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今週の相場見通し(19 November 2018)

 

<主なイベント>

11/19(月)日本10月貿易収支、黒田総裁講演、NY連銀総裁講演
20(火)米10月住宅着工件数
21(水)米10月耐久財受注、米10月景気先行指数、米10月住宅販売件数、OECD経済見通し
22(木)日本10月CPI、南ア政策金利、米休場(感謝祭)
23(金)日本休場(勤労感謝の日)、独11月製造業PMI、ユーロ圏11月製造業PMI、ブラックフライデーで米株式・債券市場短縮取引

<マーケットの焦点>

先週主要国の株価は軟調推移しリスク回避の動きが活発化した。
Brexit交渉を巡る思惑やイタリア財政問題などが重石となった。
ポンドは1.30台から一時1.27台に下落する一方、ユーロは1.12台から1.14台に上昇するなど両欧州通貨はちぐはぐの動き。
ドル円は一時112円台半ばに軟化するなど総じて“リスク回避”の動きが活発化した。
英国の臨時閣僚会議で英国とEUの事務レベルで合意した協定案は了承されたものの、ラーブ離脱担当相はじめ数人の閣僚が辞任するなど依然混乱は続き、今後議会承認を得るか予断を許さない。
英国議会承認を経てEU臨時首脳会議で正式承認となるが、与党内でも首相不信任案提出の動きがみられ、依然として先行き不透明。
メイ首相は「いかなる場合も2回目の国民投票はない」と改めて強調しているが、依然として“合意なき離脱”への警戒感は強い。
またイタリア財政問題ではコンテ首相は「イタリアの成長・赤字目標は変更せず」と再度述べているが、これをEU側は認めずイタリア制裁案も出ている。
一方週末パプアニューギニアで行われたAPEC会議では米中の貿易問題での溝が埋まらず首脳宣言を諦めるという異例の事態となった。
これに先立ち中国は142項目の改善案を米国に提出し、トランプ大統領も“完成度が高い”と評価していたが、月末の米中首脳会談を控えて、両国の駆け引きが続きそうだ。
今週も引き続き欧州情勢(Brexit、イタリア財政問題)や米中摩擦が焦点となりそうだ。
また先週のパウエル議長は講演で米経済は「非常に強い」との見解を表明したが、一方世界経済や米国住宅産業への懸念も示した。
またクラリダFRB副議長は「米金利はFRBが中立とみなす金利に近づきつつある」と述べるなど、一部には米利上げペーズ減速の思惑も出ている点は要注意。
今週も為替市場、株式市場共に係るリスク回避材料や米国金融政策を巡る思惑で不安定な動きとなる可能性がある。 日米の休場(勤労感謝の日と感謝祭)もあり、活性度が落ちる中での相場の乱高下には注意したい。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―堅調だが反落には要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7164-0.7338 AUDYEN 81.39-82.90 今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7200-0.7400 AUDYEN 80.50-83.50

 

先週の豪ドルは8月以来の高値圏73セント台、83円近辺に上昇した。
米中摩擦に対する楽観的な見方が豪ドルを支援したが、一方国内経済では発表された10月雇用統計が失業率5.0%、就業者数+32.8千人と非常に強かったことも豪ドルをサポートした。
ただ欧州発の不安材料は依然として払しょくできず、加えて米中摩擦もAPECでの米中の非難の応酬を見るにつけ解決とは程遠い。 米国は中国の米企業に対する技術移転強要や知的財産権盗用に対する攻撃に手を緩めていない。
一方中国は米国の保護主義や一国主義は世界経済の不確実性を高めると応酬している。
11月のボトム圏70セント台、78円台から反発した豪ドルであるが、再び73セント台、83円台が天井圏となる可能性があるだろう。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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