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ジョーの相場見通し(17 February 2020)

17 February 2020

<主なイベント>

2/17(月)日本Q4GDP、タイQ4GDP、シンガポールQ4GDP、米プレジデンツデー祝日で株・債券市場休場
18(火)2月独・ユーロ圏ZEW景況感指数、12月対米証券投資
19(水)日本1月貿易収支、トルコ中銀理事会、英1月CPI、米1月住宅着工件数・PPI、FOMC議事録
20(木)豪州1月雇用統計、インドネシア中銀理事会、独3月・ユーロ圏2月GFK消費者信頼感、EU臨時首脳会議(英離脱後の中期予算について)
21(金)日本1月CPI、独・ユーロ圏2月製造業PMI、ユーロ圏1月CPI、米1月中古住宅販売件数

マーケットの焦点>

新型ウィルス被害は依然拡大し、先週末時点で中国全体の感染者数66,492人、死者1,523人に達し、日本での感染者数も400人を超えている。
ただ依然としてリスクオフの嵐は吹かず、米株価(ダウ、ナスダック、S&P500)は先週軒並み史上高値を更新し、カナダ、中南米諸国、独などでも史上高値を更新した。
中国の感染者が先週一気に増加したのは診断基準が変更されたためであり、感染拡大の速度自体はスローダウンしているとの見方もある。
ただウィルス感染拡大がそのものにもまして、今後の中国国内経済や政治動向にも懸念がある。今回も習政権がウィルスへの警鐘を鳴らした時期を実際より前に捏造している(責任回避のため?)との非難が出ており、ウィルス対応での習政権の対応に対する不満が非常に強い。3月に予定される全人代の開幕を危ぶむ声や、4月の習主席訪日取りやめの観測も出ている。
今回のウィルス禍が原因となって習政権が不安定化する、あるいは今後共産党一党独裁体制が揺らいで、最悪軍部が権力掌握などの政治的不安定化の可能性がないとも言い切れないところが恐ろしい。
もちろん、市場はそこまで深読みはしていないし、足元リスクオフが進行しないのはウィルス禍の終息を先取りした楽観論に基づくと言えるだろう。
何度か指摘しているようにウィルス感染が終息すれば、市場はリスクオン状態となり、株価堅調そして下振れリスクにさらされていた主要国経済もリバウンドし、一時的にせよ市場にユーフォリア(根拠のない過度の幸福感)が訪れるだろう。
ただそれはあくまでも世界的な感染拡大が阻止される場合であり、足元は新たな感染情報に一喜一憂することとなろう。
特に2番目に感染者が多い日本への諸外国の風当たりは強く、思わぬ日本バッシングに発展する可能性にも気を付けたい。
今朝発表された日本のQ4GDPは消費増税や大型台風の影響を受けて5四半期ぶりのマイナスしかも前期比年率で-6.3%の大幅マイナスとなった。これに加えて今回のウィルス被害を受けて、筆者がかねてから予想する“日本売り=円売り”の前兆となる可能性もあり注意深く見守っている。中期的にはリスク選好的な円売り、更には日本経済の先行き不安による円売りの相乗効果の可能性があるだろう。

 

<豪ドル相場>

足元の豪ドル相場―下値は押し目買いにサポートされる展開か

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6668-0.6750 AUDYEN 73.10-74.29

今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6800 AUDYEN 72.50-75.50

先週の豪ドルは前週高まったウィルス被害拡大への懸念で続落した後、効果的な治療法発見への期待や、RBA理事会で“ウィルス被害は一過性”との見方にサポートされ、更に森林火災がスケールダウンしたことから67セント台半ば、74円台前半まで反発した。
しかし、その後は中国の診断基準変更による被害者急増など、依然として感染拡大不安が強い中、67セント台前半、73円台後半に反落した。
発表された1月のNAB企業信頼感は-1(前回は-2)、企業景況感は3(前回は3)と相変わらず冴えない数字で、消費者信頼感と共に景況感が一向に上向いていないことが確認できた。
RBAの追加緩和期待は従来の5月から9月に後退しているが、豪ドル底入れを確認するにはウィルス被害拡大の終息を待つ必要があるだろう。

 

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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