13 October  2025

◎＜ポイント＞　　―高市トレードでアップダウン―

今週の予想レンジ：150.00-154.00
先週のレンジ　149.04-153.27
（先週の予想レンジ：148.00-151）

・先週は高市トレード全開で、ドル円は今年2月以来の高値153円台まで上昇し、日経平均は一時4万8千円台半ばまで上昇した。
・高市氏が景気浮揚・財政拡大論者であり、日銀の利上げに否定的な立場であることは周知の事実であるが、やはり先週月曜日の「ギャップオープン（147台→149台」は高市氏の勝利に意外感があったのか？あるいは米政府機関の一部閉鎖が長引くとの観測の下、市場にドル円ショートが（筆者を含めて―汗）はびこっていたのであろうか？
・ただ、週末に向けて調整色強まりドル円は151円台前半まで反落し、日経平均（先物）は4万5千円台前半まで3000ポイント調整反落して越週。
・調整に至るまでには複数の要因が指摘される：
①加藤財務大臣の強い円安けん制発言
②トランプ大統領の対中関税引き上げを示唆する発言
③自公分裂の危機　等
特にトランプ大統領の対中けん制発言は米株中心に株価調整をもたらし“リスク回避的な”円買戻しを誘った。
・147→153→151円台前半のアップダウンで結果的に“半値戻し”が完成したが、ここから先“ギャップ”を埋めて高市トレード前の相場水準に戻るのか？あるいは調整一巡でドル円は再び上昇するのか？
・筆者は後者の見方で足元の株価やドル円の大幅反落は「格好の買戻しのチャンス」と見たい―早朝のシドニー市場でドル円は151円台後半で“ミニ上窓”を開けてオープンし152円台に上昇している。
・自らの今年のドル円レンジ140-170の上限に拘る点は否定できないが、今回の高市トレードは従来のコアレンジ145-149の上値レジスタンスをブレイクするターニング・ポイントであったと考える。
・本来米ドル高よりは日本のファンダメンタルズ（主に経済・財政面）悪化が円安要因と考える筆者にとって、日銀の引き締めに対して否定的な高市氏の登場は、自身の円安論をサポートする。
・加えて、高市氏が首相指名に失敗し、自公分裂で弱体化した自民党が下野する事態となれば（確率は低いが）日本の政治的混迷も改めて円売り材料視されると考える。
・今週は先週調整反落した主要国の株価動向及び、一部閉鎖中の米政府機関が再開されるかもポイントとなろう。

・先週豪ドルは“高市トレード”でドル円が153円台に上伸し、ユーロが1.15台に下落する中、対米ドルで週前半66セント台を維持したが週末に向けて65セント割れまで軟化。対円でもドル円の153円台上伸を受けて101円台手前まで上昇したが、週末に向けて失速し、一時97円台後半まで反落した。
・先週金曜日にRBAのブロック総裁は豪州経済に対する楽観的な見方や、サービスインフレ高止まりの懸念を表明したが、豪ドル反落は阻止できなかった。
ただブロック総裁の発言後次回11/4(火)のRBA理事会での利下げ期待は後退している。今週10/15（水）にブロック総裁が野村リサーチ主宰のイベントで講演するがその内容に注目したい。また理事会までには9月雇用統計（10/16）とQ3CPI(10/29)が発表される。
・先週豪ドルは足元のコアレンジ下限である65セント台を下にブレイクしたが、米ドルがこのまま続伸するとも考えられず、64セント台では底入れすると考える。
・一方対円では先週は100円台での達成感と米ドル円反落を受けて97円台に下落したが、上記“米ドル円の反発予想”が正しければ、再び100円台に戻ると見ている。

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