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医療/保険

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オーストラリアの医療保険制度

オーストラリアの医療保険には、日本の国民健康保険に当たるメディケア(Medicare)と、民間の医療保険(Private Health Insurance)がある。政府は公立病院の財源負担など、公的医療費負担を抑えるために、民間医療保険への加入を促進するため、様々な奨励策を講じている。

 

民間医療保険は私立または公立病院で自己負担患者として受ける治療にかかる費用の一部、または全額に適用される。また、ほとんどの歯科および眼科治療、救急車移送といったメディケア対象外のサービスにも適用される。民間医療保険の契約内容比較サイトが参考になる。

 

www.privatehealth.gov.au

メディケア

メディケア(Medicare)は全国民加入の医療保険で、課税所得の2%が保険料として徴収される。加入できるのは市民権や永住権保持者なので、一時滞在者は民間医療保険に加入が必要。

 

●医療費の全額をカバー

メディケアでは公立病院での無料治療を提供し、診察・検査・治療費は、政府規定料金(Schedule Fee)の全額がカバーされる。

実際には政府規定料金と医師会の規定料金、医者の請求料金にはそれぞれ差があり、多くの場合規定料金を上回る費用が請求され

る。その場合の差額(Gap)は自己負担となる。

 

●公立病院の入院費をカバー

公立病院の場合、入院・治療費の全額がカバーされるが、病室は相部屋で専門医を選択できない。公・私立病院で個室や医師を選んだ場合、治療費と検査費の一部がカバーされるが、入院費や薬代は適用外。歯科や眼科なども、例外を除きカバーされない。

 

●私立病院での医療費を補助

私立病院の場合、医師や専門医による治療に対して一部給付され、また、眼科や歯科の一部のサービスにも適用される。年間の医療費がメディケア・セイフティーネット(Medicare Safety Net)の基準を超えた場合、超過額に対してさらに割引がある。

 

●医薬費給付制度

政府はPharmaceutical Benefi ts Scheme(PBS)を通じて、一部医薬品に対して補助をしている。年間に大量の医薬品を購入して、PBSセイフティーネットの基準額を超過すると、PBS対象医薬品の料金が割引もしくは無料になる。

 

民間保医療保険

メディケア適用外の治療費・入院費の差額分、歯の治療、眼鏡、補聴器具、カイロプラクティックや物理療法、救急車などをカバーし、出張看護や海外の医療費にも保険が適用される。民間医療保険の加入者は、連邦政府から30%の保険料の払い戻しを受けられる制度もある。

保険料は対象項目や範囲により異なるので、各社の内容を検討し、必要にあった保険に加入すること。

住宅保険

家の保険には家屋保険(Home Buildings Insurance)と家財保険(Home Contents Insurance)がある。戸建ての場合は両方合わせた住宅総合保険に加入する。ユニットの場合は、建物には管理組合が家屋保険をかけている。賃貸の場合も通常は家財保険のみに加入する。たとえば水漏れした場合、廊下のカーペットは管理組合の保険で補償されるが、室内は家財保険による補償になる。

家具付きのユニットの場合、家主が保険に加入しているか確認が必要。保険会社では同じ会社のほかの保険に加入している場合、割引を適用する場合もある。

 

●保険が適用される損害

家屋保険、家財保険ともに、盗難、火事、落雷、地震、爆発による損害、津波や洪水以外の被害、倒木を除く衝突による損害などが対象。保険証書(Policy)には、適用範囲限定(Defined/Listed EventsPolicy)と、特記事項以外すべて適用(Accidental Damage、Excluded Events Policy)があり、補償も、市場価値か、同等品との等価値補償に分かれる。

 

●免責額

保険を請求しても免責額(Excess)以下の被害、損害には保険金が支払われないほか、上回る場合でも免責額は被保険者が負担し

なければならない。一方、保険金を請求することによって、翌年からの保険料の割引が受けられなくなるということもある。

 

自動車保険

車の購入・登録時に加入させられるのが、強制対人賠償責任保険(CTP)。登録・更新の際には車両点検証明とともに強制保険の付

保証明を提出するか、登録時に保険料を支払うことになる。

総合自動車保険は、事故や盗難、洪水やヘイル(雹)などの自然災害、いたずらによる損傷や、自損事故でも修理費が支払われるな

ど、ほとんどの損害をカバーする。一番保険料が高いが、最も一般的な保険。

保険をかけるほどの価値がなければ対物賠償責任保険や、火災・盗難・対物賠償責任保険だけでもよい。

年金制度

公的年金の老齢年金(Age Pension)と、企業や個人が積み立てる私的年金の退職年金(Superannuation)がある。共に65歳から受給するのが一般的で、受給年齢まで働く人が多い。

老齢年金は男性の週平均所得の25%を基準に、受給資格は、市民権か永住権保持者で、所得審査(Income Test)や資産審査(Assets Test)がある。

●スーパーアニュエーション

スーパーは税制上の優遇を受けた積み立て方式の退職年金のことで、企業、保険会社が各種年金基金(Superannuation Fund)を設けて運用している。

基本は企業が拠出する給与の9.5%の掛金で、義務的拠出(Compulsory Contribution)と呼ばれ、18〜70歳のフルタイム、パートタイム、カジュアルを含む月額$450以上の給与所得者が対象(18歳以下の場合は週30時間以上の就労が条件)。

この最低負担率を満たさない場合は、年金税(Superannuation Guarantee Charge)が課せられ、税務上も損金として計上することができない。

しかし、老後の生活に必要な資金には、少なくても給与の15%が必要とされ、個人的に積み増しているのが実情だ。この個人的年金拠出(VoluntaryContribution)は、さらに積立額を得たい人、拠出期間が短い人がするもので、70〜75歳の人も拠出ができる。


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