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今週の相場の焦点by Joe Tsuda (津田 穣) 27 March 2023

27 March 2023

<ポイント>  金融不安はしばらく尾を引きそう

・先週はFOMCBOE理事会、スイス中銀理事会が開催されたが、FOMCBOEは事前予想通りの25bp利上げを実施。またスイス中銀は昨年12月に続いて50bpの利上げを実施した。(不動の日銀との違い!)
FOMCでのスタッフ金利予想では23年末予想の中間値が、事前の引き上げに対して5.125%の据え置きとなり、直後はドル売りも。逆にBOE理事会では据え置き予想もあっただけに直後はポンド買いが見られた。
・ノルウエーやアジアの中銀の多くも利上げを実施。各国とも金融不安はあるもののインフレに対する警戒感も継続した。
・イエレン財務長官は「正当化されるなら預金保護で追加措置を準備」と発言し、24日に金融安定監視評議会を緊急招集したこともありドル円は一時129円台半ばに下落したが、評議会では「銀行業界の現状について議論し、一部の機関がストレスを受けているものの、米国の銀行システムは健全であり、回復力があると指摘した」としたことから、本日早朝ドル円は一時131円手前まで上昇した。
・引き続きインフレと金融不安を両にらみした神経質な相場展開が予想される。
今週は欧州の3CPI、米銀破綻巡る公聴会、中国3PMIなどが注目材料だが、米金融不安も徐々に収束に向かい、リスク回避相場の巻き戻しが見られよう。
つまり米ドルはリスク回避の巻き戻しで上値が抑えられる反面、株価が先週に続いて反発すればドルサポート要因。一方ドル円は先週の129円台で当面の底値を見たと考える。

 

◎<豪ドル相場>

豪ドルはリスク回避相場の中66セント台、86円台まで続落した。リスク回避の動きは峠を越したと思われるが今週も上値は限定的か。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6625-0.6759  AUDYEN  86.08-89.24
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6800  AUDYEN  85.00-90.00

先週豪ドルは米欧銀行不安が強まる中、リスク回避が主流となり66セント台前半まで続落。特に豪ドル円は一時円の全面高を受けて昨年3月以来となる86円台前半まで大幅下落した。金融不安は徐々に収まりつつあるが、今週も米国サイドでは米銀破綻を巡る公聴会が予定され、またBOE総裁以下もSVB破綻を巡る議会証言の場に出るなど、まだ“揺り戻し”の可能性もあり注視したい。
主要国のインフレ頭打ち観測が高まる中、今週は2月の豪州月次CPIが発表されるが予想は7.2%と前回の7.4%から低下予想。
ポイントはロウ総裁の「利上げ打ち止め発言」がいつ出るか?
エコノミスト達の後2回の利上げ予想(ターミナルレートは4.1%)に対して金融先物市場では3月の利上げ後の3.6%でターミナルレート到達と見ているようだ。
豪ドル売られ過ぎ状態は継続しているが、本格的な回復はまだしばらく先となるだろう。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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