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【全豪2018】ジョコビッチを破った 鄭現(チョン・ヒョン )の強さ

メルボルンで行われた全豪オープンテニス2018の男子シングルスで、鄭現(チョン・ヒョン/韓国)21歳が旋風を巻き起こしている。

1月22日、全豪オープンの男子シングルス4回戦で元王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)をストレートで降すと、勢いそのままに24日、テニス・サングレイン(米国)を準々決勝で破り、韓国史上初のグランドスラムベスト4入りを果たした。

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26日の準決勝では、左足のマメを理由に第2セット途中で棄権することになってしまったが、2018シーズン最初の四大大会で大きな飛躍を見せた鄭現(チョン・ヒョン)は世界中にインパクトを残した。

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そこで今回は、28日に最終日を迎えた全豪オープンの結果と、ジョコビッチ戦で見せた「韓国テニス界期待の星」チョン・ヒョンの強みを探っていきます。

 

全豪OP2018 結果は?

チョンの躍進や、途中棄権したラファエル・ナダルなどの番狂わせにより注目が集まった準決勝。続く28日、初優勝を目指すチリッチと今大会2連覇を狙うフェデラーによる全豪オープン男子シングルス決勝の対戦が行われました。

第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)が第6シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を6-2、6-7、6-3,3-6,6-1で圧倒し、全豪オープン2連覇。さらに、グランドスラムでフェデラーが持つ男子の最多優勝記録を更新する20個目のタイトルを手にしました。

1月25日(木)準決勝

19:30
クロアチアの旗M.チリッチ
イギリスの旗K.エドマンド

 

1月26日(金)準決勝

19:30
大韓民国の旗鄭現
スイスの旗R.フェデラー

 

1月28日(日)決勝

19:30
クロアチアの旗M.チリッチ
スイスの旗R.フェデラー

 

鄭現(チョン・ヒョン)何がそんなに強いのか

22日の対戦でジョコビッチに、「まるで壁のようだった」と評されたチョン・ヒョンのプレー。
全豪オープンでは特に圧倒的な強さを発揮してきた元王者ジョコビッチと、新進気鋭の21歳チョン・ヒョンの勝敗を分けた要因は何でしょうか?

 

鉄壁のディフェンス

ジョコビッチ戦では、チョン・ヒョンのディフェンス力が光っていました。185㎝という高さもありながら、前後左右にボールを拾い続けていた姿が印象的。観客や実況も、チョンのコートを粘り強く走り回る姿に、驚嘆と称賛の混じった声をあげていました。そのコートカバーリング能力は、「自らのアイドル」ジョコビッチを映しとったようで、インタビュアーや多くのファンも絶賛しています。

勝利後のインタビューで、「もしセットを落としていても、もう2時間プレーする準備は出来ていた」と言うように、強靭なフィジカルと持久力も、チョン・ヒョンの守備力を支えているのでしょう。

さらに、ジョコビッチの猛攻に耐えながらも、チョン・ヒョンの返球が甘くならなかったことも勝因の一つ。「難しい場面でも、必ず素晴らしいショットで対応してきた」とジョコビッチも称賛していました。

 

メンタルの強さ

テニスはメンタルのスポーツと言われ、40℃近い気温の中でプレーする全豪オープンではなおさらメンタルの強さが重要になります。第3回戦で戦った、世界ランク4位ズベレフにもメンタル面で優位に立ち、最終セットを圧倒。準々決勝、本調子でないジョコビッチに対しても、メンタルの強さが際立っていました。劣勢の局面でも淡々とした姿でプレーを続行し、良いプレーの後に観客を煽って勝利を掴んでいく様子が印象的です。

勝利が決まった瞬間の冷静な表情や、勝利後のインタビューにウィットに富んだ答えで観客を笑わせる様子も、韓国期待の星、さらにアジア勢の星としてのスター性を纏っているようでした。

 

鄭現(チョン・ヒョン)今後は?

2017年、チョン・ヒョンはネクストジェネレーション・ATPファイナルズでは全勝優勝し、MIP賞(最も進歩した選手賞)も受賞しています。同年、全仏オープンテニスで四大大会初優勝を狙う錦織圭との激戦も話題になり、日本からも注目も集まりました。

今大会、アジア勢初の全豪オープンテニス決勝進出には至らなかったものの、チョン・ヒョンはその粘り強いプレーで、自身の存在を世界中にはっきり印象付けました。李娜、錦織圭に続く韓国からのアジア勢トップ選手の誕生に、今後の期待が高まります。

 

 

文・村上紗英
大学にてメディア学を専攻し、Jamsにて主にスポーツやオーストラリアの大学についての情報を紹介している。

 

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