全につとめています。

運動場には、ドッジボールや一輪車、サッカーなど日本の学校でも人気の遊びや、オーストラリアで人気のハンドボールなどを、学級や学年を超えて仲良く一緒に遊びます。

シドニー日本人学校には、とにかく素直な子が多い! 取材スタッフにも礼儀正しくあいさつし、人懐こい笑顔を見せてくれます。

思春期に入る中学生の年齢になっても、キラキラと輝く笑顔を見せて、まっすぐに自分らしく遊んでいます。この学校にある全員が家族のようなアットホームさが、素直な子どもたちを育むのでしょうね。

みんなに解放されている図書館には、日本語と英語の本がたくさんあります。 バイリンガルに育つためには、本を読むことが本当に大事。国際学級・日本語学級ともに週に1回「図書の時間」があり、一人ひとりが図書バッグを持って来て、本を借りて、次の週に返しにきます。

特別出張授業

シドニー日本人学校では、過去には鹿島アントラーズ関係者や宇宙飛行士の野口聡一さんなど著名人の来校や、企業の方々による出張授業も頻繁にあります

この日は日本人学級中学部の子どもたちが、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)シドニー事務所の副所長さんの「ボーリング調査・資源開発について」の講義を聞いていました。

どの子どもたちも、静かに礼儀正しく話を聞いていて、最後の質問タイムでは、たくさんの質問が飛び交いました。

シドニー日本人学校を卒業した子ども達が、日本とオーストラリアをつなぐような形の職業に就くことは珍しくありません。たとえ駐在員の家庭で日本に帰国したとしても、人生の中でシドニー日本人学校での経験は、将来のグローバル社会に役立つ「宝物」になるでしょう。

クラブ活動(アフタースクール)

放課後のクラブ活動も子どもたちのお楽しみ!

子どもが参加したい場合は、終了時間に保護者のお迎えが必要ですが、外部からプロフェッショナルの講師を呼んで指導しています。空手茶道書道といった日本文化から、ギターサッカーRoboticsまでクラブはさまざまあります。

この日は、チアリーディングのクラブ活動日。親御さんに見守られながら、専門の先生と一緒に子どもたちが練習に励んでいました。

お子さまとオープンデーに行ってみよう!

シドニー日本人学校では、毎月オープンデーを開催中!

  • 所要時間は約1時間30分
  • 平日はキンディ学年や日本人学級などの授業見学、体育館や図書館などを案内
  • 校長、教頭による学校説明会。キンディの先生に質問する機会も!
  • お子さま連れも大歓迎
    次回オープンデーの詳細・予約はこちら

現在、2019年度キンディ学年を募集中です! アセスメントは例年6月頃より始まります。

まずは一度オープンデーに是非いらしてください! 皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。


シドニー日本人学校(Sydney Japanese International School)

所在地:112 Booralie Road, Terrey Hills, NSW 2084
TEL: (02) 9450-1833
Email:administrator@sjis.nsw.edu.au(一般お問い合わせ)registrar@sjis.nsw.edu.au(転入学お問い合わせ)
https://www.sjis.nsw.edu.au/ja

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