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今週の豪ドル見通し 30 July 2018

30 July 2018

<今週の主なイベント>

7/30(月)6月米中古住宅販売
31(火)日本6月雇用統計、日銀会合、日銀展望リポート、中国7月製造業PMI、米6月個人所得収支
8/1(水)米7月ADP雇用者数、米7月ISM製造業景況指数、FOMC
2(木)BOE理事会、英中銀四半期インフレ報告、米6月製造業新規受注 3(金)日銀議事録、米6月貿易収支、米7月雇用統計、米7月ISM非製造業景況指数

 

<マーケットの焦点>

今週もドル高要因、ドル安要因ミックス。
先週は前週ドルが下落した後で、更なる続落が意識されたが、意外と大きな下げには至らず、ドル円は節目の110円台を割り込むことに失敗した。
前週はトランプ大統領のドル高牽制、米金利上昇に対する批判が炸裂し、加えて日銀出口戦略の思惑も円買い圧力となった。
しかし先週月曜日にムニューシン米財務長官が「長期的な米国のドル高政策を確認」と発言し、またトランプ大統領とユンケルEU委員長の会談でEUが譲歩して貿易障壁を取り除くことで双方が合意したことも、米国とEUの関係改善を印象付けた。
ECB理事会では再度「利上げは少なくとも2019年の夏場以降」というコンセンサスが表明され、ドラギ総裁が慎重姿勢を堅持したことからユーロが反落したこと、更には金曜日に発表された米国Q2GDPが+4.1%(前期比年率)と事前予想の範囲内の高水準であったこともドルをサポートした。
今週はイベント的に30-31日の日銀政策会合と30-8/1のFOMC、並びに3日の米国7月雇用統計が注目されるが、引き続きトランプ政権の“ドル高、金利高けん制”の行方も気になるところだ。
FOMCでは引き続き段階的な利上げ継続姿勢が確認されるであろうが堅調な数字が予想される7月雇用統計が加わればファンダメンタルズ的には、他の主要国との景気格差・金利格差が引き続きドル買い材料とされるだろう。
一方、先週末の黒田総裁の発言「7月の日銀会合の結果に予断を持つべきではない(意訳)」が示唆するように日銀が“長期金利の誘導水準について0%近辺にこだわらない”との姿勢を示したり、もう一歩踏み込んで出口戦略に言及することになれば、一気に円買い圧力が高まることになろう。
更に8月にも開始が予定される日米貿易協議に向けて先週もライトハウザー米通商代表部代表が「米国は日本に対して慢性的な赤字がある、農産物の市場開放を求める」など対日圧力を強めている点は要注意だ。
日銀の金融政策と米国の対日通商戦略から目が離せない。
依然として底流として景気格差・金利格差からのドル高がある一方、円高要因が突如降って湧く可能性もあり、夏季休暇シーズンで市場活性度が下がる中、市場のボラティリティーが高まる可能性があるだろう。

<豪ドル相場>

 

足元の豪ドル相場―依然揉み合い相場だが、円高に振れる可能性には要注意.

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.73590.7463 AUDYEN 81.81-82.90 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7300-0.7500 AUDYEN 81.00-84.00

 

先週豪ドルは週初は前週からの流れでドルが軟調裡にスタートしたことから上値74セント台後半、82円台後半をテストしたが、水曜日に発表されたQ2CPIが予想をやや下回る結果となり上値は塞がれた。
ECB理事会における利上げに慎重な姿勢を反映してユーロが1.16台へ反落したことも豪ドルの上値を重くした。
またドル円が伸び悩んだことから豪ドル円は一時82円割れまで軟化した。
今週もトランプ政権の通商政策を巡る不透明感やインフレ指数発表後のRBAの利上げ観測後退、更にはドル高地合から豪ドルの上値は限定的となることが予想される。
日銀会合などの結果円買い圧力が高まれば豪ドル円はメジャーサポート82円台を再び割る展開が予想される。
また米国が対イラン政策で更に強固姿勢を取る場合、イランがホルムズ海峡閉鎖の暴挙に出る可能性もあり、その場合には原油価格がジャンプアップすることになる点は要注意事項であろう。(商品相場は上昇するがリスク回避の動きが活発化)

 

 

 

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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