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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2 March 2026

 

2 March 2026

<ポイント>
 ―今週は中東情勢緊迫(ホルムズ海峡封鎖の可能性)と米雇用統計など材料豊富―

今週の予想レンジ:154.50-157.50
先週のレンジ 153.99-156.82
(先週の予想レンジ:153.50-156.50

・先週ドル円は週初の154円割れから一時156円台後半まで上昇し、結局156円近辺で越週。
・週初はトランプ相互関税に対する米最高裁違憲判決でドル売り先行したが、火2/24()の毎日新聞記事「高市首相は追加利上げに難色」でドル円は156円台に上昇。更に25(水)に日銀審議委員の後任にリフレ派の浅田中央大学名誉教授と緩和維持派の佐藤青学大教授が指名されたことによりドル円は156円台後半に続伸。
・しかし2/26(木)植田日銀総裁が「早ければ3月利上げ」に含みを持たせたことや、片山財務相の繰り返しの円安けん制発言もあり、155円台に反落する局面もあったが、結局156円近辺を回復して越週。
・今週の焦点はやはり2/28に実施された米国・イスラエルによるイラン攻撃・ハメネイ師死亡の影響だ。イラン革命防衛隊(IRGC)は3/1()にホルムズ海峡の封鎖を発表しており、今後の原油動向が注目される。日本の輸入原油の約8割が同海峡を通過しており、原油価格の日本経済・インフレ再上昇への影響が懸念される。
・因みに過去において同海峡が封鎖、またはそれに近い事象となったのは、19908月のイラクのクウエイト侵攻時と2003年の米国のイラク攻撃時だが、原油価格の史上最高値は2011年のリビア内戦(カダフィ大佐死亡)時に113.9ドルまで上昇している。
・イランの革命防衛隊は即侵略者への報復を表明しており、今後の展開が懸念されるが、原油価格大幅上昇となれば、再び日本の貿易赤字の拡大・経済への悪影響は必至であろう。また市場の混乱が予想される中、先週3月利上げの可能性を示唆した植田・日銀の利上げも難しくなるであろう。
・係る地政学的懸念の陰に隠れながらも、今週は月初恒例の米雇用統計が発表される。1月の非常に強い内容からやや軟化が予想されるが、失業率は4.3%と前回並みで堅調予想。
・本来は「有事のドル買い」である地政学的懸念も、米国の国際的な存在感が低下している昨今においては、新たなトランプ政策への不安=ドル売りの要素もあり、相場への影響は不透明と言わざるを得ない。
・ただホルム海峡の封鎖が確定的となれば、やはり市場のファーストリアクションは原油高→円売りの発想となるのではないか?
・先週ドル円は155円~156円台で不安定にアップダウンしたが、今回の中東情勢不安から日銀は3月利上げを実施しにくい環境となったとの判断が正しければ、結果的にドル円続伸となるのではないか?

◎<豪ドル相場>
先週豪ドルは、ユーロが1.17台~1.18台で揉み合う中、71セントを挟んで堅調推移した。対円ではドル円の156円台への反発を受けて111円台に続伸した。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.7027-0.7136  AUDYEN  108.80-111.47
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.7150  AUDYEN  107.00-110.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6850-0.715    AUDYEN  109.00-113.00


先週豪ドルは、ユーロが1.17~1.18台で揉み合い、ドルインデクスも97台で方向性がなくなる中、対米ドルでは強含みとなり、対円ではドル円156円台への上昇との相乗効果で111円台に高値を伸ばした。
・発表された1月CPIは3.8%(予想3.7%、前回3.8%)と高止まりし、またQ4の民間設備投資(CAPEX)は昨年Q4におけるRBAの緩和終了観測により前期の+6.4%からは失速したが、0.0%予想に対して0.4%と予想を上回った。市場ではRBAは3月は様子見し、5月に再利上げを読んでいる。3/4(水)発表のQ4GDP(予想前期比+0.7%、前回+0.4%)。前年比(予想+2.2%、前回+2.1%)が注目される。
・週末の米国・イスラエルによるイラン攻撃と今後の原油動向が注目される。豪数は産油国でありながら、国土の広さからガソリンを輸入に頼るという変則的な国である。原油動向にフォローする天然ガスが主要輸出品目であることからは原油高は経済にとりフェイバーな材料である反面、原油に付随した諸物価の高騰や中東不安の世界経済への悪影響は豪州経済にとってマイナスであり、影響の分析は容易ではない。
・「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、今週も相場のボラティリティ上昇から豪ドル相場も振幅が予想されるが、基本的には対米ドルでは反落の余地、対円では堅調地合維持を予想する。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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