at_money_service
マネー

侍FXディーラー相場見通し(20 May 2019)

<主なイベント>

5/20(月)日本Q1GDP、パウエルFRB議長講演
21(火)カーニーBOE総裁講演、OECD世界経済見通し、米4月中古住宅販売
22(水)日本4月貿易収支、英国4月CPI、FOMC議事録、ドラギECB総裁講演、OECD閣僚理事会
23(木)独5月ifo景況感指数、欧州議会選挙(~28日)、インド総選挙
24(金)日本4月CPI、米債券市場短縮取引

<マーケットの焦点>
先週主要国株価は保合からやや軟調推移し、ドルインデックスは97台後半とドルは堅調推移しドル円は再び110円台に上昇した。
米中通商交渉は今後も継続される見通しだが依然として簡単には合意に至らない模様。
米国の強固姿勢に中国は“再交渉の意欲を失っている”との報道もあった。
またトランプ政権は中国電子大手ファーウエイと関連68社への輸出制限措置発動。
EU及び日本車の自動車関税発動を6か月延期すると一方、トランプ大統領は「EUによる米国への脅威は中国より悪い」と発言するなど、依然として米国と諸外国との貿易摩擦は収まる気配がない。
またBrexit関連ではメイ首相と労働党との協議が17日に決裂。メイ首相は6月上旬に辞任時期を示すことで議会と合意しており、メイ首相は離脱合意を見ないうちに早期退陣の可能性が高まっている。
またイタリア政局では連立を組む”同盟“と”五つ星“が財政政策を巡って真っ向から対立し、連立解消の可能性が浮上してイタリア政局の不確実性が再び増加している。
今週も米国と対中国、欧州、日本との貿易交渉が焦点となるが、その他にもイラン情勢の緊迫やイスラエルとアラブ諸国の対立、更にはインド総選挙も行われるため、アジア・中東地域での地政学的懸念も留意する必要がある。
また5/23から注目の欧州議会選挙が実施されるが、その中で英国政党の支持率はミニ国民投票と称されるだけに注目される。
現在世論調査では1ヵ月前に発足したBrexit党の支持率が1位、2位が労働党、3位自由民主党、メイ首相の保守党が4位と大きく支持率を失っている。
メイ首相の後任では離脱強固派のジョンソン元外相の人気が上昇しており、Brexitに関しても一波乱ありそうだ。
また水曜日にはFOMC議事録が発表される。声明では「インフレ低下は一時的」と述べられ、ややタカ派イメージがあったが、通常声明と議事録の内容は必ずしもトーンが一致せず、注意する必要があるだろう。
来月の大阪サミットに向けてトランプ大統領は国民の関心を外交・貿易交渉に振り向けるべく躍起になっっているが、来月にはロシア疑惑を巡って息子のトランプ・ジュニアが議会に召喚・証言する見込みであり、トランプ大統領に対するロシア疑惑及び司法妨害の疑いも依然払しょくされていない。
足元株価に大きな崩れなくリスク選好ムードも回復しつつあるが、あまり根拠のない楽観ムードに冷水を浴びせられる事態にも備えておきたい。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―選挙結果を受けて売り圧力後退したが、反落には要注意

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6864-0.6992 AUDYEN 75.33-76.74

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800-0.7000 AUDYEN 75.00-78.00

 

先週の豪ドルは米中貿易摩擦の合意を見なかったことや、前週のRBAの四半期金融政策報告書において「今後雇用を注視」を指摘されていた矢先に4月の失業率が前月の5.0%から5.2%に悪化したことから売り圧力強まり、(フラッシュ・クラッシュを抜かして)年初来の安値68セント台半ば、75円台前半に下落した。
しかし週末の豪州総選挙で大方の予想に反して保守連合が勝利したことから今朝のシドニー市場では69セント台前半、76円台前半に「窓」を開けて上伸している。
まだ開票結果が確定したわけではないが、保守連合は下院の過半数76議席を確保する勢い(解散前は74議席であった)。
先週は年初来のレベルまで下げた豪ドルは予想外の与党勝利でショートカバーの買い戻しが活発化しているが、本来二大政党制がワークしている豪州においては保守党・労働党どちらが政権を取っても政策に大差はない。
むしろ先週までの豪ドルを取り巻く悪材料が急転直下解決したわけでもなく、ショートカバー一巡後は再び上値の重い展開に逆戻りする可能性が高い。

 

―お客様各位―

小職の為替メルマガ「侍FXディーラーが相場を切る」(創刊以来10年)を人気メルマガサイトであるFOOMII社」からお届けしています。ご興味のある方はメルマガサイトhttps://foomii.com/00130 をご覧ください。宜しくお願いいたします。
TWITTER始めました!!
joetsudaFX @joetsudaFX
 です。どうぞフォローしてください!!

 

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら

マネー

29 January 2024 ◎<ポイント> 今週はFOMCに米雇用統計 ・先週は米株(NYダウ、S & P 500)が史上高値を更新!! …