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今週の相場見通し(11 February 2019)

<主なイベント>

2/11(月)日本休場(建国の日)、英Q4GDP速報値、ユーロ圏財務相会合
12(火)日産自動車決算、米12月求人件数、EU財務相理事会
13(水)NZ準備銀行理事会、英1月CPI、米1月CPI
14(木)日本Q4GDP(速報値)、中国1月貿易収支、米12月小売売上高、英議会修正離脱案採決
15(金)中国1月CPI・PPI、12月対米証券投資、米“つなぎ予算”期限

 

<マーケットの焦点>

先週は中国が春節で休場となる中、主要国の株価はやや軟調。 為替はポンドやユーロなど欧州通貨が軟調となる一方、ドル円は109円台後半中心の揉み合いに終始した。
トランプ大統領の一般教書演説で同大統領は共和・民主を超えて一つの国家を強調し、またメキシコ国境の壁の建設の必要性と公平な貿易慣習を強調したが、新味なく反応も今一つであった。
またユンケル欧州員会委員長は英国のメイ首相と会談したが「離脱合意の再交渉はしない」と伝えた。 EUは今年のEU並びに独・伊の成長見通しを下方修正し欧州景気減速懸念が一段と強まった。
またトランプ大統領は「3/2の関税引き上げ前に習主席との会談することはない」とも述べている。 今週はイベント的には14日(木)に英議会が離脱修正案(バックストップ条項の修正がメイン)の再々採決を行うが、英国内・EU共に有効な妥協案に至る可能性は低く、「合意なき離脱」の可能性は依然高いと考える。
また15(金)には米国の暫定的“つなぎ予算”の期限となるが、こちらも壁を巡る共和・民主の意見の隔たり大きく、政府機関再閉鎖の可能性があるだろう。
むしろトランプ大統領が予算獲得のため壁予算を国防費などから捻出する“非常事態宣言”に打って出る可能性は否定できない。
また1月末のFOMCでは“利上げの中止”が示されたが、一方発表された1月の米雇用統計は、“政府機関の閉鎖”にもかかわらず強い数字であり、FOMCでの決定とチグハグな結果となった。
FOMCでは今後の指標の重要性を強調しており、今週発表される米国の1月CPIと12月小売売上高(クリスマス商戦の結果)が注目される。
勿論、休場明けの中国の指標(1月貿易収支やCPI)の結果も重要だが、3/2の対中関税引き上げを控えて、月末に米中会談はないのか?を含めて米中通商協議の行方からは目が離せない。
足元の欧州通貨安はドル高要因であるが、一方FRBの利上げ中止や政府機関閉鎖などの問題を抱えてドル買い要因も乏しい状況だ。
つまり“買い通貨”不在という状況であり、現在ドル円は110円台に強含んでいるが、一旦リスク材料が浮上すれば円が“買い通貨”に一転する可能性は常にあるだろう。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―一旦下げ止まりか、続落か?

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7060-0.7264 AUDYEN 77.44-79.84

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7000-0.7200 AUDYEN 76.00-79.00

 

先週の豪ドルは急落後に下げ止まった。 RBA理事会の結果は事前予想ほどハト派的ではなく、理事会後豪ドルは72セント台半ば、80円手前まで反発した。
しかし翌日のRBAロウ総裁の今年最初の講演で同総裁は従来のスタンス「次のアクションは利下げよりは利上げ」から「現在の政策金利見通しは一段と均衡している」にスタンスを変化させ、初めて“利下げ”の可能性に言及したことから豪ドルは大幅に下落した。
また金曜日に発表されたRBAの“四半期金融政策報告書”では今年と来年の成長並びにインフレ見通しを下方修正したことも豪ドルベアムードを拡大させた。
もちろん“欧州通貨安”も豪ドル軟調の背景となった。 このように再び豪ドル売り材料が目立っているが、一方「月末までに米中通商協議が一定の成果を見て対中関税引き上げは回避される」との見通しは依然強く、豪ドルを下値でサポートしている。
今週は欧州通貨一段安の場合には豪ドルは70セント割れ、77円割れという新安値をテストする可能性があるが、先週かなり売り込まれただけに、買戻しの動きも加わり、一進一退の売り買い交錯相場となる可能性があるだろう。
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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