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今週の相場見通し(侍FXディーラー)6 May 2016

<主なイベント>

5/6(月)日本振り替え休日、中国4月財新サービス業PMI
7(火)RBA理事会、欧州委員会経済見通し、米3月求人件数
8(水)RBNZ(NZ中銀)理事会、日銀議事録、米中貿易協議(ワシントン)、南ア総選挙
9(木)中国4月CPI/PPI、米3月貿易収支・4月PPI、EU非公式首脳会議
10(金)日銀主な意見、英Q1GDP(速報値)、米4月財政収支、米4月CPI

<マーケットの焦点>
先週は日本の元号が変わり、ゴールデンウイークとなったが、日本以外の市場では注目すべきイベントが重なった。
北京では米中閣僚級貿易協議が開催され両者合意に接近中との報道がなされたが、今週水曜日にはワシントンに場所を移して最後の詰めが行われる。
発表された中国の4月製造業PMIは政府発表が50.1(予想50.5、前回50.5)、財新PMIが50.2(予想50.9、前回50.8)と節目の50は維持したものの予想をやや下回る結果であった。
FOMCの声明では「インフレは2%を下回って推移」と述べられ、従来の「2%近く」からやや下方修正され、超過準備の付利(IOER)を2.4%から2.35%に引き下げたことから、直後「金融緩和に転換か?!」との思惑が高まったが、パウエル議長は「インフレ低下は一時的要因、政策シフトではない」とわざわざ市場の思惑に対して釘を刺した。
金曜日に発表された4月の米雇用統計は失業率は3.6%と49年ぶりの低い数字となり、NFPRは+26.3万人と予想を上回った。平均時給こそ前月比+0.2%(予想+0.3%)、前年比+3.2%(予想+3.3%)と予想をやや下回ったが、全体的には非常に強い数字であった。
ただドルは発表直後の上昇から一転して111円台前半、ユーロ1.12台、ポンド1.31台とむしろ反落したのは、平均時給の伸び鈍化が原因というよりは、FOMC以降のドル買いポジションの調整の色彩が強いだろう。
またドル円に関しては日本の長期休場中の本邦輸出業者のドル売りオーダーが存在する一方、輸入決済のためのドル買い需要が不在という需給のギャップがあったのかもしれない。
今週は日本のゴールデンウイークも終了し、火曜日から本邦勢が再び市場に参入してくる。
果たして休みの間の輸入決済(ドル買い需要)が火曜日から出るか?
今週は火曜日からワシントンにおいて米中貿易協議が再開されるが、両国ともに合意が近いとの見方がある一方、知財法や技術移転に加えて、合意の場合の米国の関税撤廃の方法や、今後の合意内容遵守の監視方法などで依然として両国に隔たりがあるとの見方もある。
“大同小異”ということで基本合意には至るのであれば、“トランプ大統領と習主席双方の政治的パーフォーマンスに終わる”という穿った見方もできるだろう。
そして両国の覇権争いは今後とも続いていく。
今週は米国サイドで発表される3月貿易収支(米中協議の関係)と4月CPI(今回のFOMCの焦点)が注目される。
予想では貿易赤字は-512億ドルと再び500億ドルを超え、またCPIは前年比+2.1%(前回+1.9%)と前回をやや上回る数字となっている。
またBrexitに関して先週休会明けの英議会においてメイ首相と労働党との話し合いがなされ楽観的な見方もあったが、実施された地方選挙では保守・労働党共に議席数を減らしており、引き続きメイ首相不信任の動きも含めて現政権への逆風は強く政治的混乱は収まりそうにない。
米中貿易協議や米国の金融政策やBrexitなど相変わらず材料に大きな変化はないが、どれについても「そろそろ新たな動き」が出てくる可能性があるだろう。
米ドルインデックスは97台後半と年初来高値を付けたが、過去においても97台後半が天井圏となって反落している点は留意すべきであろう。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―やや底入れ感出つつあるが、依然上値は限定的

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6984-0.7069 AUDYEN 77.82-78.94

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6950-0.7150 AUDYEN 77.00-79.00

 

先週の豪ドルは前週発表されたQ1の弱いCPI(前期比伸び率ゼロ、前年比+1.3%)の影響残るところに、欧州通貨の下落が加わり、(年初1/2のフラッシュ・クラッシュを除外して)年初来の安値圏に下落した。
原油価格が61ドル台に大幅反落するなど、商品相場(CRB OMDEX)が190を割ったことも悪材料視された。また5/18の総選挙で依然として保守党(自由連合)が劣勢であることも嫌気されている。更に米豪金利差(10年債利回り格差)が70bpを初めて上回ってきたこともネガティブな材料である。
弱いQ1CPIの結果を受けて今週のRBA理事会での利下げ観測も高まったが、小職としては依然金融政策は据え置き(33カ月間据え置き)と見るが、その声明文がハト派色を打ち出すか注目している。
先週後半は米ドル反落/欧州通貨反発でやや底入れ感が出ていたが、係る悪材料多い中、上値も限定的であろう。
ただ米中貿易協議である程度評価できる合意を見れば、商品相場の反発を通じて豪ドルも底入れする可能性が出てくる。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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