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今週の相場見通し(17 September 2018)

<主なイベント>

9/17(月)日本祝日(敬老の日)、ユーロ圏8月CPI
18(火)7月対米証券投資、夏季ダボス会議、第73回国連総裁開幕
19(水)日本8月貿易収支、日銀政策会合、ドラギ総裁講演、英8月CPI、米8月住宅着工件数
20(木)米8月景気先行指数、米8月中古住宅販売、南ア金融政策会合、自民党総裁選
21(金)日本8月CPI、独・ユーロ圏9月製造業PMI

<マーケットの焦点>

先週は9/11が米同時テロ9.11から17周年、9/15がリーマン・ブラザーズ破綻から10周年ということで、時の流れの速さを感じるとともに、この2大デザスターがその後の世界の安全保障や経済・金融に与えた影響の大きさを今更ながら感じる思いである。
このようなメモリアルな週を通して主要国の株価は中国やカナダ以外は前週比総じて上昇。
思い起こせば2008年8月のリーマンショック前のNYダウの高値が12,000ドル台であり、リーマンショック後6,500ドル台まで落ちて、先週の引けはリーマン前高値の2倍以上の26,000台であることに隔世の感を覚える。
また先週火曜日には中ロ会談があり習主席とプーチン大統領は米国を仮想敵国にするかのような蜜月ぶりを披露。 木曜日にはトルコ中銀理事会があったが、エルドアン大統領の利下げ圧力にもかかわらず、トルコ中銀は予想を上回る6.25%の利上げ(17.75%→24.0%)を発表し、トルコ・リラの急反発を招いた。
先週は米中協議再開の話や、トルコの利上げを機に新興国不安もやや後退し、リスク選好の流れとなったドル円は112円台前半まで上昇。ユーロも一時1.17台前半に反発し、ユーロ円は安値127円台から一時131円台へと急反発した。
ただエルドアン大統領は引き続き利上げを批判し、一時6.00まで急落したドル・トルコリラは週末には6.17台まで再び上昇(リア安)している。
また金曜日にはトランプ大統領が2,000億ドル分の中国からの輸入品への追加関税実施を指示したとの情報も流れ(15日にはWSJが2,000億ドルの第三弾制裁関税発動を表明する方針と報道。ただし税率は当初予定の25%から10%に引き下げ)一時ドル円は112円台を割り込むなど不安定な動きとなった。
今週も引き続き米中摩擦の進展(中国の報復措置)や新興国情勢が注目されるが、9/25-26のFOMCを来週に控えて、米金融政策の行方も改めて大きな材料となる。
というのは来週のFOMCでの利上げは確実視されるものの、先週発表された米国の主要指標は軒並み予想を下回ったからだ。(米8月PPI前月比-0.1%(予想+0.2%)、8月CPI前月比+0.2%(予想+0.3%)、米8月小売売上高、前月比+0.1%(予想+0.4%)など。 市場にはたとえ12月に利上げがあったとしても、来年の利上げに関しては消極的な見方も増えつつある。
今後の指標いかんでは米国の利上げ終了が予想より早まる可能性もあるだけに、米国の景気動向は今後も注視したい。
むしろ筆者が指摘するように来年に向けてトランプ大統領の関税政策により輸入物価が上昇し、方や移民制限による労働人口減少から賃金インフレの可能性もあり、一方金融引き締めによる景気減速が重なればスタグフレーションの可能性も否定できないだろう。
最近再び支持率低下が指摘されるトランプ政権が人気挽回のために常道を逸した強固策に出る可能性も否定できず、新たなリスク材料が出てくることも想定したい。
ドルは引き続き売り買い両材料の出方次第で上下に振れる展開が予想される。
 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―押し目買いと利食い売りで揉み合い

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7085-0.7229 AUDYEN 78.76-80.81 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7050-0.7250 AUDYEN 79.00-82.00

 

先週豪ドルは前週売られたユーロやポンドなど欧州通貨が一時反発したことや、リスク選好の動きを受けて一時72セント台前半、80円台後半まで反発した。
発表された8月豪州雇用統計で就業者数が前月マイナスの反動もあって+44千人に大幅増加したことも豪ドル買戻しを誘った。 ただ金曜日には再び米国の対中関税第三弾実施の懸念もあり71セント台半ば、80円台前半に反落して越週した。
依然として米中摩擦や新興国懸念、更には豪ドル金利の先高観後退など悪材料が多く豪ドルの下げトレンドが終了とは言えない。
ただ豪ドル売りポジションが簡単に積み上がる状況であり、先週の強い雇用統計やトルコリラの反発など、好材料が出てくるとショートカバーで豪ドルも一時的に反発するという展開が足元続きそうだ。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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