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肩の痛み 日豪プレス 2011年11月号 掲載記事

今回は肩の痛み(肩関節インピンジメント症候群)について、ご紹介いたします。

 

今回のゲストは45歳でテニスが大好きなBさんです。最近サーブでラケットを頭上に振りかぶると肩に痛みが出ます。それでもラリーをしている分には問題はありませんが、その日の夜痛みが出たり、翌朝痛みやこわばりがあったりします。しかし、2-3日で痛みが落ち着くのでまたテニスをしていました。日常生活での支障は無くても、例えば戸棚の肩より高い位置に腕を伸ばすと痛みがはしります。

 

肩関節は 、靭帯、筋肉、関節包等で形成されています。関節は半球が皿の上にのったような形で多方向に動かせますが、不安定で脱臼しやすい設計です。この関節を安定させる為に四つの筋肉からなる回旋腱板があります。その一つである棘上筋(きょくじょうきん)は肩甲骨と肩峰の間を通り上腕骨につながって肩関節の安定や腕の上下運動の役割をします 。また、肩峰と棘上筋の圧迫、摩擦を軽減するためにクッションの役目をする滑液包もあります。

 

フィジオセラピーでの診察と治療

Bさんの場合、仕事も忙しくデスクワークの日々で、猫背の姿勢を気にする余裕がありません。この姿勢では肩甲骨の位置が前方上部にずれてしまい、肩関節周辺の正常な筋力バランスが失われます。また、この状態でテニスのラリーなどの反復運動を行っていました。テニスコートではウオームアップも半ば、きついサーブを打ったりしていたので回旋腱板に過度の負荷がかかっていました。結果的に、この筋力のバランスが崩れた事や年齢とともに筋肉、腱の変性が起こり弱化していたこともあり、肩峰がその真下を通っている棘上筋と滑液包を圧迫して炎症をおこしていました。

 

フィジオセラピーの治療は、バランスが崩れた筋肉をトリガーポイント、筋肉リリースマッサージ、必要に応じて針治療などでほぐします。関節包が炎症後の癒着によって硬くなっているのをほぐして肩関節の可動域を回復させます。弱化した回旋腱板の外転筋、正しい姿勢を保つために必要な僧帽筋などを筋トレで強くするエクササイズも処方します。姿勢を改善して維持するように意識を持つことで肩、首、背中の痛みを未然に防ぐことにもつながります。

また、こういった症状は、発症時に診察を受けて慢性化を防ぎ早期回復につなげることができます。

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