at_money_service
マネー

シドニー発豪ドル見通し(14 May 2018)

<主なイベント・日程>

5/14(月) セントルイスFED・クリーブランドFED総裁講演
15(火)中国4月小売売上高・鉱工業生産、独Q1GDP、米4月小売売上高、ダラスFED総裁/SF・FED総裁講演
16(水)日本Q1GDP速報値、米4月鉱工業生産・住宅着工件数、アトランタFED・セントルイスFED連銀総裁講演
17(木)豪州4月雇用統計、米4月景気先行指数、米新規失業保険申請件数、ダラスFED・ミネアポリスFED総裁講演
18(金)日本4月CPI、FRB当局講演(ブレイナード理事、ダラスFED、クリーブランドFED)

 

 

<マーケットの焦点>

先週も中国大連での中国習主席・金北朝鮮委員長会談、米国のイラン核合意からの脱退、柳瀬元首相秘書官国会参考人招致、米朝会談6/12シンガポールで決定などのニュースがありましが、株価は前週に比べて総じて堅調でした。
ドルは前週の110.00が再び天井となり、ユーロは1.19台後半、ポンドが1.35台後半などやや反発しました。
発表された指標関連では米4月の消費者物価指数が前月比+0.2%(前年比+2.5%)、コアCPIが+0.1%(前年比+2.1%)と予想をやや下回り米債利回りは低下傾向。 また英中銀理事会では足元のインフレはやや低下する一方、インフレは上昇傾向で来年に向けて利上げの可能性を指摘しています。
今週も国際関係では6/12の米朝会談に向けた動きが注目されます。また本日は北朝鮮要人が再度中国を訪問しているニュースや、週末にはフランスでISがらみのテロの話、またイスラエルの米国大使館のテルアビブ移転を控えて、パレスチナ・イスラエル間の緊張が高まっています。更に高い支持率を得ていた仏マクロン大統領ですが、労働者軽視・富裕者層偏重で支持率が最近低下しているなど、種々の問題点も浮き彫りになりつつあります。
今週主要国指標では火曜日に中国4月小売売上高・鉱工業生産、独Q1GDP、米4月小売売り上げ高、水曜日の日本Q1GDP、金曜日の日本の4月CPIなどが発表されます。また米FRB当局者の発表が相次ぎます。
先週トランプ大統領は中国通信大手ZTEへの制裁解除のための話し合いを習主席と行っているとツイードしました。一方輸入車に20%の関税をかけることを検討ともツイードしており、米国の通商問題は依然要注意です。
先週は前週まで続伸していたドル相場がやや調整反落しました。 米10年債利回りは再び3%を割っておりますが、米債利回り動向と併せて米ドルが再び上昇するか?あるいは110円台が再び天井となって米ドルが軟調に転じるのか注目されます。
 

<豪ドルマーケット>

今週の豪ドルは、売り買い交錯でしょう

 

先週のレンジ:  AUDUSD 0.7412-0.7567  AUDYEN 81.14-82.67

今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7450-0.7650  AUDYEN 81.00-84.00
 

先週の豪ドルは発表された3月の小売売上高が弱かった(前月比0.0%、予想+0.2%)、前年比+0.2%、予想+0.6%)こともあり、安値74セント台前半、81円台前半まで下落しましたが、後半はドルの反落を受けて75セント台後半、82円だ後半まで反発しました。
北朝鮮リスクやトランプ保護主義の悪影響はやや後退していますが、むしろ米ドルの上昇が豪ドルの上値を重くする状況です。
発表された来年度の予算案では成長、インフレ予想共にやや上方修正され、財政黒字転換も従来の2020/21年から2019/20年に前倒しされましたが豪ドルを大き押し上げることはできませんでした。
今週国内指標では17日の4月雇用統計が注目されます。 前回は就業者数が予想+20千人に対して+4.9千人、また full-time-jobも-19.9千人と冴えない結果に終わりました。
今回再び軟調な数字であれば、先週発表された3月の弱い小売売上高と併せて、再び賃金上昇期待が後退する可能性があり要注意です。
豪ドルは74セント、80円を大きく割り込んでいくほどベアリッシュな地合でもありませんが、一方やや後退した感があるトランプ保護主義や、北朝鮮リスクもリスクフリーとは言えず、暫くはup & downが続くことになりそうです。

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …