19 July 2021

◎＜主なイベント＞

7/19（月）7月月例経済報告、米7月NAHB住宅価格指数
20（火）日本6月CPI、米6月住宅着工件数
21（水）日本6月貿易収支、日銀議事録、ビットコインイベント「The B Word」開催
22（木）ECB理事会、米6月景気先行指数、G20環境相会合
23（金）第32回五輪東京大会開会（～8/8）、独/ユーロ圏7月製造業PMI、米7月製造業PMI

◎＜マーケットの焦点＞

先週は全体的にドルの方向性が不鮮明となる中、円高圧力が徐々に高まる展開となった。ドル円は結局110円台を割り込み、ユーロ円は130円割れ、ポンド円151円台前半、豪ドル円81円台前半など、再び円高傾向になってきた。
デルタ変異種の世界的再拡大で、一時一日20万人台まで減っていた世界の感染者数は再び60万人台まで増加。また一時1.80%台まで上昇した米10年債利回りは1.30%割れまで低下している。
米株価は債券利回り低下を受けて高値圏を維持しているが、更にリスク回避色が強まれば調整の可能性がある。
6月米CPIが5.4%まで上昇し一時金利上昇・ドル高となったが、パウエル議長の議会証言では改めて「インフレリスクに性急に対応するのは間違い」と述べてFRBの慎重姿勢が再確認された。
一方BOE理事会ではハト派と見られたサンダーズ委員が早期の債券購入プログラム終了を示唆したことでポンドが一時買い戻される局面もあった。
またNZ準備銀行(RBNZ)理事会では7/23にテーパリング開始が発表された。これに引換、日銀会合では大規模金融緩和やイールドカーブコントロールを堅持しており出口戦略への道のりが遠いことを印象付けた。
今週は東京オリンピック開会となる。これ自体は特に相場への影響はないだろうが、万が一不測の事態（選手間のコロナ感染など）が発生すれば、市場関係者に深くインプットされた？？『リスク回避の円買い』が再燃する可能性があるだろう。
「円安が必要な理由」について本日アップデートされるセントラル短資FXさんのマーケットビューに寄稿したので後程ご覧いただきたい。

◎＜豪ドル相場＞

足元の豪ドル相場―一再び下値圧力増大

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7392-0.7495  AUDYEN  81.34-82.82
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.7300-0.7500  AUDYEN  80.00-84.00

先週の豪ドルは年初来の安値74セント割れ、対円では2月以来の安値81円台前半まで下落した。国内変異株の再拡大でシドニー地区はロックダウンが再延長され、景気への悪影響が懸念されている。
またバイデン政権が米中経済対話の停止（トランプ政権時代の措置）の延長を発表し米中関係改善に何ら進展がないことも、豪中関係に不安を投げかけた。
今月のRBA理事会で9月から週間の国債買い入れ額を現在の50億豪ドルから40億豪ドルに減額したことがテーパリング開始のサインと受け取られたが、政策金利については「インフレ率がターゲット2-3%内に上昇するまで利上げはしない」として、その時期を2024年とする従来のスタンスが確認された。
一方先週行われたニュージーランド準備銀行(RBNZ)理事会では7/23までに大規模資産購入プログラム(LSAP)を停止ることが発表された。市場では「8月利上げへの地ならし」と受け止められてNZドルが上昇。AUD/NZDは発表前の1.07台から1.05台まで下落している。
このように足元再び豪ドル売り材料が目立つが、コロナ収束のシナリオが完全に打ち消されない限り、豪ドルのここからの下落余地も限定的と考えられる。
下値ターゲットは昨年12月の安値である72-73セント台、対円では2月の安値80円が大きなサポートラインとなっており、このレベルが下値ターゲットか。

―読者各位―

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